13日の高校サッカー決勝戦:
私は試合が始まった時の画面から「富山一高が勝つのでは」と閃いた。そして富一は力任せに蹴っては走って攻め抜いたが、雨あられの如くに放つシュートは星陵の守りの壁に当たって撥ね返されていた。謂わば、星陵は試合開始とともに全力で守り続ける状況に追い込まれたのだった。その限りでは、私には富一が簡単に点を取れるとは思えなかったが、それでも最後には勝てるのだろうとボンヤリと考えていた。
ところが、試合とは解らないもので、劣勢だった星陵が富一が前半に足を上げて靴の裏で当たりに行くという明らかな反則を犯してPKで得点し、後半には力任せではない鮮やかな折り返しから2点目を取ってしまった。この辺りの流れは「全員で引いて守って逆襲で点を取る」との戦法の如きだが、星陵は決してそういう積もりはなく、対等に蹴り合っていたものが偶々深く蹴ったパスが実を結んだのであろうと見えた。
多くの方にはこの2点は大きいハンディキャップのように富山にのしかかったと見えただろう。即ち、富一が勝つためにはそう沢山残っていない時間内で3点取らねばならぬ立場に追い込まれたのだから。私はこれまでに「アメリカ系の球技は流れが変われば勝敗の行方もそれに伴って大きく変わってくるという、謂わば"momentum"(=弾み)のスポーツである」と言ってきた。
だが、サッカーはUK系でモメンタムで動くとは思えなかった。即ち、富一は力で取り返していくしかなかったである。私はこの辺で星陵が逃げ切ろうと思ったのか主将の寺村を引っ込めたことが禍根を残さねば良いがと思ってみていた。それと、あの富一の力任せでどちらかといえば外連味のない攻めを、守りに守ったことでバックス陣が疲弊していないかとも思っていた。
果たせるかな、後いくらも時間が残っていないところでGKと1対1になる形に持ち込まれ、GKが触っただけで止めきれず1点取られて、カタカナ造語で言う「ロスタイム」に入った。私は富一が如何なる形で同点に追いつき延長戦まで持っていくのかと考えたが、本当に閃き通りになるのかとも疑いだしていた。すると、どうだろう。星陵の守りは力尽きたのか、ペナルティーエリア内に入ってきた富一の選手を押し倒してしまった。
これで追いつくと決まったのだが、凡庸の解説者・城は「大変なプレシャーでしょう」などとほざくだけで、変化を読めていないかのよう。富一の監督の息子で主将は堂々と蹴り込んだ。延長戦になった。テレビ観戦していた当家の次男は「これでは富一が勝つしかないだろう」と予測した。結論的は「あの富一の最初から最後まで攻めきった力に遂に星陵の守りが力尽きて、PKを与えたのだった」となるし、「延長後半の見事な富一の決勝点のシュートは力の差を示したものだ」となるだろう。
何れにせよ、両校とも小細工をせずに持てる力(実力のことだけではない)を懸命に出し切って蹴り合って好ゲームとしたことには好感が持てたし、2点を取り返し3点目をもぎ取った富一の力と精神力は賞賛に値する。あの両校の11人プラス3人が上に行っても力一杯に蹴っていく志を忘れず、小細工とパスのためのサッカーに走らないことを望む。
私は試合が始まった時の画面から「富山一高が勝つのでは」と閃いた。そして富一は力任せに蹴っては走って攻め抜いたが、雨あられの如くに放つシュートは星陵の守りの壁に当たって撥ね返されていた。謂わば、星陵は試合開始とともに全力で守り続ける状況に追い込まれたのだった。その限りでは、私には富一が簡単に点を取れるとは思えなかったが、それでも最後には勝てるのだろうとボンヤリと考えていた。
ところが、試合とは解らないもので、劣勢だった星陵が富一が前半に足を上げて靴の裏で当たりに行くという明らかな反則を犯してPKで得点し、後半には力任せではない鮮やかな折り返しから2点目を取ってしまった。この辺りの流れは「全員で引いて守って逆襲で点を取る」との戦法の如きだが、星陵は決してそういう積もりはなく、対等に蹴り合っていたものが偶々深く蹴ったパスが実を結んだのであろうと見えた。
多くの方にはこの2点は大きいハンディキャップのように富山にのしかかったと見えただろう。即ち、富一が勝つためにはそう沢山残っていない時間内で3点取らねばならぬ立場に追い込まれたのだから。私はこれまでに「アメリカ系の球技は流れが変われば勝敗の行方もそれに伴って大きく変わってくるという、謂わば"momentum"(=弾み)のスポーツである」と言ってきた。
だが、サッカーはUK系でモメンタムで動くとは思えなかった。即ち、富一は力で取り返していくしかなかったである。私はこの辺で星陵が逃げ切ろうと思ったのか主将の寺村を引っ込めたことが禍根を残さねば良いがと思ってみていた。それと、あの富一の力任せでどちらかといえば外連味のない攻めを、守りに守ったことでバックス陣が疲弊していないかとも思っていた。
果たせるかな、後いくらも時間が残っていないところでGKと1対1になる形に持ち込まれ、GKが触っただけで止めきれず1点取られて、カタカナ造語で言う「ロスタイム」に入った。私は富一が如何なる形で同点に追いつき延長戦まで持っていくのかと考えたが、本当に閃き通りになるのかとも疑いだしていた。すると、どうだろう。星陵の守りは力尽きたのか、ペナルティーエリア内に入ってきた富一の選手を押し倒してしまった。
これで追いつくと決まったのだが、凡庸の解説者・城は「大変なプレシャーでしょう」などとほざくだけで、変化を読めていないかのよう。富一の監督の息子で主将は堂々と蹴り込んだ。延長戦になった。テレビ観戦していた当家の次男は「これでは富一が勝つしかないだろう」と予測した。結論的は「あの富一の最初から最後まで攻めきった力に遂に星陵の守りが力尽きて、PKを与えたのだった」となるし、「延長後半の見事な富一の決勝点のシュートは力の差を示したものだ」となるだろう。
何れにせよ、両校とも小細工をせずに持てる力(実力のことだけではない)を懸命に出し切って蹴り合って好ゲームとしたことには好感が持てたし、2点を取り返し3点目をもぎ取った富一の力と精神力は賞賛に値する。あの両校の11人プラス3人が上に行っても力一杯に蹴っていく志を忘れず、小細工とパスのためのサッカーに走らないことを望む。