アメリカのスポーツ界最大の祭典:
昨8日の午前中はこのカリフォルニア州サンタクララで開催されたフットボールの言わばワールドシリーズである「スーパーボウル」の観戦で終わった。時差の関係で運悪く(?)我が国で中継を見られるのは月曜日の午前8時からになってしまうので、どれほどの方がこの中継をご覧になったかは知る由もない。だが、長年のフットボールファンとしては見逃すことはなく十分に堪能させられた。今年はデンバー・ブロンコス(本拠地=コロラド州)対カロライナ・パンサーズ(ノースカロライナ州)の対戦だった
念のために、スーパーボウル(Super Bowl)なる試合を簡単に解説しておけば、アメリカのプロフットボール・リーグの”NFL”には野球のMLBと同様に「アメリカン」と「ナショナル」の二つのリーグがある.だが、ここではリーグと称さずに”Conference”と呼んでいる。この両カンファレンスには16テイームが所属するのだから合計で32テイームがある。即ち、スーパーボウルとはこれら二つのカンファレンスの勝者が2月になって一度の勝負で全米の勝者を決めるという仕組み。しかし、MLBと同様にその前に各地区の優勝者とワイルドカードという一般的には良く解りにくい方式で選ばれた優勝し損ないの地区で2位だったテイームが参加するトーナメントで、各コンファレンスの勝者を決めるのだ。遺憾ながら、ちっとも簡単な説明ではなかったことをお許し願いたい。
ワールドシリーズと同じ仕組みならば、何故両カンファレンスの優勝者のテイームの本拠地で試合をしないのかとの疑問が出るだろう。それは聞くところによれば、地元開催にすれば途方もない騒ぎになるのだそうで、両者の地元を離れた言わば中立の都市を選ぶのだそうだ。この試合がどれほどの人気かと言えばテレビの視聴率が50%にも達するそうで、アメリカ人の半数が観戦していることになる。
そこで入手が極めて困難な切符を手に入れて全米から観戦に訪れる人たちが如何なる騒ぎをするかなどは、我が国で贔屓の引き倒し的な阪神ファンの応援振り程度にしか接しておられない方には想像も及ばないと思う。偉そうに言う私は勿論スーパーボウルなど見たことがあるはずもなく、テレビ観戦だけで後は受け売りが大部分だ。しかし、アメリカ出張中に何度もNFLとMLBの試合を見た経験があるので、彼らアメリカ人のお祭り騒ぎには数多く接してきた。
2010年1月1日にはカリフォルニア州パサデイナでNCAA(全米大学体育協会)の大学のフットボールを試合を9万人の観客の一人として観た貴重な経験もある。一般的にはこういう大きな試合にはその州内からでも多くの熱烈なファンが試合前夜にステーションワゴンとでも言うのだろうか、ハッチバック車(運転をしたことがないのであり自動車の種類には極めて暗い)の後ろのドアを開けてバーベキューセットを持ち出して駐車場でそれぞれの車で”tailgate party”と呼ばれるパーテイを開いてビールを飲んで前夜祭的に大いに盛り上がるのだ。何百台の車で一斉にパーテイーともなればどれほど賑やかかを想像願いたい。
その賑やかさは大変なもので、我が国にいては想像がつかないだろう。またその会場となる競技場の駐車場の広さと言えば、パサデイナで試合が終わった後で自分たちの車に到着するまで30分近く歩いたほどだったと言えばお解り願えるか。観戦にと言うか応援に来るのは勿論両テイームの熱心なファンなのだが、それ以外の者たちも参加するので、その都市は挙げてスーパーボウル一色になってしまうのは言うまでもないこと。この辺りが当にアメリカ的なのだ。
アメリカ西海岸時間の2月7日に開催された今年の(シーズンとしては2015年になるが)のスーパーボウルには、フットボールの大きな試合には付き物の「ハーフタイムショー」が賑やかに開催された。確か我が国では誰か女性タレント真似をするビヨンセ(Beyoncé Giselle Knowlse)というシンガーソングライターと奇矯な服装でも有名な歌手”Lady Gaga”(レイデイ-・ガガ=Stefanne Joanne Angelina Germanotta)も出演して大いに盛り上げたらしい。
