ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

なぜ日本は青青信号問題(どちらも青問題)を放置しているのか?

2018年05月30日 | ITS
中国佛山市順徳で自動車通勤をして一年が過ぎた。
ここでは信号機が全く日本と違う。(中国は都市によってもまちまち)
まず、青信号から黄色に変わる前にカウントダウンがあるので、黄色で交差点に入る車はほとんどいない。これは監視カメラがあることも大いに関係しているが、とてもいいやり方だと思う。

次に、これが本題だが、基本的に交差点では青青信号問題が発生しないようにできている。

青青信号問題とは、直進車と右折車、右左折車と歩行者など、どちらも青信号だが注意しないと事故になる信号。日本の交差点は基本的に全てこの状態になっており誰もそれを不思議には思わないが、実際それによる事故も多い。大型車による歩行者巻き込みは悲惨な死亡事故となり、右折車と直進車(右直事故)は直進車がスピードが出ているのでこれも大事故になる。

順徳では4方向それぞれで順番に青になる、もしくは左折(日本で言う右折)は矢印信号で、そのときには歩行者を含め他の交通は赤になっている。
当然、日本に比べれば信号の待ち時間は長くなる。しかし右左折を徐行せずにできるので流れはスムースだ。

これはここ順徳に限ったことではなく、私がいままで短期生活したりレンタカーを借りて走った欧州各国も都市部ではたいてい矢印で歩行者との青青問題はなかったと思う。

なぜ、日本は信号機の青青問題を放置しているのか?少なくとも右折はすべての交差点で矢印信号にするべきではないのか?

日本は交通量が多いので待ち時間が長い矢印信号にすると渋滞が悪化する、という意見を聞いたことがあるが、果たしてそうだろうか?歩行者の横断が多い交差点では、左折ですら一回の青信号で数台しか通過できない事もある。個々の交差点で事情は違うかもしれないが、むしろ矢印化のほうが渋滞緩和になる。

そして、これがもっと大きな問題だと思うのだが、日本では矢印青信号に明確な定義がないということ。
右左折矢印青信号がでていたら、普通は歩行者の横断信号は赤になっていると考える。実際多くの矢印信号でそうなっているが、そうでない交差点も結構ある。理由は、明確にルール化されていないから。これは非常に危険な状態が放置されているということになる。

さらに、日本の矢印信号は小さすぎてどちらを向いているのかがわかりにくい。信号機の円のなかに収める必要なんてないのではないか。

いずれにしても日本では信号機に関してはバルブからLEDに変わったくらいで何十年前から基本的に何も変わっていない。
信号機の監督官庁は国交省ではなく警察であることも影響しているのかもしれないが、これを本気で改善することでかなり事故をへらすことができるのではないかと思う。