新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

テレビ広告スポンサーが気懸かりだ

2014-04-07 10:14:20 | コラム
パチンコ業者とその機械メーカー、ゲーム制作会社のCMが多い:

私は先ほどの我が国の先行き論には敢えて省いたのだが、地下頃テレビを賑わしているこれらの会社の広告が多いことは、決して我が国の従来型の製造と流通業の盛況を表していないこのの表れだと苦々しく思っている。

まして、テレビではなく携帯電話、就中スマホとやらを制覇したかの如くにさえ感じさせられてくれるゲームを夢中で指で突いている若者の姿を方々で見かければ、これぞ亡国のへの一本道とすら思ってしまう。

こういう種類の広告を取ってくる広告宣伝会社が目指している層が那辺にあるかは既に述べた。そのような層が東京で有象無象に大きな数の票を投じるのではないかとすら疑っている。私はあのようなゲームを作る会社は事業だろうから消えて欲しいとまでは言わないが、青少年どころか壮年にもかなり大きな負の影響を与えているとさえ真剣に疑っている。

こういう広告スポンサーの内容と質の変わり方を見れば、古き良き製造業と流通業がまともな宣伝広告への出費を増額をし得る段階にまで回復していないとしか考えられない。これだけを採り上げても景気回復というか、デフレ脱却はまだ先のこととしか思えないのが残念だ。

我が国の先行きを冷静に見れば

2014-04-07 09:03:47 | コラム
悲観論者が語る我が国の見通し:

消費税率引き上げ:
買い溜め行為から考えていこう。この効果が吉と出るか凶と出るかは、未だ10日も経っていない現在では断じきれる要素に乏しいが、ごく当たり前には楽観的には成れない。

3月31日までに買い溜めされた品々は生活必需品寄りも効果で高額なものが多かったと悲観論者の当方は見ているので、仮令軽減税率適用の具体な素振りすら政府が見せなくても食料品はそれなりに動いていると見た。

遺憾ながら我が国にも税率が上がる前に買って置いた方が得な非日常的な高額品を買い溜めしておこうというアメリカ的に近い富裕層と、そうではない所謂庶民との二分化が見えてきたようで、インフレの助長にもGDPを押し上げるような性質ではない金の動きはあったようだ。私はこういう買われ方では過剰気味な設備を抱える我が国の製造業にとっては何の役にも立たない個人消費であるから、景気には関係がないとすら考えている。あれは新聞種になるだけではないか。

アベノミクスで景気は盛り上がったか。私は未だ全国隅々まで盛り上がっていないとは見ていない。現実に円安で決算が好転した大手企業、それも輸出依存度が高い製造業はあった。だが、その好転が製造業全般に行き渡っていないのは明瞭だし、何百万社とある中小規模の会社が安倍総理の進言を受け入れようにも喜び勇んで昇給を許す時期にない至っていないようだ。

景気診断の安直で簡単なバロメーターであるタクシーに乗ってみれば、「好転した」という運転手には出会えないのはその証左だろう。彼等が好調ならばここ百人町に山の手線等の線路を挟んで両側の道路にあれほど沢山の車が暇つぶしをしていないだろう。

給与所得の増加だが、マスコミは挙って連合等の動きまでを取り上げて春闘の華々しい成果の如きものを報道して、一寸聞いていれば賃上げの春が来たかの如き良い話しばかりだった。一寸考えれば解りそうなもので、道行く人を尋ねて「イヤー、有り難いことに今年な大幅に昇給しました」という者が出てくる訳ないことくらいは解りそうなものだ。譬え上がっていてもだがね。

私は多くの下請けという下部組織を抱えそれに依存する大手製造業が下請けが満足出来るような昇給をさせられる時期ではないだろうと見ているし、3%も増えた消費税を如何に転嫁させていくかの方式か方針まで決まっていないのではないかと疑っている、現在までの不況脱却に苦しんできた、それでなくても質の低下が云々されている現在の経営者陣が唯々諾々と昇給を認め下請けの消費税率転嫁を受け入れて末端価格に転嫁する方針を打ち出せる用意と決意があるかと疑問に感じている。

マスコミも評論家もエコノミストも挙って大手企業には巨額の内部留保があるので、それを昇給や投資の原資に使えと示唆する。私は現在の臆病で危機脱出の経験がない経営陣には無理な相談ではないかと思っている。彼らとても昇給が景気対策に必要だくらいの認識はあるだろう。だが、彼等は同時にその昇給分が貯蓄にまわってしまうだろうことを危惧しているのではないかと見ている、それは彼等自身がそうしたいのではないかとすら疑っている。