「らしい」と言うのは理由がある。私はこの手のショーの間はトイレ休憩と心得ているので本気で観たことはないし、現場でも食べ物や飲み物の補給に売店に出て行く時間と思っているので先ず見たことがなかった。それにこういうアメリカ式の賑やかなショーにはいささか辟易となるので敬遠している。私は歌舞音曲も良いが、早く試合が見たいだけのことだ。
実は、何人ものアメリカ人に言われたことで「このようなプロの試合を実際に見る機会があれば誠に結構な事で、アメリカ人でもNFLの試合は観客席がほとんど年間指定席なのでなかなか見る機会がないもの。だから、貴方は幸運な外国人」なのだそうだ。また、別な人からは「NFLのゲームの観客の熱狂振りも確かにアメリカ的なものだが、NCAAのフットボールの試合での地元の熱心なファンの興奮と応援振りこそが本当にアメリカ的だ」とも聞かされていた。
お陰様で一度だけシアトルのワシントン大学の7万人収容の”Husky Stadium”でUCLA対University of Washington”のフットボールを見る機会を与えられた。そこでは地元の人品骨柄卑しからざる老夫婦がハスキーカラーの紫色のスーツを着用して「それいけー」や「殺せ」と髪振り乱して立ち上がって応援する有様を見て「なるほど、これもアメリカか」と納得したものだった。ここでもそうだが、我が国のプロ野球の応援と違って、鉦や太鼓に金管楽器の騒音がないだけ、アメリカの方が落ち着いて見ていられる。但し、周りの観衆が熱狂の余りに立ち上がると、悲しいかな私には何も見えなくなってしまうのが問題だった。
試合のことを何も言わないではないかと言われそうだが、下馬評が高かったQB Cam Newtonを擁するPanthersがBroncosの強力な守りにNewtonが封じ込められ、試合内容は競ってはいたが、24対10と予想以上の大差で39歳のQB、Peyton Manning率いるBroncosに押し切られてしまった。試合は勿論面白かったのは言うまでもないこと。
私は暫くぶりに第試合で選手全員どころか観客も一緒になって国歌斉唱をする光景に接して良いことだと思わせられたし、その懐かしさに胸を打たれた。と同時に、我が国では一向に選手たちも含めて居合わせた全員が国歌を歌わないことが如何にも残念に思えてならなかった。
昨8日の午前中はこのカリフォルニア州サンタクララで開催されたフットボールの言わばワールドシリーズである「スーパーボウル」の観戦で終わった。時差の関係で運悪く(?)我が国で中継を見られるのは月曜日の午前8時からになってしまうので、どれほどの方がこの中継をご覧になったかは知る由もない。だが、長年のフットボールファンとしては見逃すことはなく十分に堪能させられた。今年はデンバー・ブロンコス(本拠地=コロラド州)対カロライナ・パンサーズ(ノースカロライナ州)の対戦だった
念のために、スーパーボウル(Super Bowl)なる試合を簡単に解説しておけば、アメリカのプロフットボール・リーグの”NFL”には野球のMLBと同様に「アメリカン」と「ナショナル」の二つのリーグがある.だが、ここではリーグと称さずに”Conference”と呼んでいる。この両カンファレンスには16テイームが所属するのだから合計で32テイームがある。即ち、スーパーボウルとはこれら二つのカンファレンスの勝者が2月になって一度の勝負で全米の勝者を決めるという仕組み。しかし、MLBと同様にその前に各地区の優勝者とワイルドカードという一般的には良く解りにくい方式で選ばれた優勝し損ないの地区で2位だったテイームが参加するトーナメントで、各コンファレンスの勝者を決めるのだ。遺憾ながら、ちっとも簡単な説明ではなかったことをお許し願いたい。
ワールドシリーズと同じ仕組みならば、何故両カンファレンスの優勝者のテイームの本拠地で試合をしないのかとの疑問が出るだろう。それは聞くところによれば、地元開催にすれば途方もない騒ぎになるのだそうで、両者の地元を離れた言わば中立の都市を選ぶのだそうだ。この試合がどれほどの人気かと言えばテレビの視聴率が50%にも達するそうで、アメリカ人の半数が観戦していることになる。
そこで入手が極めて困難な切符を手に入れて全米から観戦に訪れる人たちが如何なる騒ぎをするかなどは、我が国で贔屓の引き倒し的な阪神ファンの応援振り程度にしか接しておられない方には想像も及ばないと思う。偉そうに言う私は勿論スーパーボウルなど見たことがあるはずもなく、テレビ観戦だけで後は受け売りが大部分だ。しかし、アメリカ出張中に何度もNFLとMLBの試合を見た経験があるので、彼らアメリカ人のお祭り騒ぎには数多く接してきた。
