工芸家のT氏が今年も干し柿を持ってやって来た
何時もながらの蕩ける様な柔らかな食感
この柔らかさは干している途中で一つ一つ手もみする事に秘密が有るらしい
此れを800個以上だと言うから驚きだ
「来年の夏、半解凍した柿を仕事をしながら食べるのが堪らねえんだよ」
氏は目を細めてそんな事を言っていた
K氏をお見送りした時にふと前の神社の桜が大分白くなっているのに気が付いた
辺りが少々薄ぼんやりとしてきた頃なので上手く撮れないのは
覚悟の上でカメラを向けて見た
直ぐ側のモミジは上部は全て縮れ葉で下部が僅かに名残を保っている程度だ
これでは写真にならないなと思いながらも
一部だけでも懸命に紅さを維持している姿に打たれるものが有り
私はモミジの回りをコマネズミ宜しく右往左往
こんな姿を見ている人が居たらどう思ったでしょうか
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