ITSを疑う

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道の駅の活用について

2019年03月28日 | ITS

レスポンス、会田肇氏の記事。「道の駅」を自動運転やMaaSの中核に…実証実験に見る、その可能性

前半の、道の駅を地域の拠点として過疎/高齢化のモビリティに活用するという部分については異論はない。
もちろん個々の地理的ケースについて検討する必要はあるだろうが、過疎・高齢化集落のモビリティ確保は解決しなければならない問題だ。

しかしその解決策で一足飛びに自動運転やMaaS(モビリティ アズ ア サービス。Wikiリンク)に行くということには若干異論がある。こうしたテクノロジーを活用するまでもなく、退職後まだ元気な6-70代は多く、こうした人とその自家用車をライドシェアに活用し、そのなかで道の駅をステーションにするというような方向からまずは始めたらどうなのか?
過疎地におけるライドシェアの特例認可が行われてることは聞いているが、これをまずは拡大するべきだろう。

とはいえ、将来自動運転・MaaSが実用化されれば、当然地域のトランスポーテーション基地のようなものが必要となり、特に高齢者を意識すればそこを買い物やデイサービスのようなコミュニティーとすることは有意義だと思う。

しかしこの記事、後段の部分がいただけない。おなじみETC2.0翼賛の内容になっている。
ETC2.0の道の駅立ち寄りサービスについて書かれているが、これを「ETC2.0がドライブの新たな楽しさを提供してくれる」と表現している。

実際は全く違う。ETC2.0はプライバシー保護でエンジンを切るとその前後の走行履歴は消去されるので、道の駅立ち寄りの記録は残らない。なので入り口に設置したDSRCポストで判定をしており、これは当然通常のETCでも使える。

では、なぜETC2.0なのか?それはETC2.0普及のためのインセンティブにほかならない。わざとETC2.0に限定しているのだ。

「ETC2.0がドライブの新たな楽しさを提供してくれる」のではなく、「国交省はドライブの新たな楽しさをわざとETC2.0に限定している」。
いや、これは楽しさだけではない。疲労運転防止のための安全対策でもあり、道の駅の経営にも貢献する。できる限り多くのドライバーに提供してしかるべきだ。
これはもっと周知され、ドライバーは声を上げるべきではないか。