2010年1月1日にはカリフォルニア州パサデイナでNCAA(全米大学体育協会)の大学のフットボールを試合を9万人の観客の一人として観た貴重な経験もある。一般的にはこういう大きな試合にはその州内からでも多くの熱烈なファンが試合前夜にステーションワゴンとでも言うのだろうか、ハッチバック車(運転をしたことがないのであり自動車の種類には極めて暗い)の後ろのドアを開けてバーベキューセットを持ち出して駐車場でそれぞれの車で”tailgate party”と呼ばれるパーテイを開いてビールを飲んで前夜祭的に大いに盛り上がるのだ。何百台の車で一斉にパーテイーともなればどれほど賑やかかを想像願いたい。
その賑やかさは大変なもので、我が国にいては想像がつかないだろう。またその会場となる競技場の駐車場の広さと言えば、パサデイナで試合が終わった後で自分たちの車に到着するまで30分近く歩いたほどだったと言えばお解り願えるか。観戦にと言うか応援に来るのは勿論両テイームの熱心なファンなのだが、それ以外の者たちも参加するので、その都市は挙げてスーパーボウル一色になってしまうのは言うまでもないこと。この辺りが当にアメリカ的なのだ。
アメリカ西海岸時間の2月7日に開催された今年の(シーズンとしては2015年になるが)のスーパーボウルには、フットボールの大きな試合には付き物の「ハーフタイムショー」が賑やかに開催された。確か我が国では誰か女性タレント真似をするビヨンセ(Beyoncé Giselle Knowlse)というシンガーソングライターと奇矯な服装でも有名な歌手”Lady Gaga”(レイデイ-・ガガ=Stefanne Joanne Angelina Germanotta)も出演して大いに盛り上げたらしい。
「らしい」と言うのは理由がある。私はこの手のショーの間はトイレ休憩と心得ているので本気で観たことはないし、現場でも食べ物や飲み物の補給に売店に出て行く時間と思っているので先ず見たことがなかった。それにこういうアメリカ式の賑やかなショーにはいささか辟易となるので敬遠している。私は歌舞音曲も良いが、早く試合が見たいだけのことだ。
実は、何人ものアメリカ人に言われたことで「このようなプロの試合を実際に見る機会があれば誠に結構な事で、アメリカ人でもNFLの試合は観客席がほとんど年間指定席なのでなかなか見る機会がないもの。だから、貴方は幸運な外国人」なのだそうだ。また、別な人からは「NFLのゲームの観客の熱狂振りも確かにアメリカ的なものだが、NCAAのフットボールの試合での地元の熱心なファンの興奮と応援振りこそが本当にアメリカ的だ」とも聞かされていた。
お陰様で一度だけシアトルのワシントン大学の7万人収容の”Husky Stadium”でUCLA対University of Washington”のフットボールを見る機会を与えられた。そこでは地元の人品骨柄卑しからざる老夫婦がハスキーカラーの紫色のスーツを着用して「それいけー」や「殺せ」と髪振り乱して立ち上がって応援する有様を見て「なるほど、これもアメリカか」と納得したものだった。ここでもそうだが、我が国のプロ野球の応援と違って、鉦や太鼓に金管楽器の騒音がないだけ、アメリカの方が落ち着いて見ていられる。但し、周りの観衆が熱狂の余りに立ち上がると、悲しいかな私には何も見えなくなってしまうのが問題だった。
試合のことを何も言わないではないかと言われそうだが、下馬評が高かったQB Cam Newtonを擁するPanthersがBroncosの強力な守りにNewtonが封じ込められ、試合内容は競ってはいたが、24対10と予想以上の大差で39歳のQB、Peyton Manning率いるBroncosに押し切られてしまった。試合は勿論面白かったのは言うまでもないこと。
私は暫くぶりに第試合で選手全員どころか観客も一緒になって国歌斉唱をする光景に接して良いことだと思わせられたし、その懐かしさに胸を打たれた。と同時に、我が国では一向に選手たちも含めて居合わせた全員が国歌を歌わないことが如何にも残念に思えてならなかった。