新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

欧米人の社交辞令は要注意だ

2014-01-17 13:18:55 | コラム
マスコミの過剰な本田圭佑賞賛報道に思う:

本田がACミランで初の先発出場で1点入れたら、あの絶賛報道の嵐である。ミランでもA代表でも彼は点取りに特化したポジションにはいないが、かなり得点能力は高いと評価している。私は既に本田は上手いと言ってあった。あの得点の場合も忠実にあそこまで上がっていったからこそ、GKがはじいた球を綺麗に蹴り込めたのであって、良く詰めていたと褒めても良いし、上がるのが当然のことと褒めなくても済むかも知れない場面だった。

そう言って思い出してみれば、彼はかなり嗅覚が鋭く見えないところから飛び込んで蹴り込んだ場面が何度かあった気がする。守る側からすれば要注意人物だろう。ではあっても、私はフィールド外でイタリアのファンをインタビューして、本田を絶賛させるのを聞かせる姿勢は如何なものかと思う。即ち、大勢に聞けば中には「本田はもう一つだ」と批判した人もいたかも知れないが、それを採り上げては視聴率が伸びないだろう。それだけではなく、地元紙の本田賞賛の記事まで見せてくれていた。

既にあの詰めが良かったと私は言ったし、良いプレーだったのは間違いない。マスコミ自身がイタリアの新聞は厳しいから最初は良くても、何かあればケチョンケチョンだと報じていたではないか。私はマスコミが欧米人の社交辞令の巧みさというか、当人を目の前にしてもすらすらと歯が浮くようなお世辞を臆面もなく言ってのけるのを数限りなく経験してきた。その巧みさというか「腹にもないだろう事を良くもヌケヌケと言えるものだ」と感心し且つ呆れてきた。

あれは異文化の別世界でのことで我が国にはないことであるくらいに認識すべきだと言いたい。

即ち、あのファンの本田賞賛も新聞記事も「初対面のご挨拶程度だ」と思って見且つ聞いていれば無難だと思う。私はまさか親愛なるマスコミがそれくらいのことを知らないとは思いたくない。承知して言っているのだったら、ファンを愚弄するものだと非難したい思いだ。英語などまるで解らない家人はアメリカで当方が精魂込めてする通訳を聞いただけで、「外国人はお世辞が上手すぎでイヤだ」と断言したほど、その我が同胞には到底真似出来ない上手さをい見抜いていた。

望むらくは、本田君がこれから先のリーグ戦等で、如何に欧米のサッカーを読み切ってプレーして絶賛の嵐の期待に応えて活躍することだ。恐らくセリエAの各クラブは既に綿密な本田スカウティングを開始して、彼の長所短所を調べ上げて彼を封じる対策を練っているだろう。本田の真価が問われるのはこれから先のことで、挨拶代わりの賛辞を真に受けていてはどうにもならない。

欧米人の世界では高額の年俸で迎えられた以上、それに相応しい働きが出来なかったならばどうなるかなどは考えなくても解ること。我が国だって同じかも知れないが。言うなれば、未だ「本田。ここから先は気合いを入れて目にもの見せてやる気で頑張れよ」の場面になったに過ぎないのである。

何故ラグビーとその経験者を

2014-01-17 07:34:20 | コラム
元ラガーマンが新日鉄住金の次期社長に:

思わず心中で「又かよ」と叫びながら新聞を読んでいた。サッカー経験者の僻みかも知れないが、気に入らない。それは次期社長に決まった進藤考生副社長が「高校大学とラグビーをやっておられて視野が広い」とされていたからだった。長年不満だというか不公平だというか偏向だと言いたいようなマスコミのラグビーとその経験者を有り難がる風潮が、またぞろここに出ていたからである。

テレビドラマでも屡々主人公がラグビー選手で男らしく(って何だ)、強く、正義感溢れる、爽やかなスポーツマンとして登場するし、NHKでは早明の試合は何をさて措いても(というか明治が現在のように低調になっていても)採り上げて中継する。中学・高校・大学から四十雀までサッカーをやっていた者としては「サッカーは男らしくもなければ強くもなく、視野も狭いのかよ」と言いたくなる。

「サッカー経験者で大手企業の社長になった方がいないとでも言うのかよ」と言いたくなる。直ぐに思い当たる例では、三菱商事の社長をやられた諸橋晋六(故人だが)さんがある。高師附属から上智大学のサッカーの選手だった。気っぷの良い名手だった。社長におなりではなかったが、我が中学の蹴球部の4年上では故香川嵩さんは東京海上の副社長だったし、松岡さんは日立の副社長だった。

しかも気に入らないのはラグビーと言わずに「ラガー(=rugger)」やラグビー選手ではなく「ラガーマン(=rugger man)」などと言っている点だ。不思議なことに同じ英国系でも元サッカー選手を意味するラガーマンのような言葉がないのだ。だが、良く考えてみれば「アソシエーション・フットボール」即ち"soccer"には既に"er"が付いていたのだった。