バタンっ!!
ザッ、ザッ、ザッ
「よぉ、元気そうだな。」
「あっ、兄貴・・・お、お久しぶりです・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?不景気な面してよぉ。シャバの塩梅はどうだぃ?」
「・・・・・・・・」
「あ、兄貴~っ、(グズ)オレがドジ踏んだばっかりに兄貴が・・・T^T」
「よせやい、オレが間抜けだったから、ヤキが回ったのさ。
お前が謝る事じゃない。
それよりも、御猫組の事を頼んだぞ!オレの代わりにお前が仕切るんだぞ、あのシマをな。
任せたぞ!!」
「・・・・あ、兄貴~っ!!!」
で、今日はなんか曇りで寒いですね~。
先日、もう4月に入ったしそろそろいいかな?と思って、ニコちゃん(ハナガメ)水槽のヒーターを切ったら、スパッとメシを食べなくなってしまった!
水温みたら13℃!!それまでは25℃キープだったから、そりゃ食欲もなくなるわい、とまた、再開しておりますヒーター。
で、今日は静岡市美術館に行って参りました。
鯉のぼり見に・・・
じゃなくて、その奥、見えますか?
「巨匠の眼 川端康成と東山魁夷」展に行ってきました。
東山魁夷は、私の大好きな日本画家の巨匠でございます。
しかし、何故に川端康成??
川端康成って言ったら「文豪」「小説家」だろ~?
そして、ここは美術館だから、東山魁夷は当然だけど、どうして川端康成が出てくるんじゃ?
もしかして、東山魁夷だけだと、こーいう地方だとネームバリューに問題があって客が来なさそうだから、だれでも(名前は)知っているであろう川端康成をセット抱き合わせにして入場者を呼ぼう!!という大人の事情なのかっ!?と、最初は疑ってました(爆)
そーいや、余談だが、このパソコンのリプ子ちゃん、「東山魁夷」が一発変換出来るんだよっ!!
今までのパソコンだと、いずれも「魅力」の「魅」に、「蝦夷」の「夷」って、その度に打ち込んでたのにっ!!
しかも、「かいい」だけで変換すると「怪異」とか「海尉」とかって出してくる、って事は、「ひがしやまかいい」を「東山魁夷」として覚えてるって事だね、もともとにっ!!
さすが、私の好みを密かに把握しているツンデレ・リプ子っ!普段は、めちゃくちゃ打ちにくいくせにっ!!とかって思いましたが(爆)
で、話戻って・・・
この二人の取り合わせっていうのは、結構川端康成と東山魁夷は仲良しさんだったらしいんですな。
川端の本の装丁とか表紙絵を東山がやってたりとか、川端のコレクションを東山が見せてもらってたりとか、東山が川端に絵をたくさん贈呈していたりとか、川端が東山の画集の巻頭文を書いていたりとか。
しかし、結構この二人、見た目が正反対ですな~。
川端康成は目つきが鋭くて、怖い感じ。怖いおっさんというよりも、なんとなく狂気を感じる違う世界に通じているような人っていう感じ。
で、耳がデカイ(爆)
に対して、東山魁夷は「いい人」「真面目な人」オーラが漂っておりました。
この二人が仲良しっていうのも、意外のようなそうかもと思えるような・・・
川端康成は古美術収集とか、絵画の収集とかもやっていて、絵画はネームバリューとかよりも「自分が気に入った作品」をすぐ買う!という感じで、無名時代の草間彌生の作品を買った事もあるんだって~。
見る目がある反面、妥協もしない感じで、画家から直接絵を買ったりもらったりする場合でも・・・
相手が、川端康成先生だし、先生のお好みならどんな絵でもお持ちください!!と言いつつ、でも内心では「この絵は自分も気に入ってるから他のにしてほしいなぁ~」と、心のうちで思っているまさに、そーいう絵を好んで(?)わざと(?)入手して、あとから「やはり、あの絵は手放せません、返していただけませんか?」と話があっても断る!!という、残酷な面もあり・・・
ま、そんだけ審美眼が正確で、また厳しかったのでしょうな。
というような、川端康成のコレクションの数々と、東山魁夷のコレクションと彼の絵の構成で、川端が2/3、東山が1/3っていう感じかな?
まず最初に、東山魁夷の絵を見に、前半すっ飛ばして(←オイ)見に行ったんだけど、案外展示点数は少ないように思えた・・・
しかし、点数的には決して少なくはないんだよね。大作っていう感じの大きな絵が少ないっていうところもあるけど。
で、東山は川端に絵を沢山贈っていたりとか、また仕事上でいっしょになったりという感じで、川端コレクションの中に東山作品が結構あったりする、ので、東山コーナーだけだと数が少ないように思えたんですね~。
以前、長野にある「東山魁夷美術館」に行った事があるんですが、その時の絵はほとんどなかったなぁ~。
習作とか、似た感じのはあったけど。
でも、静岡県立美術館所蔵の富士山画が来ていて、二年ぶりくらいに見ました~。
東山魁夷って、やはり冬か秋、っていうイメージの絵だねぇ。
北欧系っていうか。
新緑の絵もあるけど、雪の絵とか、木の葉とか、そーいう方が今回多かったです。
日本画なんだけど、画風というか筆使いが、なんか普通にイメージする日本画と違うですね。
原画なので、近くてタッチとか見てきたけど、作品によっては油彩みたいなブロック単位っぽい筆使いしてあったりとかして。
水彩なんだけど、水彩っぽく見えない点もあり、でも透明感はあるし・・・という、やはり「この人でないと描けない絵」っていう感じかな?
