新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

脱原発を都知事選の論点にすべきではない

2014-01-11 08:00:20 | コラム
脱原発派の細川元総理も出馬とは:

つい昨年末までは、都知事選挙には適切な候補がいないかの如きだったが、告示前になって続々と知名度が高い方々があるいは名乗りを上げたり、出馬が実しやかに取り沙汰され始めた。私に最も見当違いに見えるのが脱原発を掲げて元総理だった細川護煕氏が出馬するとの情報である。しかも、細川元総理は昨年から脱原発を真顔で唱え始めた小泉元総理と提携すると報じられている。

私はこの「脱原発」や「原発ゼロ」や「即時廃止」を唱える多くの連中はマスコミのバックアップも得て如何にも正義の味方風だが、こんな無知の集団はないと思っているし、未だに戦後最悪の無知蒙昧な総理だった菅直人の毒気に当てられたままに4年近くも過ごしてきた、救いようがない者たちだと認識している。

彼等は際限なく上昇していく電気代がどれほど我が国の景気に悪影響を及ぼし、火力発電用のエネルギーを我が国に売りつけている諸外国にあれほど付け込まれている惨憺たる現状などを全く知らないのか無視している連中で、どれほど国益を損なっているかが解っていないのであるとしか思えない。その民主党政権の失政を安倍政権が簡単に是正出来切れていないのを良いことに、事ある毎に原発の危険性を必要以上に騒ぎ立て放射能汚染を喧伝するのだ。

しかも、小泉元総理は何を勘違いしたのか、使用済み核燃料の処理方法と場所が確立されていないなどと言い出して、脱原発を声高に言っている。おのれの影響力が未だに絶大だとでも思っておられるらしい。しかも、その批判の矛先を安倍政権に向けたかと思えば、今度は細川元総理と連携するとか。私は簡単に言って「東京都知事選に脱原発を掲げることは見当違いであるし、都知事はそのためにあるのではなく、都民のためにやるべき事として最低の優先度以下だと思っている。両元総理老いたりの感しかない、勘違いである」と信じている。

この辺りの誤りを非常に適確に説明している4人の「御用学者と呼ばれて」第8弾の座談会が週刊新潮の新年特別号に掲載されている。「小泉元総理の原発ゼロ発言は致命的に幼い」と題したこの会の出席者は東京都市大の高木直行教授、東大大学院の岡本孝司教授、北大大学院の奈良林直教授、東工大の澤田哲生教授である。私は最後の頁にある、後処理設備のところが最も興味深かった。両元総理が是非とも読むべき点である。

私には原子力というかこの工学についての知識など全くない。だが、このように真っ向から誰にでも解るような正論だろうと思わせる議論が中々登場しないのが不思議である。何れにせよ、脱原発でも原発ゼロでも都知事選挙の論争の的とするのは誤りだろうとしか思えない。しかし、民主党政権時代の原発に関する誤認識と規制委員会のような不可思議な組織が存在する以上、これらを掲げることが有利になりそうな気がして不安でならない。