ETC2.0。ETCより価格が1万円以上高く、ユーザーメリットもほとんどないため圏央道の割引などのインセンティブをつけてまで国交省がしきりに普及を進めているETCの次世代機だが、なぜ国はそこまでして普及を進めているのだろうか?
その理由は交通経路情報の入手だ。ETC2.0はポストを通過したときにその車の過去50~100km程度の通行経路、速度、急ブレーキなどの情報を国のサーバーに送信する。この交通データはプロープデータと呼ばれ、携帯通信を利用した民間のデータがいくつも存在するが国として自前のデータがほしいのだろう。
それが交通行政に役立つなら何も否定するものではない。また、経路情報を読み取ること自体は(各種割引に活用する、というベールに包んだ上で)公表されている。
では、このポストはどこにあるのか?
まず、高速道路の料金所。ここでETC2.0は支払い関係情報だけでなく、経路情報も国のサーバーに吸い上げられる。
次に高速道路に1700箇所あるITSスポット。ここでは各種情報が車載器に提供される一方、同様に経路情報も吸い上げられる。
後は一般道路。本日の論点はここにある。
一般道路のITSスポットは実験的なものが数箇所にあるだけとされている。しかしそれは車載器に情報提供をするITSスポット、ということだ。
実際には車両の情報を吸い上げるだけで車載器には全く情報提供をしない、つまりユーザーには何のメリットもない通信ポストがすでに一般道に2000基近く(推定)あるのだ。
これは「経路情報収集装置」と呼はれていた。現在は違う名前がついているのかもしれないが全く公表されていないのでわからない。
図は総務省が公表している無線基地局に関するもの。ITSスポット関連の3GHz~6GHz基地局(ポスト)の設置状況が記されている。2010年(平23)に増加したのはITSスポット(高速道路上)だと書かれているが、2013年からの1800箇所近い増加についてはなぜか何も書かれていない。
この正体は前述の一般国道などに設置された「経路情報収集装置」なのだ。内訳が公開されていないからそのすべてがそうであるかはわからないが、国交省関連機関の資料に2013年以降1500基の設置が計画されているという記載があったので、おそらく1500~2000の間の数が設置されているのだろう。注)大手通信機器メーカーの資料に1900基設置されている、との情報があった。
ここで不思議なことは、「経路情報収集装置」に関する情報はネット上でほとんど見つける事ができない、ということ。単に「公表していない」というよりは意図的に隠されているように感じる。
ETC2.0の経路情報収集の目的は国家公安に関するものではなく、個人情報は含まれていない。そもそも装着率100%ではなく、また電源を切ってしまえば通信ができなくなるETC2.0は公安目的には使えない。
だが個人情報は保護されるといっても不透明であり、そうしたことへの世論の批判を怯れているのだろうことは容易に想像できる。
繰り返すがそれが交通行政に役立つなら私は否定しない。(ETC2.0のデータは使い勝手が良くない、また民間ですでにある情報より非常にコストが高くついた、というのはここでは置いておく)
問題は、なぜそこまで国民に秘密にする必要があるのか、また目的は国のデータ収集であるにもかかわらず、あたかも良いものであるかのように宣伝し高い車載器を買わせるという姿勢にも疑問を感じる。
正しい方法は、ETC2.0の走行情報収集機能をオープンにし、それに同意するユーザーに対してむしろ通常ETCより安く提供するということだと思う。
その理由は交通経路情報の入手だ。ETC2.0はポストを通過したときにその車の過去50~100km程度の通行経路、速度、急ブレーキなどの情報を国のサーバーに送信する。この交通データはプロープデータと呼ばれ、携帯通信を利用した民間のデータがいくつも存在するが国として自前のデータがほしいのだろう。
それが交通行政に役立つなら何も否定するものではない。また、経路情報を読み取ること自体は(各種割引に活用する、というベールに包んだ上で)公表されている。
では、このポストはどこにあるのか?
まず、高速道路の料金所。ここでETC2.0は支払い関係情報だけでなく、経路情報も国のサーバーに吸い上げられる。
次に高速道路に1700箇所あるITSスポット。ここでは各種情報が車載器に提供される一方、同様に経路情報も吸い上げられる。
後は一般道路。本日の論点はここにある。
一般道路のITSスポットは実験的なものが数箇所にあるだけとされている。しかしそれは車載器に情報提供をするITSスポット、ということだ。
実際には車両の情報を吸い上げるだけで車載器には全く情報提供をしない、つまりユーザーには何のメリットもない通信ポストがすでに一般道に2000基近く(推定)あるのだ。
これは「経路情報収集装置」と呼はれていた。現在は違う名前がついているのかもしれないが全く公表されていないのでわからない。
図は総務省が公表している無線基地局に関するもの。ITSスポット関連の3GHz~6GHz基地局(ポスト)の設置状況が記されている。2010年(平23)に増加したのはITSスポット(高速道路上)だと書かれているが、2013年からの1800箇所近い増加についてはなぜか何も書かれていない。
この正体は前述の一般国道などに設置された「経路情報収集装置」なのだ。内訳が公開されていないからそのすべてがそうであるかはわからないが、国交省関連機関の資料に2013年以降1500基の設置が計画されているという記載があったので、おそらく1500~2000の間の数が設置されているのだろう。注)大手通信機器メーカーの資料に1900基設置されている、との情報があった。
ここで不思議なことは、「経路情報収集装置」に関する情報はネット上でほとんど見つける事ができない、ということ。単に「公表していない」というよりは意図的に隠されているように感じる。
ETC2.0の経路情報収集の目的は国家公安に関するものではなく、個人情報は含まれていない。そもそも装着率100%ではなく、また電源を切ってしまえば通信ができなくなるETC2.0は公安目的には使えない。
だが個人情報は保護されるといっても不透明であり、そうしたことへの世論の批判を怯れているのだろうことは容易に想像できる。
繰り返すがそれが交通行政に役立つなら私は否定しない。(ETC2.0のデータは使い勝手が良くない、また民間ですでにある情報より非常にコストが高くついた、というのはここでは置いておく)
問題は、なぜそこまで国民に秘密にする必要があるのか、また目的は国のデータ収集であるにもかかわらず、あたかも良いものであるかのように宣伝し高い車載器を買わせるという姿勢にも疑問を感じる。
正しい方法は、ETC2.0の走行情報収集機能をオープンにし、それに同意するユーザーに対してむしろ通常ETCより安く提供するということだと思う。