新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月6日 その3 Fire and Fury: Inside the White House

2018-01-06 13:17:53 | コラム
トランジション・テイ―ム(TT)組織の遅れ:

マイク・ウルフ氏(Mike Wolff)の新作「炎と怒り」がアメリカでトランプ政権からの「嘘ばかりだから」との出版差止請求をものともせずに、5日に出版日を9日から繰り上げて出版を敢行して即完売だったと報じられていた。文中には「当選すると思っていなかったトランプ氏はその当選を聞いて幽霊のような顔をしていた」とある。

この報道を知って思い当たることがある。それは、このトランプ氏当選と聞いてYM氏が語っていたことだった。話は少し遡るが、一昨年中に彼が21世紀パラダイム研究会で「トランジション・テイ―ム」(政権移行準備テイ―ムのこと)を語っていたのだった。それは「アメリカでは政権が変われば閣僚は言うに及ばず、中央官庁の幹部級は全て、合計で3~5千名が入れ替わるので、その対策の為のテイ―ムは各党の候補者に決まった時点で結成されているのが常識である」との内容だった。

ところが、トランプ氏は当選が決まった時点でもTTが完全に組織されていなかったことが報じられていたのだった。YM氏は「それはあり得ないことだ。閣僚だけではなく、ワシントンDCの中央官庁の実際の権限を持つ幹部級は全て前大統領の息のかかった者たちなので、全て入れ替えねば政権の運営が円滑に行かなくなる」とあらためて指摘したのだった。

米国の政権や政界の事情には明るくない私にも、トランプ氏は本当は当選するとは期待していなかったので、TTの準備を怠っていたのではないのかとすら考えさせられたのだった。11月に当選して翌年の1月20日までに数千名の候補者を集めるだけでも至難の業だろうし、一民間の不動産会社のオウナーがどれほど政界・財界・官界に人脈を築いてあるかという大問題である。

果たせるから、大統領就任後間もなく1年が過ぎようとしている時期でもワシントンDCでのトランプ政権体制が整っておらず、韓国駐在の大使だってつい先頃任命されたという事態だ。矢張り、YM氏が指摘した通りでTTの組織が遅れていたのは明らかだったと言えるようだ。

そこに、トランプ大統領の腹心だったはずのステーヴン・バノンが政権の内情を暴露したようなことを語り、それをマイク・ウルフが1冊の本に纏めたとなれば、発売即完売となったのも不思議ではない。

私はそういう出版の問題よりも、トランプ氏がTTを組織し終えずに立候補していたという事実(だと思うが)の方に興味も寒心もある。YM氏はアメリカでは未だ候補者に選ばれる前に、TTの組織に取りかかるものだと理解されていると述べていた。即ち、要点は「それにも拘わらずトランプ氏は・・・」という点である。


1月6日 その2 緊急地震速報だった

2018-01-06 12:31:39 | コラム
エッつ、何の音:

昨5日の午前中は掛かりつけのSクリニックに年始のご挨拶ではなかった、昨年から悩まされ続けた気象病が年を越して如何なる具合であるかを診て頂きに行っていた。S先生が血圧等を測って下さった後で「どうやら無事に年末・年始(休診期間中)を切り抜けていた」と診断して下さったので一安心だった。

その一寸前に、未だ順番が来るのを待っていた11時頃のことだった。突然5~6人はいた待合室中に妙な音が響き渡ったのだった。皆が「何事か」と顔を見合わせていたところ、1人の高齢と思える女性がやおらスマートフォンを取り出して「地震の速報よ」と何事でもなかったように宣告されて、何故か皆が安心してしまった様子だった。

待っていた中で男は当方だけだった所為もあってか、皆が安心した後でスマートフォンを取り出したのも印象的だった。何を隠そう私は未だに「らくらくホン」という古き良き時代の携帯電話なので、あの場で取り出さなくて良かったのかとすら考えている次第。

不思議だと思ったことは「緊急地震速報」に誰一人として反応せず、慌てず騒がずに、悠々と順番を待っていた無関心さである。私は電話を取りだして見ることすら思いつかなかった。これでは折角の速報も何の役にも立たないと証明されたのではなかったか。S医師も診察室には携帯電話の類いを置いておられないので、気が付いておられなかったのは当然かも知れない。

実は、帰宅してあらためて「緊急地震速報」と知って携帯電話を取り出せば、矢張りメールは来ていた。その電話機も脱いでいたダウンジャケットのポケットの中に入れてあったので、受信音が鳴っても気が付かなかったのも止むを得なかったのだと勝手に解釈している。だが、あれが言わば誤りの速報で本当に良かったとは思うが、速報が当てにならないと思われたことは決して良いことではないのだ考えている。


社交辞令

2018-01-06 11:26:18 | コラム
見え透いた社交辞令は言わない方が:

単なるおべんちゃらになってしまう危険性があると、在職中に経験しましたので、紹介します。

それは、初めて日本に来て馴れぬ日本食の接待を受け、箸が上手く使えにず難渋しているところに、気を利かせたつもりで You handle chopstick(s)very well. などとお世辞を言う人が多いのです。彼らは社交性がありますから Oh, thank you. などとは言いますが、心の中では「苦労しているのが解っているのに良く言うよ」と怒り心頭が本当の姿。

日本にやって来て、「有り難う」か「こにちは」(「今日は」のつもり)程度しか知らないので精一杯頑張っているところに Oh, you speak very good Japanese. などと見え透いた社交辞令を言われる方が多いのです。この場合も、言われた方は「ふざけるなよ。日本語など知らねーのに」と気分を害しています。これではかえって逆効果で「日本人は見え透いたおべんちゃらを言う」と思われてしまうのです。

お世辞や社交辞令の使い方は難しいものだと思います。実際にアメリカ人に「何で彼らはあんな見え透いたことを言うのだ」と不満をぶつけられた経験があるので言えるのです。