ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETC2.0 大体わかってきた。

2014年07月10日 | ITS
ETC2.0のGoogle検索でこのページが上位にヒットしますが14年7月の記事です。最新情報は左の「最新の投稿」欄からご確認ください。
なお、通常ETC,ETC2.0,さらに15年8月から始まった再セットアップの関係を表にまとめたものがこちらにあります。
http://blog.goo.ne.jp/maikawa/e/53be8c40b79542f649676431fa94cf52

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何人かの方からコメント頂いて,ETC2.0って言われているものが何なのかが大体わかってきた。

まず,現在のETCの通信方式(5.8GHz DSRC)を変えるものではない。
大きなポイントは以下のとおり。

・現在のITSスポット対応車載器,殆ど知名度がなく普及もITSスポットの認知も進まないので,ETC2.0という言い方でリロンチングを図ろうとしている。
・そのために使用者にとってもっとわかりやすい利便を提供する。
・一つはバー無しの料金所。ノンストップのためには安全確保のために今より広い車線が必要だが,最近はETC利用が増えて有人料金所を減らせる状況になってきたので設置が可能。
・もう一つは「渋滞を避けるために途中で一般道にでて,再度高速道に入るような誘導をし,その場合でも料金を優遇する」等の仕組み。

・これらは現在の通信方式と車載器で技術的には対応可能だが,現在の車載器は車両の個別識別情報をアップリンクしていないのでバー無しでは不正通行の記録が,柔軟な料金対応では個別の車両の通行記録が取れない。
したがって,現行のETC車載器をETC2.0車載器にするためはソフトの書き換えが必要。

こんな感じだと思う。

現在の車載器が車両個別識別情報をアップリンクしていないというのは知らなかった。
これは個人情報系の話もあり,うっかりやることはできない。しかし,これをしないとせっかくITSスポットを作っても区間の通過時間情報がとれないはず。ビーコンのように個人情報を特定できないランダムなデータを電源投入時に生成し,それでとっているのかな?

まあ,いずれにしても個人情報をアップリンクすることについては結構面倒な議論がありそうだ。
国が個人を監視しようと思ったら,秘密情報保護法なんかよりもよっぽど強力な手段になりうる。
ここは国交省的にはあまり深く突っ込まれたくないところだろう。
まあ,現実にはNシステムで既に監視されているわけで今更騒いだって仕方ないことだけど,ややこしい人たちもいる。

もう一つ思ったこと。
バー無し料金所をETCを付けずに通過した場合,DSRCでは車両識別データがとれないのだから,いずれにしてもナンバープレートの撮影と請求書発行が必要になる。これで不正通行の料金徴収が十分機能するのであれば,別にETC2.0なんていわず,今のままで車線を広げてバー無しにすればいいとおもうのだけど。