要約すれば、消費税率引き上げの結果でどう出るかを論ずるのは時期尚早だが、私には良い材料が少ないようにしか思えないと言うこと。安倍内閣には内外に課題が山積しているという意味のもなる。

設備投資:

その内部留保だが、古き良き資本主義の原理であれば、蓄積出来た利益は拡大再生産に使うべき再投資して生産設備を充実させていくものでもあった。しかし、経営陣が考えなくとも現在の全世界的傾向かも知れない過剰設備というか内需の不振、輸出しようにも大輸出先の消費故国のアメリカもEUも輸入に依存しても需要を賄わねばならぬ状態ではない。そこに中国、韓国、ブラジル、インドネシア等の新興勢力が「最新鋭の設備を備えた強力な輸出国」として台頭してきた。力は新興勢力の方が強良いのは明らかだと思う。

この有様では誰が頭で尻尾かも不明な状態だ。とても内部留保を取り崩して新設備導入や既存の設備の近代化などを図っていられない時期なのだ。より具体的な指摘をすれば、新興勢力が近年に導入した生産設備は投資を渋っていたという化する余裕がなかった先進工業国の設備を遙かぬ超える高品質な製品を大量に生産するものなので、旧式な先進国な設備ではコスト的にも対抗は難しいのだ。

我が国の大手輸出企業もこのように新興勢力が力をつけた世界に小さくて古い設備で競争に乗り出していかねばならないハンディキャップを背負わされた上に、円安の原料まで仕入れている状態だ。何処のかの国のサムソンがどうかという前に大手電機メーカー、P(旧M)、S、SHの一時の惨状を考えて貰いたい。新時代の新製品の先行きの見通しの判断の難しさが見えてこないか。

アメリカの輸出:
そこに自国の輸出能力の慢性的弱体を挽回する気なのか、オバマ政権は何時の間にかTPPの盟主の如き顔をして加盟するだろう各国に関税の撤廃や医療、保険、国際間紛争等の解決策の譲歩を迫っている。私は民主党政権は前回のクリントン大統領時代から世間というか世界知らずで自分たちが圧力を加えれば関係各国は怖れてひれ伏すのだと思い込んでいる節があると真剣に疑っている。そもそも基本的に内需依存だったアメリカが急に輸出に舵を切ればどうなるかがお解りではない模様だ。

彼等は基本的に自国が世界でも中級以下の輸出能力しかない貿易能力しかないとは自覚していないと経験的にも思っている。我が国も加盟各国も交渉する際にはそれくらいに思ってかかって欲しいのだ。尤も、あの国の内需の大らかな?基準で作られた製品でも結構というのならば話は別だがね。

我が国の外交問題:
さて、外交面である。韓国と北朝鮮はあの程度のもので、中国のように我が国がひれ伏して属国になるまで現在のような無理無体と出鱈目な対日政策を強硬に推進し、国連如き田舎の信用組合の言うことなどは意に介さない真似はしないだろ。中国はアメリカの反論にも抵抗するだろう。私は既に防衛学会の高井先生の講演で聴いた尖閣を我が物にする程度では収まらず、既に動き出した台湾から沖縄を経て我が本土までという極端に曲がった不正な野望があるのではないかとすら危惧している。

ロシアも危険な存在の相手だ。プーチン大統領は目下のところでは「彼の意思が国家の意向」とでも言える力と権限を備えてしまい、EU、アメリカ、ロシアに対峙する勢いだ。自身がSecurity CouncilのPermanent memberであるのを良いことにして、やりたい放題をやると怖れている。北方領土問題などは安倍総理が膝詰め談判でもしない限り、外務官僚等に一寸でも委ねれば消し飛ばされるかと懸念する。

私は簡単に「論争と対立を怖れずに、相手の妄言を正すべく言うべき事を堂々と主張し、対立を怖れてはならないし、対立を生じないような議論をすべきだ」と言って上げたい。それともう一つ「玉砕してしまうような論陣を張ることなく、想定問答集を準備して"contingency plan"を引っ提げて望んで貰いたいのだ。

結び:
要するに、悲観論者の私は今や我が国は当に「「四面楚歌の声を聞く」とでい言いたい方向に進みつつあるのではないと秘かに危惧するのだ。安倍総理は当に最後の頼りで、彼を措いて頼れる人はいないと思う。だがこれほど多くの内外の問題を抱えている以上、側近が余程細心の注意を払って事態の推移を観察し総理を支えていって貰いたいのである。世界には敵というべきか、どれほどの難関が待ち構えているかを考えて貰いたい。