新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月11日 その2 平昌オリンピックを見て

2018-02-11 14:06:37 | コラム
>平昌のメダル獲得競争で起こっていること:

私は既に「我が国の選手たちが幾つメダルなるものを獲得するかなどを忘れ、ゼロだと思って見ていれば良い。そうすればいつ何時どれが取れても望外の幸せと思って喜べるではないか」と指摘した。決して私に愛国心がない訳でもなく、出場する選手たちのあそこに行くまでの苦労を知らずして言ってはいないのだ。ただ単にマスコミの空騒ぎというか、メダルだメダルだと要らざる圧力をかけている報道姿勢に対する批判である。

ところがである。未だ開始されてから3日だが、一向にメダルとやらに近付く者が出てきていないのだ。私には圧倒的に好ましくないと思わせてくれる葛西紀明を「レジェンド」と囃し立てるのはどうかと思うが、彼自身までが「金メダルを」などと言わされているのでは「何をか言わんや」である。実際に彼はノーマルヒルとやらでは21位に終わったではないか。

彼葛西が8度もオリンピックに出てきた努力は賞賛するが、それは取りも直さず後進が育っていない、育てていないという不手際であっても、葛西君の責任ではあるまいと思う。だからメダル獲得競争をあおり立てるのは好い加減に止めろと言いたくなるのだ。

女子のスピードスケートもあれほど囃し立ててくれたが、私は何もこの種目に限ったことではないが、世界は広いのであって何時何処から「エッつ、そんな強い人がいたのか」という驚異の選手が出てくるものだ。昨夜も少しの期待感もあって高木美帆が出る3,000 mの競技を見た。高木でさえ、強豪のオランダ勢の前にあっては3位に入った選手にあれほど離されて5位に終わった。健闘は称えるに吝かではないが、オランダ勢のことはまるで報じられていなかったのは何故だ。

スノウボードとやらの障害物競走の如きものも見た。我が国の15歳や16歳の若者が出て行って予選を突破できる種目ではないと良く解った。でも、若者が参加して経験を積むことには意義もあるかなと少しだけ認識した。全くこの競技のことを何も知らずに言えば「あの種の競技では体の構造の違いというか脚の長さの違いで優劣が出るのかな」と思わせてくれた。

残念だと思ったのは女子のアイスホッケーでスエーデンに2対1で負けた試合だった。フォーメーションというか、攻める形は我が代表の方が余程良く出てきていて基本にも忠実だったと思う。スエーデンの良いところは、体格の違いというか身体能力に優れているだけにしか見えなかった。私はあそこまで持てる力を出し切っての敗戦では仕方がなかった、良くやったと褒めてあげたい。敗因を挙げれば、3度あったパワープレーで1点も獲れなかった得点力不足だと思う。

兎に角、メダルだメダルだと騒ぐのは辞めるべきだと主張するのと同時に「北朝鮮のことをもう一切構うな。オリンピックは政治ショーではなくて、スポーツの大会だ」と、何処かの阿呆共に告げておきたい。ペンス副大統領の毅然とした態度を見よ、見習えとも言ってやりたい。


2月11日 その2 「世界で給料が高騰、取り残される日本人」を訂正します。

2018-02-11 11:14:03 | コラム
大前研一の「日本のカラクリ」より:

これは、President誌の2018.3.5の86ページにある大前氏の連載の見出しである。小見出しは“ファーウエイ日本法人の募集「初任給40万円」となっている。内容は受け止め方によって衝撃的でもあろうし、「何を今更」とでもなるかも知れない。だが、私は極めて深刻に大前氏が鳴らした我が国の(上がらない?)給与とその体系(というか企業社会の文化)に対して発した警告とである読んだ。

なお、ファーアウエイとは言うまでもなく中国の深圳に本社を置く華為技術(HUAWAY Technologies)電気通信機の世界的大手で、売上高が2,400億元(13年度)従業員18万名の企業である。ソフトバンクホークスの帽子にはそのロゴとHUAWAYの表示があると気付いておられる方もあるかと思う、日本法人もある会社だ。

大前氏の警告の内容に触れる前に、今となっては10年以上も前のことで、未だアメリカでスタンフォード大学のビジネススクールの教員だったYM氏に何度も聞かされた危機説というか嘆きをもう一度紹介して、今日かかる状態が発生するだろう芽があったことを嘆いておきたい。

