まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

深くて暗きは

2009年03月21日 22時03分36秒 | 日々雑感
人の心は気まぐれで、清楚な美人妻がいても奔放な女性とアバンチュールを楽しんだり

さわやかで働き者の夫がいるのに、定職にも就かない男に魅かれたりする。

ないものねだりというよりは、今の生活があるからこそのつまみ食いで

つまりはステーキばかり食べていると、たまにはお茶漬けが食べたくなるようなものだけど

結婚というのは基本的に「つまみ食いはしません」というルールに基づいていることを考えると

世の中にはルールを守らない人がたくさんいるものだ。

わたしなどあずかり知らない上流階級では

お互いに黙認状態で、それぞれ愛人を持ったり浮気をしたりするという。

そういう関係からすれば、浮気が原因で離婚するというのは愛とプライドがあったということだろうか。

多くの男は、高めの女と付き合うことを夢想するけれど、

実際に付き合いたいのは、自分よりも何かが劣る女である。

今の若い世代はデートが割り勘だったり、関係が対等に見えるけれど

それでも男には脈々と、頼られたい、優位に立ちたいという気持ちがあるのではないだろうか。

偉業を成し遂げた男性に、内助の功の妻はよくあるが

偉業を成し遂げた女性を支えた夫はあまり聞かない。

そういう女性はたいがい独身であるか夫の死後、活躍している。

基本的に男は立派な妻など持ちたくないのだ。

昔読んだ小説を思い出した。

これといった取りえのない平社員が、社内の高嶺の花である美人秘書と結婚することになった。

彼女は彼より有能でありながら仕事を辞め、家事にいそしむ。

掃除も料理も全てが完璧で、人も羨む妻を手に入れ鼻高々であった男だが

次第に息苦しさを覚え始め、汚かった自分の部屋を懐かしくさえ思う。

そんなとき、好きでもない飲み屋の女の子となんとなく浮気。

彼女の部屋の汚さとだらしなさに、安らぎを覚える。

浮気を知った高嶺の花は、怒りと悲しみを覚えつつも

そこまで男を追い詰めた自分に気付き、わざと手抜きの家事やだらしない振りをする。

二人の仲は修復した。

もしかしたら男は彼女の作戦に気付いているのかもしれないけれど・・・。

という一応ハッピーエンド。

言っちゃなんだが男は無駄にプライドが高いので、完璧な女と付き合いたいはずがないんである。

どこかダメで可愛気のある女と付き合って

「こいつは俺がいないとダメだ」とか「こんなこともわかんないの?」とか言いたいんである。

才色兼備の女性に、意外と独身が多いのはもちろんこういうことと無関係ではない。

本当に賢い女の人は、知っているのに知らないふりをしたりする人である。

そうすれば世間から、男から可愛がられるのだから。

「高めの女」を手に入れて嬉しいのは初めのうちだけだろう。

その喜びは周りに対して見せびらかす気持ちから発生するので

見せびらかす期間が過ぎてしまえば、後は生活があるだけで

性格もよく容姿もよい女なんて、多分つまらないんである。

ちょっとわがままとか、お馬鹿さんじゃないと、きっと男は嫌なのだ。

と、ここまでわたしが言い切るのは自分にそういう気持ちがあるからだ。

わたしは天邪鬼であるから、絶対に素直な好青年とは付き合えない。

彼の性格のよさや育ちのよさを、素晴らしいことだと思いはするが

もしも付き合ったなら、比べて自分はなんとひねくれた人間なのだろうとまずは自己嫌悪。

それだけならまだしも、徐々にわたしは彼に物足りなさを感じると思うのだ。

素直な彼を「単純な物の見方しかできない」と、つまらなく感じるようになるだろう。

美点は、ふとした拍子で欠点になってしまうものだ。

一緒に素直な人間になろうとは思えないに違いない。

しかしだからといって、性格の曲がった男と付き合うと

それはそれでいろんな問題があり、やっぱりうまくいかないんである。

というわけで、恋愛や結婚などに果敢に挑戦する気を失っているわたしには

他人の色恋沙汰や離婚話など、本当はどうでもいいのだけれど。
コメント
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