ITSを疑う

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高速休日1000円終了で不正通行は増えるのか?

2011年06月19日 | 高速道路
高速道路休日1000円が今日で終了するが、これにともなってETCの不正通行が増加するのでは、という懸念があるようだ。
MSN産経ニュース
新聞社のリンク先はそのうち消えてしまうので、概要を。

・「これまで千円で通行できていたのに…」。高くなる料金へのそんな反発心から不正通行が増加するのでは、と高速道路会社は懸念する。
・NEXCO西では、不正通行は平成19年度の12万642件がピーク。多くはETCを未課金で通過してしまう「うっかり突破」だが、1割程度は開閉バーを強行突破するなど常習性、悪質性の高いケース
・その中で「最も危険度が高い」(同社関西支社の担当者)のが、「カルガモ走行」と呼ばれる不正通行。
・カメラ監視や不正通行者を特定するチーム発足など、対策が徐々に成果を上げ、不正通行は減少傾向にあり、21年度には8万619件とピーク時の3分の2にまで減った。22年度はさらに下回る見込みだという。
・しかし、19日で休日上限千円や無料化実験が終了することから、NEXCO西は高くなる料金への反発などで「『うっかり』ではなく『故意』の不正通行が増加するのでは」と懸念。

以前から、ETC突破は悪意によるものではなくほとんどがカード入れ忘れなどの過失だろう、むしろカード入れ忘れや接触不良でゲートが閉まる現在の仕組みの方が危険なのではないか、と言ってきた。
そして、今回の記事で判るとおりやはり不正通行の9割は過失だった。

それはそうと、この記事を書いた記者はもう少し数学的なセンスを持ったほうがいい。
故意の不正通行は1割しかない。対策を行って故意の不正が完全に無くなっても、1割しか不正通行は減らない。「対策が徐々に効果を上げ、ピーク時の2/3にまで減少した」と言った時点でおかしいと思わなくてはいけない。
ユーザーの習熟やNEXCOによる各種入れ忘れ警告などにより過失による突破が減少している、というのが本当のところだろう。

では、1000円廃止で不正が増加するか、と言われるとこれは疑問。
カルガモ走行などの悪質な不正通行は利用頻度の高い業務車両に多く、土日1000円を享受していた一般のレジャーユーザーがそんな悪質な行為をするとも思えない。