まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

うふふまんじゅう

2008年10月31日 16時27分20秒 | ごちそうさま
百貨店で催される京都物産展の広告を見てから

わたしの頭は、麩まんじゅうでいっぱいなんである。

18か9の頃、別の百貨店で京都物産展のバイトをしたことがあり

わたしが配属されたのはみたらし団子屋さんだったが、

向かい側に麩まんじゅうの店があり、今で言う派遣の販売員がいて

(XXマネキンというところから来ていたので「マネキンさん」と呼ばれていたが

中年のどっしりしたおばちゃんだった)

この人が、本当にプロの売り子さんとでも言うべき人で

ちょっと声をかけるだけでお客さんがわらわらと寄ってきてしまい、人だかりができるほどだった。

それまでの人生で見たことも聞いたこともなかった麩まんじゅう。

そもそも「生麩」を見たことがなく、知っているのはお吸い物や味噌汁に入れる乾燥麩で

あまり好きなものではなかった。

いや、好きか嫌いかというより関心を持ったことがないと言ったほうが正しいだろう。

京都の人は本心が知れないと言われるが、団子屋さんは優しく

休憩や帰るときには団子をお土産に持たせてくれた。

隣りのかまぼこ屋さんは性格がきつく

「ここに配属にならなくてよかった」と思ったものだ。

物産展のバイトでは、どこに配属になるかが重要なポイントだ。

一坪ほどのコーナーで、店主と二人きりで一週間を過ごすのだから。

楽しみが多いのはやはり、お土産のもらえる食料品の店で

工芸品の店だったりすると、ちょっと何かをもらうのは難しいだろう。

せこいことを言ってしまったが、団子を喜びつつもわたしの気持ちは

いつしか麩まんじゅうに惹きつけられていった。

しかし当時のわたしは独り暮らしをしていて、とにかく切り詰めて生活していたので

5個で1000円の麩まんじゅうは高いなーと思ってしまい、なかなか買うことができなかった。

しかし結局、最終日に清水の舞台から飛び降りるつもりで(大げさ)買ったのだ。

実家に行き、家族と共に口にした憧れの麩まんじゅうは不思議な味だった。

それはそうだろう。

今まで口にしたことのない生麩の食感、匂い。

うーむ。

思ったのとは違うなあ。

ちょっと後悔の気持ちを浮かべそうになったとき母が

「美味しいわね」と言ったのでほっとした・・・

という記憶がうっすらとあるのだが、なにせ20年近く前のことなので

味覚も含め、かなり曖昧なのだ。

そこでわたしは来週、その物産展へ行きリベンジを、いや、確認をしようと思っている。

お金持ちとはいえないが、今や1000円や2000円のお菓子にびびるわたしではないのだから。

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