YM氏と山籠もりで語り合った:
八ヶ岳周辺の彼が会員であるホテルに3月27~30日間籠もって静養し且つ語り合った。時恰も春休みも終わりに近く消費税率引き上げが迫っていたことも手伝ったか、家族連れのお客で満員御礼の盛況、駐車場には中部地方・北関東から神奈川県に加えて我々の東京ナンバーの車で満車の状態だった。以下に、彼と語り合ったことの中から思い出すままにこれと思うものを纏めてみる。
アメリカ経済:
W社が住宅着工の復調に支えられてか13年度が増収増益だったことに対するYM氏の分析は「復調しつつはあるが未だに部分的で、売れている住宅は抵当権執行等で差し押さえされていた高額な物件等を投機筋が買い込んでいるのが主流である。本当に住宅が欲しい層には未だ銀行が唯々諾々として融資に応じる段階に至っていない。即ち、銀行が安心して貸せる先には資金需要がなく、あるのは銀行が借りて欲しくない層に止まっていると見ている」だった。
簡単に言えば、「確かにアメリカは復調しつつあるが、未だまだ国際情勢などには不安材料が多く、未だまだ時間がかかると思って見ている時ではないか」という結論だった。
TPP関連:
別途に採り上げ済みのオーストラリアとのEPAにも関係する話題である。彼と一致する意見は「我が国に広まっている『アメリカの牛肉は安いが美味ではない』という批判めいたものは誤解と誤認識である。レストランの選択を誤らなければ我が国の肉とは異なった美味さを味わえる」である。また、YM氏は「我が国からも高級な和牛が輸出されていて、一部の食通は喜んで賞味している」とも語っていた。
YM氏は「今やアメリカには"WAGYU"という言葉が一般化したほど日本から種牛を持ち込んで我が国の方式で育てたサシが入った肉が出回っている。オーストラリアでも単なる地元の赤身ではないWAGYUの飼育が定着している事を認識すべき時だ」と指摘していた。彼は米についても同様で、我が国のブランド米を我が国の農業の専門家を招聘して育てており、品質にも問題がないものが多い。インディカ米だけがアメリカ米(indica)ではないと考えるべき時期だとの意見だった。味音痴の当方は現地のカリフォルニア米でも十分に満足だったが。
彼とは「政府はこの程度の事実を把握した上でTPP交渉の席に臨んでいると考えたいが、自民党の西川代議士の議論を聞いていると、未だに国内の畜産業の保護を至上命題としているようで、低関税率で輸入されるだろう米豪の牛肉に対する競争力強化などは眼中にない模様で、国際感覚と時代認識が些か不足で不安だ」と語り合った。
アメリカの大学:
我が国とは多くの点でシステムが違うが、彼が教鞭を執っていたビジネススクール(だけではないかも知れない。因みに、彼はHarvardの前は我が国の四年制大学出身である)では教授の評価は大学当局が行うだけでではなく、院生も評価しそれは学年末に誰でも見られるように掲示されるのである。その両者の査定によってその講座の翌年の続行か停止かが決定される由だ。教授はそれによって改善すべき問題点を知ることが出来るそうだ。
更に、新学期を迎えるとその年に開かれる講座と科目と担当教授に加えて教授全員が担当する(だろう)講座の概要(Syllabusというのだそうだ)をそこに掲示せねばならぬそうだ。院生は教授名と概要を読んで学びたい講座を選んで登録するシステムになっている。そして、受講者が一定数に達しない講座は閉鎖されるので、その教授は言わば失職する結果になるという具合だそうだ。ものは考えようだが、如何にもアメリカの合理主義的で院生には良いことであると同時に、教える方には手厳しい制度である。
YM氏は経済学部でありながら歴任した4大学で多くの他の学部の教授と知り合う機会を与えてくれたのが、教員専用の食堂の中央にある一人だけで入ってきたものが座る大きな丸テーブルだったという。即ち、そこに単独で来ている者たちに話しかければ、通常では簡単には知り合うことが出来ない教授たちから有益且つ有意義な話が聞けるので、大いに活用したと語っていた。彼は特に医学部の教授と親しくなれるように心掛けて、世界最新の医学の話を聞けるように努めていたそうだ。確かに彼の博学多識の中でも医学についてはアメリカ行き以前よりも何十倍も詳しくなっていた。
ハーヴァード大学(Harvard)の人脈:
このことは以前にも何処かで述べたと思うが、YM氏はStanford大の教授時代に評議員だった当時の下院議長、ナンシー・ペローシ(Nancy Pelosi)に招待されてオバマ大統領の就任式に出席した。そこで数十年ぶりに出会ったのがブッシュ政権の財務長官で大学の友人だったヘンリー・ポールソン元財務長官(Henry Paulson)だったそうだ。それだけでも恐れ入るが、その場を通りかかった女性を紹介されたが、ブッシュ政権の国務長官だったコンドリーサ・ライス(Condoleezza Rice)女史だったそうだ。
YM氏がそもそもStanfordに招聘された切っ掛けは、同校の教授だったハーヴァード時代の友人の紹介だったそうで、彼自身がその頃から噂に聞く「ハーヴァード人脈」の威力を痛感させられていたと回顧していた。因みに、ライス元長官はハーヴァード出身ではないが、現在はYM氏の元の職場のスタンフォード大学の教授に就任している。
