とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

南アルプス 赤石岳・聖岳縦走「3日目」

2009-08-18 23:21:53 | 山登り
4時半の朝食を終えた頃、前日頼んでおいた「ソーダブレッド」が焼きあがった。焼き立てで美味しそうだ。途中の行動食にするつもりで楽しみにして荷物の中に入れ百間洞山の家を出発した。

空は快晴というほどではないが晴れそうな雰囲気であった。百間洞山の家の周りもお花畑だ。あたり一面トリカブトやマルバダケブキが咲き乱れていた。


緩やかな斜面を登っていくと、前方には円錐状の中盛丸山が見えてきた。なかなか形のいい山である。まずはこの山を目指すことになる。

そして、東に目を転じるとV字状になった山間の向こうには広い雲海が広がっていた。

中盛丸山(2807m)の頂上からは見事な景色が広がっていた。北アルプス、中央アルプス、御嶽山など見覚えのある山々が広がっており、しばし山岳同定に目を凝らしていた。

(中央上部にぽっこり雲の上に飛び出ているのが御嶽山。手前の尾根の左側にはシラビソ高原のロッジが見える)

(手前右が大沢岳。遥か彼方には槍ヶ岳や穂高連峰が見える)

(中央アルプスの山並みもよく見える)

中盛丸山から先は足場の悪い斜面となり、ゆっくり下る。しばらくするとまた登りとなり次のピークは小兎岳(2738m)だ。このピークを乗り越え、次のピークは兎岳(2799m)となる。振り返ると、大沢岳、中盛丸山、小兎岳といくつものピークが連なっているのがよくわかる。

大沢岳は登らなかったが、兎岳で3番目のピークとなった。

よくもまあ、ここまで来たなと我ながら感心した。兎岳直下にも避難小屋がありその周辺にも珍しい花が幾つか咲いていた。

(タカネバラ)

(サクラソウの一種だと思うが名前がよくわからない)

兎岳を過ぎると、いよいよ聖岳である。ここから約2時間の行程だ。2800m近くまで登ったのに300m近く下らなければならない。しばらくダケカンバの中を下り最低鞍部まで行くとハイマツ帯の急坂となった。登りながら振り返ると、前日霧の中だった赤石岳や百間平が見えていた。

改めて見渡すと遥か彼方だ。よくあそこから歩いてきたなと思うくらいの遠さだ。頑張って岩稜帯を登っていくと、先を歩く登山者たちのシルエットが稜線沿いに見えた。

山頂まではあと僅かであった。そして、ほぼコースタイムどおり兎岳から約2時間で聖岳(3013m)の山頂に到着した。58番目の百名山だ。

3000mの高峰から見る景色は最高である。今までの苦労を忘れさせてくれる展望だ。山小屋で作ってくれたおにぎりも景色を見ながら食べると美味しい。記念写真を撮ってから、先にある奥聖岳(2982m)にも行くことにした。こちらは、下山ルートから外れるので荷物を置いて空身で往復することにした。往復40分ほどだが、荷物がないので軽やかに行けた。

奥聖岳の山頂はケルンと三角点しかないがこの日5番目のピークとなった。

聖岳の下りは岩だらけの急坂だ。つづら折の登山道は遥か下まで続いており登山者が豆粒のように見えた。

6番目のピークの小聖岳(2662m)を過ぎると、またしても素晴らしいお花畑に出会う。ここもトリカブトやマルバダケブキが咲き乱れ見事であった。

聖平までこんなお花畑が続き、最後の宿泊地である聖平小屋に着いたのは午後2時くらいだった。この日の歩行時間は約8時間。今回では一番長く歩いたわけだ。聖平小屋はテント場も広く、たくさんのテントが張られていた。小屋の宿泊者も結構多いようだった。今までの小屋では余裕があってよかったのだが、この日はすぐ隣に寝たオジサンのいびきが大きくなかなか寝付けなかった。

続きは「4日目」に。