物心ついた頃から、犬を飼っている。
二歳下の妹の存在を認知したより、飼い犬の認知の方が早かったと思う。多分。
よく、生き物を飼うのは死んだときに辛いから嫌だ
と言う人がいるが、そうだろうか。
死んだときはものすごく辛い。泣くし、しばらく悲しい。
でも、わたしは犬と別れることで「死ぬこと」や「命」について
かなり小さな頃からよく考えるようになった。
それがいいことか悪いことか分からないけど。
うちはすごいぞ。
死んでもすぐ新しい犬を飼った。
うち、「買った」犬っていないの。
みんな雑種で、もらったり拾ったり。
一時は拾った犬ばかり四頭もいた。
犬の散歩を、いつ誰がやるか、というのは家族の毎日のテーマだった。
今日は、お母さんが出かけるから誰それが仕事から帰ってきたらやって・・・とか。
雑種ってのは強くって、おととし死んだ犬は19年生きた。
今居る犬達も、もう15年目を越した。
面白いことに、うちの犬が15歳だと言うと、
必ず「人間だったら何歳ですか」と聞く人がいる。
犬だから犬の15歳でいいと思うんだけど。
年取るとね、人間と一緒。
よく吠えたのが大人しくなって寝てばかりいたり。
反対に何もいないのに吠え続けたり。
白内障で目が見えなくなってつまづいたり。
なんか、この犬達を通して、親が年取ったときの心構えしてる気になるときがある。
昔は可愛い弟だと思ってたけど近頃は
「じいさん、こっちだってば」
と、散歩のときに声をかけたりして。
不思議なことにメス犬って拾ったことないの。
みんなオスばっかり。
うちは娘三人だったからね。バランスかな。