新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

大学ラグビー選手権観戦記

2018-01-08 08:42:07 | コラム
結局は勝ち方を知っていた帝京大学が優勝した:

私の試合開始前の閃きでは「もしかして明治大学が勝つこともあるのではないか」と危惧していた決勝戦では、矢張り8連勝をしてきた帝京大学が勝ち方を心得ていたので、21対20の1点差で9連勝を達成してしまった。21大会ぶりの優勝を目指してきた明治大学は健闘して確かに勢い良く前半を17対7とリードして見せたまでは良かった。

だが、ここ一番の大勝負には勝ち馴れていなかったのだろう、キッカーが先ず楽な位置からのペナルティー・キックを失敗したかと思えば、2回のコンヴァージョン・キックも外してしまった。私はこの3回の失敗は高くつくだろうと思って見ていた。

即ち、結果論だが合計7点も取り損なっていたのだから。だが、この手の「だろう話」は無意味で、このように3回も続けて外した辺りが明治の実力の限界だったと見るのが順当だと思う。善戦健闘はしたが、この7点を取り損なったのが明治の現時点での実力が帝京には及ばなかったということ。

試合の内容は白熱した大接戦だったが、双方が大きな目標の前に固くなりすぎていたと見た。即ち、私には意余って力足らずと言うか、ここぞという時にミスが出てトライを取り切れずに終わったという攻撃を繰り返していたように見えた。見方によっては「手に汗握る熱戦だった」ともなるだろうが。

天理大学との準決勝戦の帝京には昨年までの破壊的な強さが見えず、ごく普通のFWとバックスに適度の力がある人材を揃えているだけのテイ―ムとしか見えなかった。一方の明治は往年の北島監督時代の「前へ」という猪突猛進の強力FW依存の単調なラグビーから中々容易に脱却できず、何がしたいのか良く解らないラグビーから漸く近代化が緒に就いたと見えるようになっていた。

私にとってはどちらが勝っても良いという気楽な立場で見ていたので、後半になって明治が20対7と13点のリードとなった時点で「帝京がトライを2本取ってコンヴァージョンにも成功して21点を取って勝つことがあり得る」と予想したところ、何とその通りになってしまった。その辺りが8連覇を続けてきた帝京の「勝ち方を知っている強さ」だという結論に達したのだった。

別に確信を持って言う訳ではないが、帝京大学には2名のニュージーランド人の留学生がいたことが、明治を僅かに上回った強さの一因ではなかったかという気がするのだ
。確認はしていないが、対抗戦グループの慶応にも早稲田にも外国人の選手はいないと思う。因みに、3日のライスボウルを制覇した富士通には準NFL級のQBもいたし、ハーバード出身の優れたRBという両外国人の存在が光っていた。