ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

なんと自分の車にETC2.0がついていた

2019年05月29日 | ITS

このブログはETC2.0について徹底的に批判をしてきている。
批判する以上は自ら使ってみるのがフェアな態度だろうが、7年前に中国転勤にともなって日本では車をもっていなかったためその機会はなかった。

今年1月にディーラー試乗車の程度がいい中古車を家内用に購入したのだが、先週末一時帰国し高速道路(中央高速)を走行し、初めてついていたETCが2.0であることに気がついた。まったく間抜けなものだ。

ということで、使用レポート。

通常ETCと異なる点は高速道路では交通情報がナビ画面に表示されるということ。
最初に近距離、その後遠方の交通情報が簡易地図で表される。

遠方の交通情報は情報量が多すぎて走行中に確認できるようなしろものではない。また、近距離の情報はほぼ同じものがビーコンでも提供される。この車にはビーコンもついていた。

ビーコンがついているならETC2.0の情報はいらない。しかしETC2.0はビーコンの代替と位置づけられているのでいずれなくなる。
であればETC2.0はつけておいて損はないか、というとそうも言えない。そもそもビーコンの情報も路側表示やハイウェイラジオに対してさほど価値があるものでもない。だからつけている人は多くない。

たまたま中央高速は集中工事で高井戸まで渋滞10キロ120分という異常事態だったが、その情報は路側表示で不足なく入手できた。
また、府中スマートICでおりて国道20号迂回が最適解だったが、これはスマホのGoogleマップが教えてくれた。ETC2.0はなにも教えてくれなかった。

ETC2.0固有の交通情報として前方故障車ありという表示がでたが、10km~15kmおきに設置されてるポスト通過時にしか表示されず、一体どのくらい先に故障車があるのかわからない。実際、忘れてしまうくらい先に故障車が止まっていた。これはFM多重VICSによるナビ画面地図上表示のほうが優れている。

さらに言えば、中央道集中工事に伴って渋滞区間で一般道迂回した場合はETC、現金利用ともに料金調整をしてるが、これはそもそもETC2.0で実現されるという謳い文句ではなかったのか?
実際には2.0でなくとも対応は可能なはずだと指摘してきたが、まさにそのとおりになっている。
リニューアル工事のお知らせページ。料金調整をクリックで調整内容が表示されます。

ということで、正直いってお金を払う価値のあるものではない。割引のある圏央道を日常利用する人以外は「まったく必要ない」と断言できる。

以下、蛇足。
府中スマートICの出口には特にETC専用などの表示はなく、非装着車でもそのまま降りることができる。理由は非装着車も料金所で先払いしているから。しかし、ETC以外も通行可能というような表示は一切ない。これはわかりにくい。そもそも出口に「スマート」という名前をつける意味はないのではないか。