新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月15日 その2 マスコミの訃報の報道に思う

2016-05-15 08:18:20 | コラム
蜷川幸雄氏が亡くなった:

私は演劇の分野については無知であり無調法であり且つ無関心だけではなく、興味を持ったことがなかった。従って演出家の蜷川氏が亡くなったと連日連夜テレビが報道されても、申し訳ないが対応のしようがないので困惑させられる。その大演出家については「厳しい方で感情の赴くままに不出来な役者に灰皿をぶつけたり椅子まで投げられる」というような断片的な情報しか知らない。だが、彼らの常套手段というか手法では「世界の蜷川」だったそうだ。そういう分野では偉い方だったのだとは解る。

マスコミ、就中テレビでは蜷川氏のような芸能と言って良いのか「舞台芸術」とでも形容すべきか知らないが、そういう分野の方がなくなると「これでもか、これでもか」とでも形容したいほどその人物の死を悼め追悼せよと言わんばかりの姿勢で報道する。私に言わせて貰えば、それは彼らにとって貴重な役割を果たしておられた方だとは解るが、身内のことで(あるいは私が誤った見方をしているのかも知れないが)視聴者全体がお悔やみ申し上げる事案ではないと思えてならない。

たったこれだけのことで口角泡を飛ばして論ずるまでのことではないかと危惧する。だが、こういう報道姿勢と歌舞伎役者などを敬語を使って報じるくせに、天皇皇后を始めとする皇族には本当の形の敬語を使わないのは何故だろう。思うに、朝日新聞が基準となっているのかなどと考えている。

三菱自動車に思う

2016-05-15 07:51:13 | コラム
三菱自動車の没落:

この件について畏メル友尾形氏と意見こうしたので、以下に紹介する次第。

尾形氏の意見:
この件に就いては、今日の日経紙などが報じていますが、三菱グループにも「渡りに船」であり、三菱自にとっても最善であり、城下町の水島市もほっとしていることだと思います。それにしても、ゴーン社長の電光石火の決断は見事でした。

日経の「ニュース拾遺」にありますが、シャープの経営権を握った鴻海は3000人の人員整理を提案したようです。シャープの旧経営陣は、「産業革新機構と違って、鴻海は人員整理をしないと言っている」などと言っていましたが、愚かにも程があります。従業員は業績次第です。

私の見方:
私はアメリカの人口の40%ほどでしかない我が国に自動車メーカーの数が多すぎるという議論にはある程度聞くべきものがあると思ってはいました。だが、こういう芳しくない理由で実質的に1社減るとは予想もしていませんでした。

因みに、私が現職の1994年頃まではアメリカの人口は2億6,000万人で考えていましたが、今や3億2,000万人に増加し、考えるまでもなく所謂「少数民族」それも複数の民族の人口が如何に増えたかを示しています。いっぽう、我が国では増えるどころが減少傾向にあり、1億2,000万人と考えて論じております。

ここで、三菱の車についての一寸した古いエピソードを紹介します。1985年に取引先の三菱商事の若手3人と筑波科学万博に出かけたことがありました。その時に何と全員がホンダの車で来たのです。「君らは三菱の車を買わねばならないのでは?」との疑問をぶつけました。彼らは異口同音に「冗談じゃありません。あんな格好悪い性能も良くない車なんて買いません」と断言しました。あれほどグループ意識が高いと思っていた会社の若手がそう言ったのには驚きました。

しかし、その当時では商事の若手からは「我々は三菱の中で最も下位にある会社で、同じ三菱の大手の製造業の会社からは『同じグループだから義理で商事に売らせてやっているのだ。自力で仕事を取れない会社のくせに』と低く評価されています」と悔しがるのを聞いていました。

W社は1960年代の日本進出時点から三菱商事との取引が非常に大きかった外国のメーカーだった為か、我が事業部もかの金曜会が開催される三菱クラブでの何度か打ち合わせと会食会がありました。確かに圧倒される雰囲気でしたが華美ではなく、確か金曜会が開催される部屋も見せて貰った記憶があります。その三菱が鮎川義介の日産グループに支配されるとは今昔の感に堪えません。

尾形氏の意見:
仰せの通りですね。日本に自動車メーカー8社は多過ぎますね。でも、よくここまで頑張ってきました。このうち何社かはトヨタや日産の系列ということで良いのではないでしょうか。

それにしても三菱自の企業城下町・水島市は操業停止で一時、肝を潰したと思います。予想もしないスピードで決着して授業員は勿論、市長以下関係者は胸を撫で下ろしていると思います。

私の見方:
仰せの通りです。三菱自動車の救世主が日産で良かったと思います。

<シャープの旧経営陣は、「産業革新機構と違って、鴻海は人員整理をしないと言っている」などと言っていましたが、愚かにも程があります。>

と先頃指摘されたのはそ通りだと思います。シャープの経営陣は台湾の独裁経営者の言を信じていたのだったならば甘すぎます。日産も我が国の会社ではありますが、カルロス・ゴーンは嘗てコスト・カッターだったかと呼ばれた外国人ですから、人員整理というかリストラについては決して油断はなりませんね。