新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月23日 その2 帰国子女の英語 #2

2018-02-23 16:41:51 | コラム
現場で覚えれば:

21世紀パラダイム研究会に小学校6年の時に朝鮮から苦労して引き上げてきた方がおられ、その帰国の際の例えようもない苦労を回顧して語られたことがあった。その苦難の限りを尽くした帰国中に一家の朝鮮語の通訳をしていたのが彼だったそうで。子供だったが故に現地の言葉を親御さんたちよりも理解できていたということ。どうやら、言語とはそういう性質のものらしいのだ。

だからと言って、小学校3年から英語を教えようというのは、話が違うと思う。それは、彼は帰国してから日本の学校に転入してから日本語に付いていけなかったという問題にぶつかったそうだから。

前回は Do you think you can make something out of these?を採り上げたが、ここでは似たような話を。1980年代の初期に船社のシアトルの駐在員の方が現地の小学校に入れた10歳のだったかのお嬢さんに「『ドアがひとりでに閉まった』と英語で言得えますか」と問いかけられたそうだ。

彼は悲しいかな Door closed automatically. しか思い浮かばなかった由。これでは不正解で、正解は Door closed by itself. だと教えられたとか。日本語で考えている限り、こういう発想は浮かばないだろうと思う。実は、かく申す私も恥ずかしながら不正解だったのだ。

本当は学校教育の英語では、こういう日本語と英語との発想の違いをどうやって教えるかが重要だと思う。私はこうやって現地人(?)との接触とアメリカ人たちが使っている表現を覚えそれを真似る形で英語を勉強できたと言えるだろう。


帰国子女の英語

2018-02-23 08:18:45 | コラム
アメリカで生まれ育った子供の英語:

先日、駐在員の3歳のお子さんに「英語ではそう言えば良いのか」と教えられたと回顧した。それは1975年くらいのことだっただろう。そこで、その時に子供さんが言ったことを覚えている間に書き留めておこうと思った次第。

それは「まま、これで何かが出来ると思う?」と、彼が遊んでいたレゴ(LEGO)を幾つか持ってきて母親に “Mamma! Do you think you can make something out of these?”と話しかけたのだった。私は彼に「へー、そう言えば良いの」と思わず言ってしまった。言いたいことを巧みに表現してあると思ったからだ。

そこでお母さんに「とても英語が上手いのですね」と言ってみると、「その通りなんです。私が付いていくのがやっとです。子供たちは英語を吸収するのが早くて追い付きません」と言われた。

如何にも簡単なことのように見えるが「これで何かが出来ると思う?」を英語にして見ろと言われれば、苦労される方が多いのではないだろうか。3歳の子供が、最初に Do you think を持ってきた発想が上手い言い回になったというか、凄いと思ったのだ。

このお子さんが成人して恐らく就職した後の1990年代に再会した時に、この話をしたところ「そんなことが言えたのですか。今は英語は綺麗サッパリ忘れてしまって苦労しています」と苦笑いだった。この辺りが所謂「帰国子女」の悩みかと思って聞いたのだった。確か、彼は小学校入学前に帰国していたはずだ。