YM氏が一時帰国した時に何度か聞かされたことが「韓国の某電機会社(社名を言うのは野暮だろう)が、我が国の大手電機メーカーの有力な技術者を高給で引き抜いており、その技術(ノーハウ)や skill(腕前か熟練度)を学び取った後では遠慮会釈なく辞めさせているし、中には我が国の会社に止まったままで土日だけ来社させて使っている。こんな事を何時までも黙認していれば、何れ我が国は技術立国などと言っていられない状態になる。彼らに原材料を提供しているから我が国と離れられないなどと多寡を括っているとしたら大いなる誤りだと、アメリカの経済学者たちは見ている」というものだった。

YM氏が更に付け加えて言っていたことが「今やアメリカ中何処の空港に行っても出ているネオンサインや看板は SamsungかHyundaiかKiaのものばかりで、我が国の企業のものなど目に入らない時代となっている。こういう現象をどう判断するかだ」だった。新興勢力と出来上がった工業国との違いはあると思うが、何時までも現在の地位に立ち止まってはいられない時期だとの冷厳な事態を表している気もした。

この件などは今となっては公知の事実というか広く知れ渡っていると認識しているが、当時はこんな事を語って見ても「まさか。そんな危険性はないだろう」という反応が普通のことだった。ここから先はある程度以上、我が国との間に存在する欧米の諸国や韓国のような苦悩する新興勢力との「企業社会における文化の違い」が現れてくるが、私は現状は総理が財界に求められている3%程度の賃上げで済む事態では到底ないと考えている。

大前氏は華為技術の日本法人が大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めた。厚生労働省の調査によれば日本の大学卒初任給の平均は約20万円(17年)。日本企業の場合はエンジニアであろうと事務職であろうと初任給は基本的に変わらない。日本企業の平均の約2倍で募集をかけた「ファーウエイショック」に「優秀な人材が流れてしまうのではないか」と戦々恐々の日本企業に対してファーアウエイジャパンの広報は「優秀な人材を採る為のグローバルスタンダードだ」とすまし顔だ。と書かれている。

更に“本社のエンジニアの初任給が幾らかといえば、日本円で月額約83万円。日本で募集した初任給の倍である。要するに今やエンジニアの人件費は中国よりも日本の方が圧倒的に格安で、ファーアウエイはバーゲン価格で募集をかけている訳だ。中国の半分の給料を「高給」と思って飛びつく日本の技術者。それに衝撃を受けながらも指をくわえて見守るしかない日本のメーカー、落ちぶれたものである。”とまで大前氏は言っている。

詳しくはPresident誌をお読み頂くしかないが、大前氏は我が国の給与制度を批判し、且つ警鐘を乱打していると私は読んだし、尤もなところもあると思った。だが、ここには既に指摘したように「企業社会における文化と歴史の違い」が断固として存在すると思う。大前氏がそこを知らずして論じているとは思わないが、現状のままで何の手も打たない、動かない訳にないかんi事態にまで来ているには確かだろと思う。

一気に結論めいたことをここで言ってしまえば「経営者(私は現在の取締役等の経営の任に当たったおられる方々)は「経営の担当者」であっても、嘗ての何の身分も学歴のなかった方々起こされて経営され、今日の大企業にまで育てられた、自分の資金と責任とリスクでやって来られた方々とは、失礼を顧みずに言えば、まるで違う存在だと思っている。

それだけではない。我が国では少なくともアメリカの製造業ではやっていない事で、ごく普通に大卒の新卒を定期的に採用して各年度事に一定のその年度に相応しい給与を与えている我が国独特の(少しく破壊されつつあるが)年功序列制度があるし、社内のあらゆる部門を定期的に移動させて「ジェネラリストのスペシャリスト」に育て上げて、将来組織の上に立った時に社内の隅々にまで精通した経営担当者に仕上げる文化がある。

アメリカでは銀行と証券業界は別のようだが、新卒を採用し、教育してなどという悠長なことは考えていない。必要に応じて、新たにjobが生じれば副社長兼事業本部長(GM)の権限で会社の内外から即戦力を採用してその任に充てていくだけだ。給料はそのGMが採用の候補者と話し合って決めるのだから、入社年次も何も無関係だ。


もしも我が国で、新卒を俄に40万円で採用すれば、制度そのものが崩壊すると危惧しているのだったならば、当然だろう。この辺りに経営担当者の方々が如何に知恵を絞って、時代の変化と外圧に対抗されるかではないのかな。

それだけではない。我が国の会社にはアメリカの会社には先ずあり得ない「福利厚生」の制度が整っており、例えば地方に転勤させれば借り上げでも何でも社宅が準備されている。会社は山荘を持っているし、テニスコートやサッカーやラグビー場もあるという具合に整備されている。もっと言えば、役職手当、通勤手当、住宅手当等が支給されるが、アメリカでは「本給」というか年俸以外には一切何もない。だから、年俸の総額が多くなるのだ。