参考資料: Wikipedia
八ヶ岳周辺の彼が会員であるホテルに3月27~30日間籠もって静養し且つ語り合った。時恰も春休みも終わりに近く消費税率引き上げが迫っていたことも手伝ったか、家族連れのお客で満員御礼の盛況、駐車場には中部地方・北関東から神奈川県に加えて我々の東京ナンバーの車で満車の状態だった。以下に、彼と語り合ったことの中から思い出すままにこれと思うものを纏めてみる。
アメリカ経済:
W社が住宅着工の復調に支えられてか13年度が増収増益だったことに対するYM氏の分析は「復調しつつはあるが未だに部分的で、売れている住宅は抵当権執行等で差し押さえされていた高額な物件等を投機筋が買い込んでいるのが主流である。本当に住宅が欲しい層には未だ銀行が唯々諾々として融資に応じる段階に至っていない。即ち、銀行が安心して貸せる先には資金需要がなく、あるのは銀行が借りて欲しくない層に止まっていると見ている」だった。
簡単に言えば、「確かにアメリカは復調しつつあるが、未だまだ国際情勢などには不安材料が多く、未だまだ時間がかかると思って見ている時ではないか」という結論だった。
TPP関連:
別途に採り上げ済みのオーストラリアとのEPAにも関係する話題である。彼と一致する意見は「我が国に広まっている『アメリカの牛肉は安いが美味ではない』という批判めいたものは誤解と誤認識である。レストランの選択を誤らなければ我が国の肉とは異なった美味さを味わえる」である。また、YM氏は「我が国からも高級な和牛が輸出されていて、一部の食通は喜んで賞味している」とも語っていた。
YM氏は「今やアメリカには"WAGYU"という言葉が一般化したほど日本から種牛を持ち込んで我が国の方式で育てたサシが入った肉が出回っている。オーストラリアでも単なる地元の赤身ではないWAGYUの飼育が定着している事を認識すべき時だ」と指摘していた。彼は米についても同様で、我が国のブランド米を我が国の農業の専門家を招聘して育てており、品質にも問題がないものが多い。インディカ米だけがアメリカ米(indica)ではないと考えるべき時期だとの意見だった。味音痴の当方は現地のカリフォルニア米でも十分に満足だったが。
彼とは「政府はこの程度の事実を把握した上でTPP交渉の席に臨んでいると考えたいが、自民党の西川代議士の議論を聞いていると、未だに国内の畜産業の保護を至上命題としているようで、低関税率で輸入されるだろう米豪の牛肉に対する競争力強化などは眼中にない模様で、国際感覚と時代認識が些か不足で不安だ」と語り合った。
アメリカの大学:
我が国とは多くの点でシステムが違うが、彼が教鞭を執っていたビジネススクール(だけではないかも知れない。因みに、彼はHarvardの前は我が国の四年制大学出身である)では教授の評価は大学当局が行うだけでではなく、院生も評価しそれは学年末に誰でも見られるように掲示されるのである。その両者の査定によってその講座の翌年の続行か停止かが決定される由だ。教授はそれによって改善すべき問題点を知ることが出来るそうだ。
更に、新学期を迎えるとその年に開かれる講座と科目と担当教授に加えて教授全員が担当する(だろう)講座の概要(Syllabusというのだそうだ)をそこに掲示せねばならぬそうだ。院生は教授名と概要を読んで学びたい講座を選んで登録するシステムになっている。そして、受講者が一定数に達しない講座は閉鎖されるので、その教授は言わば失職する結果になるという具合だそうだ。ものは考えようだが、如何にもアメリカの合理主義的で院生には良いことであると同時に、教える方には手厳しい制度である。
YM氏は経済学部でありながら歴任した4大学で多くの他の学部の教授と知り合う機会を与えてくれたのが、教員専用の食堂の中央にある一人だけで入ってきたものが座る大きな丸テーブルだったという。即ち、そこに単独で来ている者たちに話しかければ、通常では簡単には知り合うことが出来ない教授たちから有益且つ有意義な話が聞けるので、大いに活用したと語っていた。彼は特に医学部の教授と親しくなれるように心掛けて、世界最新の医学の話を聞けるように努めていたそうだ。確かに彼の博学多識の中でも医学についてはアメリカ行き以前よりも何十倍も詳しくなっていた。
ハーヴァード大学(Harvard)の人脈:
このことは以前にも何処かで述べたと思うが、YM氏はStanford大の教授時代に評議員だった当時の下院議長、ナンシー・ペローシ(Nancy Pelosi)に招待されてオバマ大統領の就任式に出席した。そこで数十年ぶりに出会ったのがブッシュ政権の財務長官で大学の友人だったヘンリー・ポールソン元財務長官(Henry Paulson)だったそうだ。それだけでも恐れ入るが、その場を通りかかった女性を紹介されたが、ブッシュ政権の国務長官だったコンドリーサ・ライス(Condoleezza Rice)女史だったそうだ。
YM氏がそもそもStanfordに招聘された切っ掛けは、同校の教授だったハーヴァード時代の友人の紹介だったそうで、彼自身がその頃から噂に聞く「ハーヴァード人脈」の威力を痛感させられていたと回顧していた。因みに、ライス元長官はハーヴァード出身ではないが、現在はYM氏の元の職場のスタンフォード大学の教授に就任している。
参考資料: Wikipedia