川端康成コレクション、こちらは多岐に渡っていて、古いモノもあり、でも全部、単に古いからとか、高そうだから、っていうよりも「自分が気に入ったから」買った、という潔さっていうのか、そういうのがよく出てました。
そして、それが結果として国宝を含んでたりするから、その眼の確かさも判りますね~。
こちらは、彼お気に入りの土偶の女性像。
この像をまねた表情の川端のポートレイトもあって、その写真からは厳しいとか狂気とか感じられずに、孫に「おじいちゃんはここでちゅよぉ~」とかってやってる顔に見えました(笑)
で、彼は日本人初のノーベル文学賞を受賞した大家でもあり、その彼に寄せる同時代の文化人からのお手紙とかもたくさんあって、なんか近代日本文学史で名前を聞くような人々からの直筆手紙が多数!!
菊池寛とか、谷崎純一郎、林芙美子、三島由紀夫、太宰治、瀬戸内寂聴なんつうのもあった!!
で、太宰治の手紙なんだが、巻物風の和紙っぽいのに書いてるんだけど、文字はそーいう崩した雅っぽい字じゃなくて、わりと読みやすい現代感覚なブロック字的文字なんで、なんかその違和感が笑えるっていうか。
しかも、書いてある内容が「貧乏で困ってます。援助してください、仕事ください、賞に推薦してください」みたいな(どちらかと言うと)下世話な内容なのもギャップがあるっていうか。
手紙、といえば昭和30年代に川端から東山にあてた書簡、これも普通の便箋みたいなのじゃなくて、巻物タイプなんですよ~!!
郵便料金かかるだろうにねぇ~。
当時の切手とかもそのまま展示されていて、おもしろいですよ~。
そして、各コレクションのその品に対する川端自身の解説みたいな文章もあって、それを川端がどう見ていたのか?っていう見方も出来て面白かったですね~。
最後、川端康成は自殺(?)しちゃうんですが、遺書とかも無かったので、事故説も否定できないそうです。
思うに、川端康成にしても、東山魁夷にしても、太平洋戦争にモロぶつかった時代であり、東山魁夷はモロに兵士年代で同年代は南国のほとんど帰還出来ないような戦場に送られたんだけど、彼自身は絵の才能を見込まれて国内任務ではあった、けど、その訓練は毎日「自爆」訓練だったそうです、多分、米軍の本土上陸に備えての・・・
なので、今の我々とは全く異なる生と死の距離感だったんじゃないかな?と思います。
死が日常であり、いつ来ても不思議ではない、っていう時代。
東山魁夷は、戦後、それを自然と対峙したりし昇華してその距離感が比較的現代人に近くなったのかもしれないけど、川端はその生と死の距離感っていうか垣根の高さが結局、わりと低めで、ある日「ふっと」乗り越えてしまったんじゃないのかな?という気がします。
今なら「自殺=弱い心、自分に負けた」的に言われるかもしれないけど、川端の死を聞いた東山は「川端先生は心の安らぎを得るために亡くなられた。」って言っていて、これはやはり、戦時体験のある人だからこその言葉かな?と思いました。
「私は生かされている、だから生きている、それだけで路傍の草も石もみな同じ」という東山魁夷の言葉、これが反対に「生かされていなくてもよくなった」と旅立った川端康成が束縛から解放された、とかって思ったのかもね~
で、川端康成と東山魁夷のつながりを紹介した映像番組もあって、50分くらいのを全部見てみました。
川端康成のデスマスクとか出てきました・・・本人の意思でしょうかねぇ~?
しかし、レポーターが二人所縁の地を訪ねるんだけど、後半の奈良に行った時、ずーっと傘もって歩いてるのが気になった^_^;
ま、曇りだったけど、いつ雨降るかわからんようなロケ状況だったのかもしれないけどさ、100円ショップのビニール傘もって巨匠のレポートするなよぉ~^_^;;と、思ったのであった・・・
スタッフ、もうちょっと気をつかってくれよぉ~T^T
しかし、思ったよりも見ごたえあって、1100円なら十分に元とれるなぁ、と思ったのでありました。
エントランスでは、ヴィンテージモノの鯉のぼりがぶら下がってます。
鯉のぼりコレクターがいるとは、知らんかったなぁ^_^;
で、見終わってロビーに降りてきたら・・・
市内のデザイン関連専門学校の学生の卒業制作の優秀作品が展示されていまして・・・
何気に見ていたら、ブッ飛びました、コレ!!
これって、コレ、でしょ~っ!!
レオナルド・ダ・ヴィンチ画とされる「最後の晩餐」
ミラノにあって、これ、ナマで見たよ私っ!!
という感じで、キリスト系の有名な宗教画を何故か、深海生物に置き換えているという!!
メンダコもいますっ!!
こちらは、キリストの磔のシーン。
キリストはチョウチンアンコウです。
なので、磔もアンコウ料理風^_^;吊るし切り・・・
こちらは、キリスト復活シーンの一部、メンダコが天使役です!!
ヨハネによる、イエスへの洗礼のシーン・・・
元ネタ画像は、多分これ・・・
ヨハネが、リュウグウノツカイで・・・で、なんとっ!!
左端の二人の天使(?)
こちらが、ダイオウグソクムシ!!なんですよ!
なんでまた、キリスト系宗教画を深海生物バージョンにしようと思ったのか?
それは、「私が興味があったから」という理由だそうです^_^;
なんでやねん?と、指導する先生もきっと、つっこんだに違いナイ。
でも、おもしろいからいっか。
お昼は、ベジタリアン用プレート。
わりと量はお上品・・・と、思ったけど、あとから結構食べ甲斐あったかも・・・って思えてきます。