ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

町田の小1ダンプカーひき逃げで思うこと

2016年02月20日 | ITS
まず、最初に言っておくとひき逃げは許されない。何かを轢いたと思ったが止まらなかった、は言い訳にはならない。

さて、監視カメラの動画をみると、ダンプカー運転手への若干の同情も感じてしまう。YOUTUBE動画
不幸にも犠牲となった少年は死角になっている可能性の高い角度から走って横断歩道に入っている。もちろんそれも含めて安全確認は車両側にあるからダンプカー運転手の免責になる話ではないが、私も左折時、かなりの速度で歩道を走ってきた自転車に全く気が付かずヒヤリとしたことは数回ある。

言いたいことは、こうした悲劇は信号インフラで防ぐべきではないか、ということ。
車のミラーの構造上死角はある。また、視野の外から走って侵入してくるものを見落とすことはある。
一方、歩行者にしてみれば信号は青で、走って渡ったからといって全く非難できない。運転する大人は車の死角を知っているから「この状況は危ない」と判断するだろうが小学校一年生はわからなくて当たり前。
いずれにしても今の仕組みではヒューマンエラーが起きやすく、その結果が事故死という最悪の結果になるのであれば、それは仕組みを変えることを考えるべきではないのか。

ご承知の通り右左折は曲がった先の横断歩道が青なので歩行者を優先して通行する、というのが交通ルールだ。
ここ中国でも道交法はそうなっているのに、車は歩行者を優先しない。歩行者は信号にかかわらず横断歩道を渡る際は車が来ていないことを確認する必要がある。(逆に赤でも車が来ないと渡る)。これでよく事故が起きないものだ、という人がいるが、それは間違いで相当事故は起きている。
先日行ったスペインでは、専用の信号があり通常は黄色点滅になっている。実際は同じことだが、心理的により徐行を促すことになるだろう。

一番確実な解決策は矢印信号にして「青の車と青の歩行者が混交しないようにする」ことだろう。
昔3ヶ月ほど車で通勤していたオランダではほとんどの交差点が右折も左折も矢印で人車が混交しないようになっていた。

日本ですべて矢印で制御すると渋滞が増加するのかもしれない。しかし繁華街ではむしろ渋滞解消になるケースも有ると思う。甲州街道上り、新宿南口陸橋手前の大交差点は歩行者が多く左折車両がほどんど進めない。歩行者は赤になってもダラダラと渡り続けるので、下手をすると一回の信号で数台しか進めないこともある。空港バスは手前から左折しこの交差点を回避している。これは明らかに矢印信号にして左折車をスムースに流すべきだ。

ITSスポットよりもこちらに投資したほうが交通事故死者減には効果がありそうだと思うのだが。(監督官庁が違うことは承知)