ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

上海高島屋 立地の懸念

2013年03月10日 | 上海生活
昨日の昼食は上海高島屋の7階、無敵家でラーメン。ここは北京に数店出店していて、上海はここが初めてだと思う。まずまず美味しかった。
それよりも心配なのは昨年末オープンした高島屋自体の今後。

昨年の島の問題でプロモーション活動ができなかったということもあり、中国人に対するお店の認知は今ひとつ。実際店内はデパ地下と食堂以外週末でも閑散としている。
しかし、もし島の問題がなかったとしても、このお店はかなり難しい問題をはらんでいる。

上海高島屋は古北新区という、市の計画発展地域に立地している。日本領事館のやや南のあたり。
2009年に地下鉄が開通し、開発新区ということで外国人向けマンションやオフィスビルが立ち始め、高島屋出店計画時点では上海の「目玉エリア」だったことは想像に難くない。
実際、高島屋は地下鉄10号線の伊梨路(本当は梨の下は木ではなく牛)駅と直結しており、交通の便は良い。

ただし、この周辺にはまだ大きな商業施設はほとんど存在しない。お客さんは高島屋以外にここに来る理由がないのだ。
上海市内の商業施設は急速に発展し、すでに飽和している。いくら人口が多いとはいえ、町中にこんなに大型商業施設を作ってどうするのか、と思うような状況になっている。
そうした中で、いくら開発区といってもこの地域が今後更に活性化するとも思えない。これは高島屋にとっては出店計画時点では読みきれなかったのかもしれない。

また、狙っている客層も判然としない。
各階の売り場には輸入高級品が並ぶ。1000元(15000円)以下のものはあまり売られていない、という印象で、富裕層狙いであることは明白だ。
しかし、この古北新区にはあまり中国人裕福層は多くなく、主に日本人を含む外国人が多い。

日本人駐在員としては、確かに食料品を中心にほしいものが売られているので、近くに住んでいるなら利用するだろう。しかし、直線距離では3キロ程度だが、我が家から高島屋に行くかというと、行かない。おおむね同様のものはもっと交通の便の良いお店で手に入る。
さらに言えば、日本人駐在員は家具や食器、衣料品など、輸入品をわざわざ高い値段を出して上海で買わない。2-3時間で日本に帰れるし、正直「日本では中産階級」な人が大半。
しかも3年もしたらいなくなる。ロイヤルな顧客創りという意味では中国人裕福層を狙わなくてはいけない。

ライバルの高級デパートである伊勢丹や久光は銀座通りのような一等地に立地していて、当然その地域での買いまわりができる。
買いまわりができない伊梨路には週末レジャーとして来るバリューも小さい。

テナント料がかなり高いらしいが、契約更改時期に撤退するテナントが出てくるだろう。

そこからが正念場だと思う。