ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

初日の出暴走は「なかった」

2007年01月04日 | 雑記
年末に書いたけど、おそらく今年は初日の出暴走はなかったと思う。

国交省は「『初日の出暴走』の不正改造車15台に整備命令を発令」というリリースを今日だしたが、中身は絶対に「初日の出暴走」じゃない。
これは、たまたま通りかかった「走り屋」の改造車が捕まっただけだと思うよ。

中央自動車道  八王子料金所(東京)、河口湖IC(山梨)、諏訪IC(長野)
東名高速道   東京バリア(神奈川)、御殿場IC(静岡)
東北自動車道   浦和料金所(埼玉)
常磐自動車道   三郷料金所(埼玉)
東関東自動車道   習志野バリア(千葉)
京葉道   船橋バリア(千葉)
一般道路   国道17号線新町検問所(群馬)、大洗海岸(茨城)

で検問して、検査したのがたったの35台。ってことは改造車らしきクルマはこの11箇所で35台しか通らなかったということだ。
あんまり意味ないけど、平均すれば一箇所あたり3台。
そのうち整備不良は15台。
初日の出暴走はもともとバイクが主流だったけど、35台はすべて四輪で二輪は0台。

これをやるために一体いくら金がかかったのか。
というか、このリリースはこんなタイトルじゃなくて「初日の出暴走警戒は空振り」とかなんとかにするべきじゃないのか。

なお、警察庁の発表では、31日から3日に検挙された暴走族は全国で377人。これは前年比19.3%減とのこと。

飲酒運転防止装置

2007年01月04日 | 雑記
昨年、自動車関連で最も話題となったことのひとつに飲酒運転がある。

これに関連して、飲酒運転防止装置についても年末年始のメディアでも結構取り上げられていたが、その見方があまりに単純なのには驚いた。

いわく、飲酒運転防止装置を装備しないのはカーメーカーの怠慢であるとか、新コンポの導入に対して保守的過ぎるとか、儲けているのに社会的責任を果たしていないとか。

当然、カーメーカーも研究は進めている。
しかし、昨年のエントリーでも書いたが飲酒運転防止装置はエアバッグやABSなどの安全装備とは根本的に性質が異なるのだ。

これは大多数の健全なドライバーにとっては不要な装置である。
それが装備されていてもまったく価値を感じないから、購買動機につながらない。

したがって、この装備が有償オプションで設定されても業務用車両以外に需要はないだろう。

売価ゼロで標準装備するのかカーメーカーの責務だ、という意見もある。
しかしこれはあまりに感情論だ。
たとえば排気ガスは100%カーメーカーの責任であり、売価反映無しに改善するべき物だろう。しかし飲酒運転は違法行為であり、かつ過失ではなく故意の犯罪なのだ。
これをカーメーカーの責任とするのはちょっと違うと思う。

そして、仮にあるメーカーが社会的責務を感じて全車に標準装備をしたとしても、一般消費者がそれを評価してそのメーカーの車を購入する保証はまったくない。
繰り返しになるが、大多数の健全な消費者にとってはなんら価値のない装備だからである。むしろ、エンジン始動時の儀式などが嫌われるだけだ。
(トヨタは視線や発汗で感知する方式を検討中とのこと)
カーメーカーにとっては他社に先駆けて採用するインセンティブがない。
法制化等の外力がない限り実現しない話なのだ。

飲酒運転防止装置を全車に装備するべきだと主張している人たちは、自分にとってはまったく意味がなく逆に面倒が増える装備のために数万円の追加出費をするのだろうか?