どちらが手厚いかと言うか、総額を考えれば我が国が決して低いとは言い切れないとも言えるのではないのか。だが、向こうはjobが宛て即戦力を雇っていく世界である。同日に論じては誤りだ。以前にも指摘しておいたが、期中にmanagerの肩書きを貰っても、それでその場で年俸が増える訳ではないのだ。増やす為にはその年の実績が十分に上がっていなければならないのだ。



一寸アメリカでの蓄財というか福利の例を挙げておけば、州の内外で多くの工場長を務めた技術者は「転勤の度に住宅を買っては売ってきたのだったが、それが丁度運が良いことに住宅バブルの時期に当たり、かなりな額の売買差益を生じて今やリタイヤーする後でも後顧の憂いがないほど蓄えが出来た」と語っていた。これは例外だろうが、彼らはリタイヤー後に備えて株式投資に励んでいるので、株価の上下の変動に極めが敏感に反応し、日本人が株式に手を出さぬ事を訝るのだ。



とは言ったが、世界の情勢は別にしても現在の我が国における給与水準の停滞は極めて好ましくないと思う。私は今や経営をご担当の方々とお目にかかる機会もないのは残念だが、ある私と同学年で某社の社長を務められた方が「経営者の劣化?」と決めつけられたのには、一理も二理もあると思って承った。



だが、自分でも経験したことだが「文化も思考体系も歴史も、人そのものが違い外国の会社にお金に目が眩んで(?)出て行くとことの危険性は予め十分に検討しておくべきだし、先達の意見も聞いておく必要がある」と思う。それとは話が違うが、我が国にはもう少し職の移動の自由が普及していく必要がある時代が直ぐそこまで来ていると思っている。だが、経験してみないことには解らないことで、「会社を辞める」というのは一大事であり、私は神経を使い果たしたものだった。


世界で給料が高騰、取り残される日本人

2018-02-11 10:58:21 | コラム
大前研一の「日本のカラクリ」より:

これは、President誌の2018.3.5の86ページにある大前氏の連載の見出しである。小見出しは“ファーウエイ日本法人の募集「初任給40万円」となっている。内容は受け止め方によって衝撃的でもあろうし、「何を今更」とでもなるかも知れない。だが、私は極めて深刻に大前氏が鳴らした我が国の(上がらない?)給与とその体系(というか企業社会の文化)に対して発した警告とである読んだ。

なお、ファーアウエイとは言うまでもなく中国の深圳に本社を置く華為技術(HUAWAY Technologies)電気通信機の世界的大手で、売上高が2,400億元(13年度)従業員18万名の企業である。ソフトバンクホークスの帽子にはそのロゴとHUAWAYの表示があると気付いておられる方もあるかと思う、日本法人もある会社だ。

大前氏の警告の内容に触れる前に、今となっては10年以上も前のことで、未だアメリカでスタンフォード大学のビジネススクールの教員だったYM氏に何度も聞かされた危機説というか嘆きをもう一度紹介して、今日かかる状態が発生するだろう芽があったことを嘆いておきたい。

YM氏が一時帰国した時に何度か聞かされたことが「韓国の某電機会社(社名を言うのは野暮だろう)が、我が国の大手電機メーカーの有力な技術者を高給で引き抜いており、その技術(ノーハウ)や skill(腕前か熟練度)を学び取った後では遠慮会釈なく辞めさせているし、中には我が国の会社に止まったままで土日だけ来社させて使っている。こんな事を何時までも黙認していれば、何れ我が国は技術立国などと言っていられない状態になる。彼らに原材料を提供しているから我が国と離れられないなどと多寡を括っているとしたら大いなる誤りだと、アメリカの経済学者たちは見ている」というものだった。

YM氏が更に付け加えて言っていたことが「今やアメリカ中何処の空港に行っても出ているネオンサインや看板は SamsungかHyundaiかKiaのものばかりで、我が国の企業のものなど目に入らない時代となっている。こういう現象をどう判断するかだ」だった。新興勢力と出来上がった工業国との違いはあると思うが、何時までも現在の地位に立ち止まってはいられない時期だとの冷厳な事態を表している気もした。

この件などは今となっては公知の事実というか広く知れ渡っていると認識しているが、当時はこんな事を語って見ても「まさか。そんな危険性はないだろう」という反応が普通のことだった。ここから先はある程度以上、我が国との間に存在する欧米の諸国や韓国のような苦悩する新興勢力との「企業社会における文化の違い」が現れてくるが、私は現状は総理が財界に求められている3%程度の賃上げで済む事態では到底ないと考えている。

