新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

DPRKの非核化

2018-06-12 07:36:44 | コラム
11日の夜のPrime Newsで:

昨11日は芳しくない体調で20時から始まった手島龍一(元NHKの国際問題の専門家なのだろう)、宮本雄二元駐中国大使、山本一太参議院議員の話を起きていられる限り聞いていた。中々聞き応えがあると思っていた。

私が要点だと感じたのが「DPRKを本当に非核化できるのか」が論じられていたことだった。司会の松山が掲げたチャート(フリップではないよ。あれは恥ずべき誤りのカタカナ語なのだと再三指摘してある。試しに flip という単語を辞書で見てご覧あれ)には「対象」、「工程」、「期限」とあった。

対象」とは何を指すのかという問題提起だった。DPRKが「これが当方の核兵器(核弾頭も含めて)一括表で御座います」と言って提示するリストを鵜呑みにするのか。そのリストの載せられたもの以外が何処かにあったとして、如何にして発見するのか。IAEAにそこまでの権限があるのか、またはDPRKが好き勝手に捜索することを認めるのか」という議論だった。もしも隠し持っているタマが残っていたら、どう対処するのかとの疑問だった。尤もだと思って聞いた。

次が「工程」だが、私が既に述べたように「何処を誰がどのように捜索して物を発見していくのか」である。誰が指摘したか失念したが、やり方とDPRKの出方次第では10年かかっても完了しないのではないかという話が出ていた。私は10年は論外としても、工程の期間中には制裁を解除しないのかという問題があると思えてならないのだ。即ち、アメリカ乃至はUNは何処の時点で制裁解除すると予め取り決めておく必要があると思えてならない。

最後の「期限」は工程にも似ているかと思うが、何時までに「CVIDの非核化を終了するのか」という問題だ。発見乃至は提出された核兵器を国外に持ち出せばそれで完了という訳には行くまい。では何処かで無力化するのだろうが、それを何処でやるのかという問題でもある。相手は核兵器である以上、生易しい問題ではないだろう。即ち、そこまでやれば完了であり、その期限を何時までにするかを取り決めておくべきだという議論だった。

こんなに込み入った議論が、12日中にアメリカに帰るという予定を公表したトランプ大統領と金正恩委員長が、簡単に細目にまでわたって合意できるのかという疑問に撞着する。私にも解りそうなことは「12日中に金正恩委員長が兎に角、取り敢えず『非核化する』ことに合意だけして、細目は次回の会談以降で取り決めよう」という辺りまでの決定であろう。しかし、金正恩はそこまでで制裁解除を確約させねばならないのだが、トランプ大統領がそんなに曖昧な決着をする気なのだろうか。そんなはずはあるまい。

会談は後2時間半ほどで始まってしまう。「非核化」と言うだけでこれだけ複雑なのだ。それ以外に「終戦協定」だの「金王朝の体制維持」などなどの議題がある。トランプ様は本当に今日中にアエリカに帰ってしまう計画なのだろうか。もしかすると、今回は「顔合わせだけ」に終わらせるおつもりもりなのか。