新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月15日 その2 14日夜の野球は愉快ではなかった

2015-10-15 16:04:22 | コラム
冷静な評論家はヤクルトの心配をしている:

14日夜には冷静な評論家が既に懸念した通りで、たとえ3点差でもヤクルトは巨人に無残な負け方をしました。昨夜も先にパシフィック・リーグを見てからチャンネルを変えてヤクルトの成り行きを見ると、1回裏にヤクルトがランナーを2人置いて畠山が見事なヒット。しかし、二塁の走者は三塁止まり。それは誰かと見れば満塁になって上田がいました。

ということは肝心要の山田は打っていなかったと直ぐに察知。それは如何にも悪いお知らせでした。そこで5番打者のバレンティンは三振してくれれば良いかと思う暇もなく、アッサリとショートへのゴロでダブルプレー(「ゲッツー」は日本語です)で終わりました。これでは今晩の先行きは暗いと直感。直ちにNHKのBSに戻りました。

山田はシーズンの末期には打つ方が低調で、ここぞという時には打ったと頃を余り見た記憶がなかったのです。極論すれば、打点が100もあってホームランも38本も打っていながら、駄目押しのようなヒットだとかホームランを打って稼いでいたのかと。記録にはこういう分析も必要なのではないのかな。昨夜も全て凡退ではヤクルトに勝ち目なしと見切りました。私はバレンティンと雄平の打順を入れ替えるべきではと真中監督に進言したいのです。

一方のパシフィックは双方が持てる力を懸命に一杯に発揮して緊張感溢れる良い試合でした。だが、私の見るところでは基本的に力が上のソフトバンクが勝ったのは順当でしょう。遺憾ながら、こちらの方が見ている方としては、巨人の「昔の名前で出ています」野球よりも面白いのです。

例によって私の閃きでは巨人がどうやらモメンタムを掴んだ様子に見えるので、ヤクルトは山田君が余程奮起しないとあそこで打線が切れてしまうのでは先が思いやられます。パシフィック・リーグの方は勢いづいたソフトバンクを止められそうなのが福浦や井口では、ロッテは一寸辛いのかなと思わずにはいられません。

ここで目をアメリカに転ずれば、もうそろそろアメリカのフットボールがシーズンの盛りになってくるので、NHKがBSででも放映してくれることに期待します。書く方では商社論の続編が残っていますが、書きたくても書いてはいけないような微妙な昔話がが沢山あります。世間様で「商社は」とか「あの世界は」というように美化しているのは如何なものかということです。その辺りをどう伝えていくべきか考え中です。

最後に英語の講釈を。「考え中」は”I’m trying to think.”とでも言えば良いでしょう。

アメリカ西海岸の米価を基にTPPを考えれば

2015-10-15 08:18:17 | コラム
LA近郊の小売価格を基にして試算すれば:

この試算の前提は関税が課されていない輸出価格を、カリフォルニア州内の小売価格を基にして推定することである。しかし、如何なる推定でも試算でも、為替が$1=¥100以下の円高に振れれば我が国の小売価格を下回る危険性が高いと言わざるを得ない。TPPという名のオオカミは本当に米農家を襲うのだろうか。

SM氏からの情報でロス・アンジェルス近郊では小売価格が¥317/kgとなっていた。更に畏メル友佐藤氏の調査でも、ウオールマートの店頭価格は¥300/kg見当だと判明した。そこで輸出価格を大雑把に試算するために、キリの良い数字の¥300を基準にして算出してみる。

小売業者の利益率を25%と仮定して進めてみると(アメリカではメーカー乃至は製造業者が中間に業者を置かず直販する事を前提にして)紙流通業界で言う「メーカー価格」は¥225/kgとなる。ここから先に加算されていくコストは先ず輸出梱包、続いて積み出し港までの国内運賃、保険、通関費用、海上運賃等がある。生産者の利益は¥225に含まれていると推定する。私はここまでで¥300になってしまうのではないかと思う。

海上輸送の期間だが、アメリカ西海岸からは2週間はかかる。これを持ち出した理由は輸入者に金利負担が発生するからである。通常、支払いというか決済は現地の輸入者の支店等が輸出者から船積み書類一式と請求書を、出航後早い時点で受け取って現地で現金で支払うものである。即ち、この2週間と我が国の港に着いた後から通関手続き等が終わって輸入者に請求書を発行し、支払いを受けるまでの間の金利、常識的に1ヶ月分が業者の立て替え払いになるのだ。

それだけではない。本船到着後に荷物を保税地域に搬入し通関を切って輸入者が必要とする時期まで保税乃至は営業倉庫に保管し、需要者に輸送するまでの通関、保管、輸送の諸掛かりのコストが発生する。私には米などの諸掛かりがどれほどになるかの知識はない。そこで紙パルプ業界で試算に使われていた1ヶ月間の費用の係数を引用すれば、”1.13”が使われていた。

ここまで辿り着いて、計算している当人が良く解らなくなってきたことがある。それは飽くまでも現在の¥120程度の為替で計算すれば、仮令関税がゼロになっていても、輸入米が国産の米よりも安くなることはないとなってしまうのである。それなのに、何故マスコミも米作農家もあれほどTPPを忌避するのだろうかという疑問に撞着する。勿論、ここでは国産の輸入米の「味」の違いは考えていない。

思うに、この事態は「私の試算が致命的に誤っている」か、「マスコミや反対する政党や農家が実態を知ろうとしていないから」の何れかだろう。あるいは両方かも知れない。いや、政府機関やマスコミが海外の米価の水準や輸入価格を知らないはずはないのでは。

ここで敢えて言えば、TPPは未だ加盟12ヶ国の何れでも国会の批准は済んでおらず、発効していない事実を忘れてはならない実態がある。要するに、如何なる品目でも明日から、明後日から、年内に、関税が撤廃されることはないということ。

その日に備えておく必要はあるし、その日までの期間は十分にある品目は多いと、私には見えるのだが。もしかすると、その辺にオオカミ少年がゾロゾロいて騒ぎ立てているだけも知れないし、「オオカミなんて怖くない」と叫んでいる連中も居るのかも知れない。私はTPPが現実に発効するかどうかを落ち着いて見極めておく必要があると思うのだ。現に、もしかして次ぎのアメリカ大統領の有力候補かも知れないヒラリー・クリントンは反対を唱えていたではないか。