新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月14日 その2 岡崎慎司とLeicester City

2016-05-14 19:32:00 | コラム
Leicester City:

岡崎慎司がドイツのシュットットガルトからイングランドのプレミア・リーグのレスター・シテイーに移籍したと聞いた時に、UKには”Leicester”という名前の都市があることくらいは承知していたが、それとカタカナで表記された「レスター」が同じものだとは思っていなかった。尤も、当方は張本勲がアメリカの大リーグでの日本人選手の動向に関心がないと口を極めて言うほどではないまでも、日本から欧州に出て行ったサッカー選手たちには関心がないので、プレミア・リーグとは極めて当たりがきつく、かなり次元が高いサッカーをやっているのだという程度の知識しかなかった。また、UKのリーグとは言うが、選手たちは欧州と南米の者が多いと承知していた。

そして岡崎慎司が試合に出る数が増えて我がマスコミが採り上げるようになり、初めて「レスター」は”Lester”ではなく”Leister”というスペリングで「レスター」と読むのだと知ったのだった。英語とは元々不規則ばかりでローマ字のように決まり切った読み方をしないのだということくらいは承知していたが、この「レスター」には足下を掬われたような感があった。そして思い出したのが「ウスターソース」の英語表記だった。それは”Worcester”と書いて「ウスター」と読ませるのだ。「ウワーセスター」と読みたくなってしまう。無理がある発音だと思ってしまう。だから英語は我々にとって厄介なのだ。

そのレスター・シテイーに岡崎慎司が移籍したのだが、そのクラブが2部から上がったばかりの弱小且つ貧乏テイームだったなどとは全く知らなかった。レスターが133年の歴史で初めて優勝したと我が国でもマスコミを挙げての歓迎となり、岡崎は一躍スターとなってしまった。尤も、私は岡崎は我が国から外国に出て行き、尚且つ日本代表に定着している者どもの中で数少ない確実な進歩を見せたプレーヤーだと評価していた。さらに彼自身が認めているようにサッカーそのものテクニックは並かそれ以下かも知れないが、良く動いて攻守に真摯敢闘し、優れた得点感覚の持ち主であるとも認めていた。

その岡崎が激しい当たりのプレミア・リーグで鍛え抜かれた訳だけではなく、彼自身のたゆまざる努力でウエイトトレーニング等に集中して体幹を鍛え上げ、走力を鍛え、90分間走り抜く体力を練り上げていったことは、我が国の他の代表選手たちは見習うべきだと言いたい。私は長年我が国の代表選手どもの当たられ弱さ(=ひ弱さ)を批判し、トレーニングの方法に誤りというか何らかの錯覚があるのではと論じてきた。その誤りが歴代の訳の解らぬ外国人監督の責に帰すべきか、我が国の中学・高校・大学乃至はJリーグのユース組織の指導者の至らざるところにあるのかは知らない。だが、少なくとも岡崎の努力を見習うべきではないのかな。先ほど、TBSで岡崎が私淑している指導者がいると報じていた。

乱暴な議論をすれば、岡崎が兎に角あのプレミア・リーグで1本目を張れるところまで行けたのだから、我が国の代表級の者どもはこれから先はドイツのブンデスリーガに集中せずにUKを目指して体幹と体力を鍛えてくればどうだろうか。尤も、話はそれほど簡単ではないだろうし、岡崎に倣って優れた体力養成の指導者を探すことから始めねばなるまいという気もする。”Better late than never”ではあるが、W杯の本予選が迫っている現在、それどころではないと協会も監督も言うかも知れない。もしもそうなれば、私は春風亭昇太ではないが「それじゃ駄目じゃん」と言いたくなってしまう。

三菱自動車の没落

2016-05-14 08:23:10 | コラム
日産自動車が三菱自動車を支配下に:

電撃的に決まったこの日産による三菱を支配下に置く合意というか決定は、マスコミでも大きな話題として採り上げられた。「大三菱の会社があのような燃費のごまかしをするとは何たることか」との論調が蔓延った。三菱自動車に対する手厳しい批判よりも、ごまかしの手口報道に終始していた気がする。私はそこにはマスコミの宿命である全三菱というスポンサー様に対する遠慮がなかったのかと問いかけたい気もするのはひが目か。

今回の三菱自動車の不祥事は冷たく突き放して経済界か産業界かは別にして言えば、ある特定業界の下位にある会社が以前にも不祥事を起こして同じグループの幹事である三社(?)に救済された過去を背負って、何とかして製品を拡売しようと企図してデータを捏造しただけの単純な不正に過ぎなかったのだではないか。もしもそれが市井の一独立系企業が犯した不正だったならば、これほど問題視されたかと言うこと。

それが栄光に輝く三菱ブランドだっただけに事は重大であり、その責任が問われたのだと思っている。マスコミ論調も世論も「三菱ともあろう会社が不正をするとはあり得ない」とでも言いたいようだった気がするのは誤りだろうか。勿論、人命に関わる事故が生じることがある自動車のことだから、かかるデータの捏造が許される訳がない。それを敢えて犯した三菱自動車が何らかの形で罰せられざるを得ないとは考えていたが、嘗てはトヨタと競い合っていた日産が乗り出したとは業界の事情など全く知らなかっただけにやや新鮮な驚きだった。

私はこの捏造事件?が発生して間もなく、三菱自動車が従業員に給与の減額を打診したとの報道を見て、実は「この会社はこの程度の人物が幹部だったのか。それでは仕方がなかったな事件だったな」と悪い意味で納得していた。寧ろ不思議だったことは「そんなことよりも社長以下幹部役員の責任は不問なのか。先ず役員報酬の減額とはないのか」との批判をほとんど聞かなかったことだ。