新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

本田圭佑と田中将大に思う

2014-01-23 16:23:30 | コラム
果たせるかな:

去る1月10日に本田圭佑を持ち上げ過ぎる我がマスコミを批判しつつ、遠回しに本田君のACミラン進出への疑問点を採り上げておいた。すると、本日発行の週刊新潮ではかなり手厳しく現地での彼に対する評判と批判と、あのティーム内での使われ方に疑問を呈する記事がでいた。しかも彼のドイツ製の4万数千円のサングラスを室内でも着用することや銀色に染め上げた頭髪までその対象になっていると報じられている。私に言わせて貰えば「果たせるかな」である。

私はかなり前にラモスが指摘した本田は足が速くない点を採り上げておいたが、この記事でもそこを論じている。但し、サッカーは100メートル走での速さを競うゲームではなく、如何にに瞬間のダッシュ力があるかが重要である。だが、俊足であるに越したことはない。本田君もその辺は自覚しているだろうが、如何にプレーで補っていくかではないか。これ以上はその記事を参照されたい。

次が田中将大である。彼には既に本田以上の鳴り物が入ってしまっていたがこの度余りお目出度くないと当方が危惧するニューヨークヤンキースと契約が成立したそうだ。個人的には我らが巨人同様に最も好みではない球団だ。行かせたくなかった。7年の契約金額の総額は1億5,500万ドルだそうだが、為替次第で日本円の金額が変わってくるにしても、年間22億円見当になる。ヤンキースが引き留めた黒田が16億円強だから、田中が如何に高いかが解る。

アメリカでは多額の年俸を取った場合には、その金額に見合う働きと結果が出ないと余り芳しいことにならないとは再三論じてきた。しかも初年度を頑張って好成績を残せば2年目にはそれよりも上を要求されるし、期待される。これは外部で想像するよりも遙かに難しいことだ。田中君は7年契約だとはいうが如何なる付帯条件が就いているかは恐らく報じられないだろう。問題はそこにありはしないか。

良く言われることだが、我が国ではあり得ない中4日のローテーションであるとか、時差のある国内を強行日程で飛び回っていなければならない等の物理的負担が、言葉の負担と生存競争の他にのし掛かってくるのだ。異文化の中に飛び込んでDarvishが喝破した「異種の競技をやっていく事」を「良かった、良かった。24連勝に負けない成績を期待する」などと持ち上げて余計な心理的負担を与えないよう気を付けるべきだ。誰がかってか?言わずと知れたマスコミだ。

続・これを言うことで失うものはない

2014-01-23 05:28:33 | コラム
顔を立てる事:

もう一項目追加したいことがある。それは「顔を立てる事」だ。我が国には相手の立場を尊重して顔を立てようとする優しさがある。私はこれを中国人が重んずる「面子」とは違うと認識している。

具体例を挙げれば「遙々8,000キロも飛んで我々と交渉しようとしてくれたのである。それを素っ気なく何の結果も出せない形で帰国させるのでは社内で彼の顔が立つまい。ここでは折角長い年月かけて築き上げた2社間の信頼と友好関係を傷つけないよう、彼が申し出た条件を受け入れようではないか」等と考えて頂けるようなことだ。

だが、二者択一でものを考える異邦人にはこの種の配慮も屡々勝ったか負けたかの視点で見られてしまう危険性があるのだ。

W社で初めて我が国に交渉に来た者が出張報告に書いたことは「兎に角あちこちに顔を立てて上げなければならない人が多過ぎて大変だった。あれでは相互に顔を立てるゲームをやっているようなことだった」でした。ここでは英語の講釈を忘れてはならない。「顔を立てる」は"face saving"で、彼は"The name of the game was face saving."と書いていた。

ここまで言ってきた理由は「彼等は相手の顔を立てる事はほとんど考えていない。飽くまで結果を出せるかどうかである」なのだ。換言すれば「妥協点を探ることは先ずしない」のである。だが、絶対にしないのではないので、それを見抜いて落とす交渉術も必要だし、言い負かすことも必要なのである。