大前氏は“華為技術の日本法人が大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めた。厚生労働省の調査によれば日本の大学卒初任給の平均は約20万円(17年)。日本企業の場合はエンジニアであろうと事務職であろうと初任給は基本的に変わらない。日本企業の平均の約2倍で募集をかけた「ファーウエイショック」に「優秀な人材が流れてしまうのではないか」と戦々恐々の日本企業に対してファーアウエイジャパンの広報は「優秀な人材を採る為のグローバルスタンダードだ」とすまし顔だ。”と書かれている。

更に“本社のエンジニアの初任給が幾らかといえば、日本円で月額約83万円。日本で募集した初任給の倍である。要するに今やエンジニアの人件費は中国よりも日本の方が圧倒的に格安で、ファーアウエイはバーゲン価格で募集をかけている訳だ。中国の半分の給料を「高給」と思って飛びつく日本の技術者。それに衝撃を受けながらも指をくわえて見守るしかない日本のメーカー、落ちぶれたものである。”とまで大前氏は言っている。

詳しくはPresident誌をお読み頂くしかないが、大前氏は我が国の給与制度を批判し、且つ警鐘を乱打していると私は読んだし、尤もなところもあると思った。だが、ここには既に指摘したように「企業社会における文化と歴史の違い」が断固として存在すると思う。大前氏がそこを知らずして論じているとは思わないが、現状のままで何の手も打たない、動かない訳にないかんi事態にまで来ているには確かだろと思う。

一気に結論めいたことをここで言ってしまえば「経営者(私は現在の取締役等の経営の任に当たったおられる方々)は「経営の担当者」であっても、嘗ての何の身分も学歴のなかった方々起こされて経営され、今日の大企業にまで育てられた、自分の資金と責任とリスクでやって来られた方々とは、失礼を顧みずに言えば、まるで違う存在だと思っている。

それだけではない。我が国では少なくともアメリカの製造業ではごく普通なことで、大卒の新卒を定期的に採用して各年度事に一定のその年度に相応しい給与を与えている我が国独特の(少しく破壊されつつあるが)年功序列制度があるし、社内のあらゆる部門を定期的に移動させて「ジェネラリストのスペシャリスト」に育て上げて、将来組織の上に立った時に社内の隅々にまで精通した経営担当者に仕上げる文化がある。

新卒を俄に40万円で採用すれば、制度そのものが崩壊すると危惧しているのだったならば、当然だろう。この辺りに経営担当者の方々が如何に知恵を絞って、時代の変化と外圧に対抗されるかではないのかな。

それだけではない。我が国の会社にはアメリカの会社には先ずあり得ない「福利厚生」の制度が整っており、例えば地方に転勤させれば借り上げでも何でも社宅が準備されている。会社は山荘を持っているし、テニスコートやサッカーやラグビー場もあるという具合に整備されている。もっと言えば、役職手当、通勤手当、住宅手当等が支給されるが、アメリカでは「本給」というか年俸以外には一切何もない。だから、年俸の総額が多くなるのだ。

どちらが手厚いかと言うか、総額を考えれば我が国が決して低いとは言い切れないとも言えるのではないのか。だが、向こうはjobが宛て即戦力を雇っていく世界である。同日に論じては誤りだ。以前にも指摘しておいたが、期中にmanagerの肩書きを貰っても、それでその場で年俸が増える訳ではないのだ。増やす為にはその年の実績が十分に上がっていなければならないのだ。

一寸アメリカでの蓄財というか福利の例を挙げておけば、州の内外で多くの工場長を務めた技術者は「転勤の度に住宅を買っては売ってきたのだったが、それが丁度運が良いことに住宅バブルの時期に当たり、かなりな額の売買差益を生じて今やリタイヤーする後でも後顧の憂いがないほど蓄えが出来た」と語っていた。これは例外だろうが、彼らはリタイヤー後に備えて株式投資に励んでいるので、株価の上下の変動に極めが敏感に反応し、日本人が株式に手を出さぬ事を訝るのだ。

とは言ったが、世界の情勢は別にしても現在の我が国における給与水準の停滞は極めて好ましくないと思う。私は今や経営をご担当の方々とお目にかかる機会もないのは残念だが、ある私と同学年で某社の社長を務められた方が「経営者の劣化?」と決めつけられたのには、一理も二理もあると思って承った。

だが、自分でも経験したことだが「文化も思考体系も歴史も、人そのものが違い外国の会社にお金に目が眩んで(?)出て行くとことの危険性は予め十分に検討しておくべきだし、先達の意見も聞いておく必要がある」と思う。それとは話が違うが、我が国にはもう少し職の移動の自由が普及していく必要がある時代が直ぐそこまで来ていると思っている。だが、経験してみないことには解らないことで、「会社を辞める」というのは一大事であり、私は神経を使い果たしたものだった。