ボックス・テイシュペーパーの安値が示すこと:
少しだけアメリカ大統領選挙のような余所の国の話題を離れて、我が国の細かい話を。
昨日、薬局というのかドラッグストアの前を通ると、王子のNブランドが5個入りで¥190台だったかの安値で店頭に積み上げられていた。隣に並んだ大王のテイシュもこの製品の代表的ブランドであるクリネックスよりも遙かに経済的な値段が表示されていた。「すわ、値上げしたはずの家庭紙業界には再び価格競争か」と一瞬考えてしまった。だが、そんなことがあるはずがないと思ってパッケージを取り上げて、箱の底の表記を確かめた。
結果は「矢張りか」だった。それは何処のメーカーが考え出したマーケティング戦略かは寡聞にして知らないが、この価格に釣られて買われる主婦が多いような作戦なのである。即ち、1箱の中身を、そもそものこの紙が市場に出てきた頃の2枚組X200セット(業界で言う200ダブル)だったものを「180ダブル」として5箱一組の価格を引き下げて拡販を図った作戦が始まったのだった。私は余程業界の内情に詳しくない方は「お買い得」と思うだろうと見ていた。
ところが、今回の安値は何と「150ダブル」だったのだ。それでは「kg当たり幾ら」を基準にして販売される紙類ではその重量での単価は維持されていて、5個のパッケージの価格は引き下げられているのだ。家庭紙業界の方々には悪いが、こういう思いがけない安値を発見されれば、先ず箱の底側の表示を確認することだと申し上げたいのだ。そして「180ダブル」や「150ダブル換算ならば幾らになるかを計算してからお買い上げになることだ。尤も、ブランドも紙質も問題にしない安ければ良いというのならば、どうぞお買い上げをとなってしまうが。
私は現在の景気の状態では家庭紙メーカーは何とかして末端価格を低めに設定して、消費者の関心を惹こうとしていると睨むが、その根底には「未だデフレ傾向が完全に治まっていない」というように営業第一線は見ているような気がしてならないのだ。何れにせよ、ドンドンお買い上げになって苦境に立たされた製紙業界をお助け下さい。