ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

DSSS

2009年12月01日 | ITS
ずいぶん久しぶりのエントリーになりました。生きてます。

聞くところによると、警察庁が補正予算で149億円を計上していたDSSSの路車間通信安全運転支援が事業仕訳で認められず、実際についた予算は4億円になったらしい。

そもそも、これとスマートウェイの路側機設置250億円との関係を私は詳しく知らない。DSSSだから、光ビーコン系で安全情報を提供するんだろうが、スマートウェイがDSRC、DSSSが光ビーコンってのは、状況による使い分けというよりも省庁間の壁に起因しているようにしか思えない。もう一歩余計なことをいえば、それぞれの利権が関係しているだろう。(ビーコン路側機は信号機メーカーが作っている。もし利権という言葉が不適切であれば「ながいつきあい」)

それはそれとしても、スマートウェイと合わせて路車間通信に400億円もの巨額を使おうとしていたのには驚く。スマートウェイの250億円は特に議論もなく事業仕訳をすり抜けているようだが、はたしてスマートウェイはOKでDSSSがダメ、ということになにか理由があるのだろうか。

そのDSRCだが、対応車載機が普及するとは到底考えられない。

やはり、カーメーカーは本気でDSRC車載機を普及させる気はないようだ。その理由は、インフラ整備の様子見というのもあるが、「価格に見合う価値がない」というのが一番の理由らしい。レクサスではかなりの装着率になっているようだが、このブランドのお客さんはいまだに「一番いいやつ持ってこい」という方が多いのであまり参考にはならない。
市販ナビメーカーも、路側機を作っている数社を除いてはほとんど市販モデルへの組み込みなんてしないだろう。むしろ来年はPNDとの戦いで、実売10万円前後が主流となる。キラーコンテンツは地デジやポータブルオーディオ連携で、DSRCが入りこむ余地なんて1mmもない。だから市場認知も進まない。

250億円は全くの無駄金になると思う。