本を出すことができましたが、ゴールではありません。もちろん次作に向けて頑張ることが第一ですが、旅だった『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)を支え続けるのも仕事だと思っています。
本というのは、微妙で「買ってね」「読んでね」と積極的に宣伝しにくい面を持っています。 一時代前の作家さんならば、書いて原稿を渡せばそれでよかったのか? そこはよくわかりませんが、今はとにかくそんな時代ではない。
一人でも多くの方に手に取っていただけるように、作家も宣伝しなくてはいけないと考えています。そう考えさせてくれるよりどころは、実は故後藤竜二さん。もと「季節風」代表です。たった一度だけですが、講演会を聴きに出かけました。小さな町の小さな公民館の一室で、2時間立ったままお話をされていた後藤さんの声は今も耳に残っています。(『紅玉』を読まれたのですよ)
そのとき、後ろの机に自作を並べ、売ってサインなどされていたのですが、残ったものは持って帰られるようでした。私がご挨拶をすると、「必殺行商人」と笑っておられたのです。
かつて書店で働いていたこともあるのですが、毎日取次店からくる段ボールを開け、品だしをして。一冊一冊を手渡しで売ってくださるのは、書店です。それでも残念ながら売れなかった本は委託期間を過ぎれば返品しなくてはなりません。そんなことにならないよう、こちらもできることをしなくてはと思うのです。
私は東北の人間ですが、『しゅるしゅるぱん』が、大阪や京都や九州や四国の書店さんにも置かれるのだと思うと感無量です。本当に書店さん、ありがとうございます。という気持ち。書店で買ってくださった皆さん、ありがととうございます、という気持ちです。
なので、正直超苦手な部分ですが、宣伝も頑張りたいと思っています。
児童文学者協会、
新刊ブログにも載せていただきました。
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『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)