ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

CarPlayやAndroid Autoとはなんなのか?のおさらい

2014年08月06日 | ITS
どうもIT業界の方はこのCarPlayとかAndroid Autoというスマホと車をつなげる仕組みがなんだか革新的なものだと勘違いしているようだ。
しかもAppleやGoogleが車のIT周りを支配するための布石なのだ,みたいなかなり見当違いな見方をしてる人もいる。

これについては前にも書いているが,そんなに凄いもんじゃない。

スマホの画面を車載モニターに映す方法はすでにある。
簡単に言うと,ブルートゥース経由でやる方法とHDMIかWifiで接続する方法。車載モニターのタッチパネルが使えるつかえないとか,iPhoneはSNSできないとか色々の制約があるけど,できる。実際に市販のナビゲーションにはこの機能が付いているものが出てきている。

でもそれは基本的にはスマホコンテンツをそのまま表示するわけで,その気になれば運転しながらパスドラだってできる。

そんなのは危なくてしょうがないし,これに起因して事故が発生した場合,カーメーカーはPL訴訟で負けるからこれを標準装備にするわけにはいかない。
一方でスマホの情報を車載のモニターに表示したいというユーザーニーズにカーメーカーとしても対応したいし,Apple,Googleとしても囲い込みのためにカーメーカーに採用してもらえる安全な接続インターフェースを開発することには意味がある。
多かれ少なかれ,スマホ画面が運転中に表示されていれば,音楽D/LやPOI検索でそれにまつわるe-コマース系のビジネスチャンスはあるだろう。

また,今までスマホ側のOSアップデートで散々苦労させられてきたカーメーカーやナビメーカーにとって,AppleやGoogleが純正でインターフェースを用意してくれるのは大変ありがたい。

ということで登場したのがCarPlayとAndroid Autoなのだ。
だからこれらはスマホの情報から一部を切り取って運転に支障のないようなインタフェースで表示するだけのものであり,決してAppleやGoogleが車のIT周りに入り込む布石,ということにはならないだろう。

カーメーカーはCarPlayだけ,あるいはAndroid Autoだけに対応した車載ディスプレイを搭載するワケがない。わざわざユーザーを限定するような車を作るメリットはなにもない。多分,標準装備のカーナビ(か,ディスプレイ)がCarPlayとAndroid Autoの両方対応になる。

ということで,これらはあくまでスマホをカーナビ画面につなぐソフトウエアであり,スマホを車の中でより使いやすくするというレベルの話でしかない私は考えている。

スマホナビの性能が上がってきているので車載のナビはなくなる,と見る向きもあるが,私はそうは思わない。これについては改めて。