2月3日 その2 責任ある地位の代償

曽野綾子さんの「透明な歳月の光」より：

この曾野さんが産経に毎週水曜日に連載されているコラムで、曾野さんらしい単純明快な厳しさで「責任ある地位の代償」と題して甘利問題を採り上げておられた。私が思う結論は、曾野さんが

”責任問題の追及ということは、いかにも「正義のために」必要なことのようだが、つまりは党利に利用するためで過去のことに時間を取られることは生産的でない。政治家の時間はすべて国民の税金から出ているのだから、そんな無駄なことに時間を割かないでほしいのである”

と決めつけておられる辺りにあると思う。曾野さんの指摘は尤もだと思う。だが、その前に曾野さんは「政治家がこの程度の人々だということは、大体国民にはわかっていることで、それは野党議員といえども同じだろう。真相はまだわからないけれど、地位を利用して口利きの金を取るなどということは品性に関わる卑しいことで、辞任という形で罰せられればそれでそれでいい」と言っておられる。

私には甘利氏のような立派な実績を残された政治家が、何故に「秘書が」というような形ではあっても「口利き」をさせてその代償の如くに一色某が言う現金を受け取ったのかが理解出来なかった。だが、甘利氏と雖も「人は人」でさしたる意識もなく、政治資金規正法の規定も失念して筋の悪い金を受け取ってしまったという二面性があったのではないかとすら考えたしまった。

表現は難しいのだが、政治の表面であれほどの成果を上げる力がおありでも、その性質を野党に追及される金を貰ってしまう「コインの裏側」があったのではないかなどと思っている。その辺りを曾野さんは「政治家がこの程度の人々」という厳しく直接的な表現で指摘されたのではないのか。私には果たして甘利氏が「その程度」の範疇に入るかどうかは断定出来ないが、確かにその程度の政治家はいるだろうくらいは解る。また、枝野のように勝ち誇ったかの如き口調で「追求を続ける」とほざくのも「その程度」の一人だと思うのだ。何れにせよ、野党には「その程度」の者が多すぎるのが我が国の政界の問題点ではないのか。

アメリカ大統領選挙

トランプ氏が失速か：

初戦のアイオワ州の共和党大会では噂のトランプ氏がクルーズ氏に及ばなかったと報じられている。これは先日採り上げたアメリカの友人たち予測と同様な結果である。問題はここから先のニューハンプシャー州等でトランプ氏がどれほど巻き返せるかだろうが、私にはそれは難しくなってきたかのようにしか見えない。だが、矢張り「予断を許さない」とだけ言っておきたい。

一方の民主党だが、私は現在の党大会が始まる前から、ヒラリー・クリントン氏が出てくるような余り望ましくない結果になり、そのままアメリカ史上初の女性大統領が出現するのではないかという、敢えて「嫌な」と言うが、嫌な予感がしてならない。「嫌」という意味は、何度か述べてきたことで「民主党政権はクリントン元大統領以来特に我が国に対して冷淡であり、その奥方が大統領になられては、あの「ジャパンパスイング」や「ジャパンナッシング」の時期が訪れはしないかと危惧するものだ。

因みに、W社では8代目CEOにしてW家4代目の当主のジョージは、エール大学で元大統領ジョージ・ブッシュ氏（父親）と同期生で親しい間柄であったし、会社としても当然のように言わば体制派の共和党支持の幹部が圧倒的に多かった。そのブッシュ政権下の頃には、ジョージが次期日本駐在大使という噂まであったほど。従って私も共和党により親近感を覚えている。

尤も、YM氏はクリントン夫人は意外にも中国嫌いであり、一般に懸念されるほど我が国に冷たくはないだろう」と言っていたのをご記憶の向きもあるかも知れない。だがしかし、私はリベラル派であるアメリカの民主党を歓迎する気はない。さらに元大学院大学の教授だった知人は「同じ政党から三期続けて大統領が出たことはないという実績がある」とは指摘していたので一先ず安心ではあるが、共和党で名乗りを上げている人たちに魅力が薄いのも気がかりだ。