新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

本田圭佑は如何に生存競争を戦うか

2014-01-10 08:55:30 | コラム
本田が如何に戦うか:

私は我が国の強豪校での激烈なポジション争いに加えて22年間のアメリカの会社暮らしで、生存競争が如何に大変なものかを見て且つ聞いてきた。それはそれは容易ならざる激戦だと認識している。ここで自分の経験に触れることはしない。飽くまでも見聞した文化比較論をのていくだけ。

アメリカでは実力での争いの他に出自・学歴・学閥が大いに関係するとも指摘してきた。即ち、極端な表現を使えば「ある日突然営々として努力して実力を蓄えてきた貴方の上に、富豪にして良家の出身でIvy Leagueやそれに準ずる有名私立大学でMBAを持った若者が上司として君臨してくることが間々ある」というようなことである。不公平ではないかと言いたい方がおられるだろうが、これはかの国では社会通念として認められているよう。

スポーツの世界では実力がものを言うだろうと一般論的には考えられているかも知れない。だが、これまでの体験と見聞から言えば揺るぎないレギュラーポジションを確保するのはそれだけのことではないと言って良いだろう。自分と同じポジションで正選手と位置にあるものを引き摺り下ろすためには、グラウンドや試合以外の場所で恐ろしいほどの生存競争が戦われているものだ。

解りやすい例を挙げれば正選手の怪我などは補欠に絶好のチャンスとなるわけだ。何故起きたのか知らないが練習中の故障で欠場した選手がいれば、試合中の事故もある。アメリカのNFLでは正QBの故障で止むなく起用した第二QBが予想もしなかった活躍でティームを大飛躍させた結果で、放送の解説者は正QBが来年は戦力外通告を受けるだろうと予想した。

本田圭佑はフロントとマスコミとファンの大なる期待を背負って10番を付けて登場するのだ。そこには、それまで本田が勤めるポジションを確保していた選手がいたはずだ。人情の常としては外された者はあらゆる手段を講じてまで挽回に動く事もあるだろうし、高額の年俸で入団した彼はそれに見合う働きが出来なかった場合に何が起きるかくらいは想定しているはずだ。怪我だって生存競争にはマイナス材料だ。嫉妬も彼に向かってくるのではないか。

これがプロの世界だ等と甘いことを言う気はない。ビジネスの世界でも「年俸に見合う結果は厳しく求められるし、そういう高額な年俸を取れる地位を目指してのアメリカの大手企業での競争の激烈さは、我が国のビジネスの世界と比較すれば想像を絶するものがある。英語が上手いなどは当たり前過ぎる条件で評価対象などになり得るはずもない。ましてサッカーは結果が目に見えてしまうではないか。監督の好き嫌いもあるではないか。

こういう大変な世界に10番を付けて、周囲の過剰なまでの期待を受けて出ていく本田君が、これから先の試練に耐えていくことを願うというか、どのように結果を残すかに興味がある。