新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月5日 その3 我が国は社会主義国?#2

2016-05-05 16:38:37 | コラム
資本主義の名において:

私が旧制中学だった頃には、多くの旧制高校生と東大生(の秀才?)が共産主義にかぶれ、党員になった人たちが数多くいました。彼らは「資本主義が発展していく過程で自国内では経済の規模が収まらなくなり、その帰結として海外に植民地を求めて進出し侵略する帝国主義へと発展していく。それが誤りだったのが今回の敗戦で証明された。そこに共産主義が現れたのだ」と言って子供たちにも説教し、マルクス経済を礼賛しました。

しかし、この共産主義かぶれは一種の麻疹のようなもので、彼らの多くは転向して大会社に就職し役員から社長に出世していきました。そのずっと後の学生運動に没頭した連中からも綺麗さっぱりと足を洗った者が出ていました。即ち、彼らは共産主義や社会主義では駄目だと解ったのでしょうか。だが、我が国には未だにその頃の幻影のような社会主義に憧れている者がジャーナリズムの世界にはいるようですね。

私の「我が国は資本主義の名において社会主義の理想を実現した国」説は確かにアメリカ人には理解されました。彼らは我が国を知れば知るほど「一寸待てよ。日本に遍く普及している社会の仕組みは社会主義としか思えない事例が多いが、自分たちの見立ては間違いか」と尋ねたものでした。しかし、ここまで我が国を掘り下げて分析出来るような者は少なく、一般的なアメリカ人の我が国に対する理解度と認識は皮相的(skin deep)でした。

同様に、我が国でアメリカの実態を正確に把握出来ている政治家や財界人がどれほどいるでしょうか。トランプも安保条約等について色々と発言していますが、日米関係の詳細を本当に理解しているか否かは極めて疑問です。外務省がトランプと結びつきがないと言って慌てているようです。醜態のようでもありますが、彼らの守備範囲外から現れれば当然でしょう。

確かにビジネスの面ではトランプを知る人はいます。例えば、元東銀のNY支店でデイーラーで今では独立してヘッジファンドを運営する著名なエコノミスト・EH氏は、トランプと親しい間柄でごく普通のビジネスマンだと言っているそうです。因みに、EH氏は関西学院大学卒で、ニューヨーク大学大学院でMBAを取得しています。テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」にも登場します。


5月5日 その2 我が国は社会主義国?

2016-05-05 08:49:58 | コラム
資本主義国家のはずだが:

頂門の一針の4008号に平井修一氏が下記のように指摘されていた。

<日本は「ぬるま湯社会主義桃源郷」だと最近、小生は書いているが、どうもこれは当たっているようだ。片や米国は「弱肉強食銭ゲバ金融資本主義国」あるいは「マネーゲーム金融至上国家」のようである。>

こと我が国については、余り異論を唱えることもないかと思って読んだ。

私はW社に在職中から、同僚にも本社の連中にも「我が国は世界でも珍しい資本主義の名において社会主義の理想を実現した国である」と言って大方の賛同を得ていた。参考までに、英語では”Japan has accomplished what socialism wanted to accomplish, in the name of capitalism.”と表現していたと記憶する。

これはアメリカの会社の中にいて経験してししみじみと実感したことことに基づいている。細かく説明すればキリがないが、アメリカ人にビジネス社会に長くいればいるほど我が国との違いを痛感させられていた。即ち、我が国にはアメリカのような所謂「格差」もなければ、僅か1%の人々が99%の富を独占することもなく、悪平等に近い平等な「民主主義」が蔓延しているのだから。

しかも、如何なる層の如何なる家庭からでも真面目に勉強して好成績を収めて立派な国立大学や一流の私立大学に進めば、政界でも経済界でも法曹界でも何処でも、成功出来る機会が万人に与えられる社会構造ができあがっているではないか。アメリカやヨーロッパにこんな制度も仕組みもないのだ。時の政権は何らかの機会を捉えて俗に言う「バラマキ」をするではないか。アメリカでは大統領が精々論議の的となった「オバマケア」を導入した程度だ。

それでも、野党は何かと言えば「民主主義が守られていない」と言いたがるが、彼らは社会主義との違いが認識出来ていないらしい。

チャイナスクールへの疑問

2016-05-05 08:31:01 | コラム
チャイナスクールとは:

目下畏友尾形美明氏と彼のメル友の方と、この件で意見を交わしております。以下は私の考えです。

私は外務省に巣くうと批判される彼らの信条と信念を疑問に思っております。彼らは中国語を学ぶ為に留学したとか、中国に駐在したような経験を持ち、省内でも省の外でも中国通として自他共に許した存在であると勝手に解釈しております。しかし、子供の頃から英語を話すことが生活の一部であり、日本の会社に17年勤務した後にアメリカの大手の会社に移り、彼らを内側から見てきた者としては、留学や駐在した人たちが知り得たアメリカと、私が経験したアメリカとの間にはかなりの見解と認識の相違があると解りました。

それだけではなく、私が1955年に卒業した上智大学で学び且つ知り得たアメリカ人のみならず、ヨーロッパの教授たちの文化があったからこそ、アメリカ人の会社で何とか61歳でリタイヤーするまで全う出来たと思っております。即ち、申し上げたいことは「私はかなり珍しいアメリカスクール出身の日本人」となっていたという実感です。しかし、私は上司や多くの同僚に「君はその英語と言い着ているものと言い、我々と同じ考え方をする仲間だと思わせる。だが、実態は骨の髄まで日本人なのだ」(英語では"You are a Japanese to the core.")と言われました

自慢話として申し上げているわけではありません。「中国と中国人に魂をまで売っているのかの如くなのがチャイナスクールの連中ではないのかと疑っている」という意味です。日本人として矜持を失い、彼らに阿る連中が、かのスクールには多いのではないかと思える節が多いのです。

同時に、私はビジネスの世界の人の中にも、外務省や財務省の官僚でも、私のように彼らの世界で彼らの哲学と思想と思考体系の中に身を置いて彼らの為に働いた経験がある者がどれほどいるのかと問いかけたいのです。彼らの実態に触れた者がどれほどいるのかという意味でもあります。白人の狡猾さなどは中にいて初めて現実として見えてくるものと思っております。

私は如何にもアメリカ通の如くに言いますが、これまでにアフリカ系アメリカ人やヒスパニックや韓国・中国等のアジア系アメリカ人とも膝つき合わせて語ってことなど一度もありません。そういう機会などあり得ないビジネスの世界にいたという意味です。これはマスコミが好んで言う「格差」ではなく、属していた「層」が異なっていたという簡単な意味です。私は無邪気にも何にも知らずにそういう会社に入っただけでした。

私が知り得たアメリカは全体を100とすれば精々20くらいのものでしょうが、一般の方々が知り得たアメリカの実態は1~5くらいではないかと思っております。それでも私が知り得たアメリカは4倍ほどは広く大きいのではないかと考えております。それでも、今回トランプを支持したと言われている白人のブルーカラーや出世の望みがない事務員クラスや俗に言うプーアホワイトの層との交流はなかったのです。

長く引っ張りましたが、「チャイナスクールの連中がどれほど人口が13億人もいて一党独裁の国の実態を理解しているのかは疑問である」と申し上げたかったのです。