ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

3Dプリンタに関する的外れなメディア報道

2014年05月12日 | 雑記
3Dプリンタで銃を作って逮捕された人が出て,色々話題になっている。
だから規制しろ,というのはあまりに馬鹿げた話で,それについて書くつもりはない。

言いたいことは,メディアの見識があまりに的外れだということ。
代表的なのはこんなの

3Dプリンタというのは,3Dデータから試作が作れる道具であって,その試作を作るためには3Dデータが必要。
さらに言えば,ラピッドプロトタイピングといってその技術はずいぶん前からある。最近話題になっているのは低価格化で一般人でも買えるようになったからに過ぎない。
>「日本を代表する部品などが軒並みコピーされる」(IT関係者)と危惧する声は尽きない。
と記事にあるが,IT関係者だから的外れなこと言ってるだけで,エンジニアにそんなこという人間は一人もいないだろう。

この記事には中国という言葉は出てこないが,「日本が誇る製造技術を形骸化させる恐れもある」というあたりに,これから中国がコピーを作るから大変だ,というようなニュアンスが見て取れる。

でも,既に中国のコピーメーカーは3D測定器を持っている。
製品を買ってきて,全部実物測定して3Dデータにして,それを基にNCで金型を作ってコピー品を生産するなんてことは中国のメーカーはもうずっと前からやっていることだ。

3Dプリンタは試作用の機械で,量産はできない。
これで日本の製造業が脅かされることなんてない,というか,3D測定器+NCマシンでもう既に相当やられている。