新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月29日 その2 ストーリング

2018-06-29 17:45:18 | コラム
負けている方がストーリングとは:

長年色々な団体競技の試合を見てきたが、負けている方がストーリング(stalling)を敢行するのは初めて見た。昨夜の我が代表の対ポーランド戦での出来事(ハプニングではない、念の為)のことである。私は解説者(多分、山口素弘と鈴木隆行だと思ったが)がかなり的確に状況を説明してくれてあったので、事態は解っていたつもりだった。彼らは最後に長谷部を交代で出したのが、全員に伝える任務を帯びていたのだろうと言っていた。

勿論、かなり危険な賭だとは思ったが、ポーランド側もある程度以上我が方の意図を察したのだろうと、リードしている方が後数分を残して無理に奪いにいく必要も無しと判断したのだろう、全く寄せようとか競り合いにいこうとする素振りを見せなかった。結果として極めて間延びした試合になり観戦の興味を削がれたと不快に思われた方はおられただろうと感じながら「早く終われ」と思っていた。

西野監督のこの作戦には当然のように賛否両論があったようだ。しかし、そういう規定がある以上利用するのはフェアーであるとは思っている。だが、私はあの6人替えにはそれほど賛成できなかった。簡単に言えば「それでなくとも決定力不足なFWにW杯初登場の武藤を出して一層不足する事態に追い込んだし、槙野如きを出した為に彼のサイドであの失点が生じたし、放っておけばゴールキックになるパスに頭を出して危険極まりないCKにしてしまった判断の悪さを見せた」辺りが不満だった。

私は矢張り「香川と柴崎を並べた上で本田を言わばジョーカーで残し、指導力がある長谷部を出しておく布陣で行くべきだった」と未だに思っている。マスコミにも「川島が良いセービングでテイームを救った」というように賞賛する傾向があるが、彼の前に出る判断の遅さと位置取りの悪さは救いようがないと思っている。補欠で連れて行った東口か誰かを使ってみる手はあったと思う。だが、それとても危険な賭だったかも知れない。

次の相手はベルギーがそうだが、夜中の11時や12時の試合開始でない方が有り難い。先ほどもソファーに横になって日大問題の第三者委員会を記者会見を見ている間に、何と昼寝になってしまった。


イエローカードの差で

2018-06-29 08:02:57 | コラム
ポーランドに負けてもグループリーグを突破:

いきなり結論を言えば「我が国独特のフェアープレーがここまで有効でものを言うとは予期していなかった」となる結末だった。

昨28日夜のW杯サッカーの対ポートランド戦は非常に不安な思いで観戦していた。それは試合開始直前になっても一向に「閃き」がやって来なかったからだ。それは通常は引き分けか負けを暗示するのだが、幾ら待っても「勝つ」という姿が見えてこなかったのだ。思うにその最大の理由は西野監督が何故か先発メンバーを6人も入れ替えただけではなく、私が評価していない川島を残し、これも駄目だと決めつけている槙野や酒井高徳を入れて、香川も長谷部も外したことにあったのだろう。

私にはその意図を全く汲み取れなかった。解説の誰かが「次を考える時に、これまでの2試合に先発した者たちの疲労感を考慮した」と言っていたが、私には取って付けたようにしか聞こえなかった。大事な一戦にそれまで補欠扱いをしてきた者たちを使う勇気と大胆さと無謀さ?を、私には評価できなかった。まさか、あの6人には折角選ばれてロシアまで来たのだから「思い出作り」で使おうかという温情かも知れないとも考えた。きつく言えば、そんな温情を考えている場合ではないと思った。

試合としては技術的に余り見るべきものがない詰まらない内容だったと思う。だが「何時我が方が1点でも取ってくれてアナウンサーが喚く『引き分けでも』に持って行けるか」だけを楽しみにして見ていた。しかし、試合が進むにつれてそれははかない希望的観測に終わるのではないかと思うようになっていた。それは武藤や岡崎には大迫程度を凌ぐ力がある訳でもなく、岡崎は兎も角、特に武藤は折角出して貰えたのだから目に物見せてやろうといったような気迫が全く感じられなかった。

ポーランドにしたところで本当にこれがFIFAの8位だったかに評価されているとはとても思えない無為無策のサッカーで、身長が高く体が大きいことを活かして比較的には小柄の我が代表たちに当たって押し倒すだけしか能がないようにすら見えた。レバンドフスキなるブンデスリーガの得点王もカメラの撮り方が下手だったせいか、何処にいるのかも解らず、ほとんど機能していなかったと思った。それでもあのFW2名と、柴崎が余り機能しないように押さえ込まれていた感があったので、引き分けでも難しいのではないかと、段々不安になっていった。

結局のところ、あの2戦で機能していたメンバーを外してしまった為に長友も活きず、酒井宏樹は攻めに回った時は相変わらず不正確な球出ししか出来ず、途中から入れた大迫も乾も機能しないうちに「イエローカードの差」でのグループ抜け出しが見えてきたので、後陣でのパス回しで逃げ切りの作戦に入ったので、テレビを通しても観客の「ブーイング」が聞こえるような展開になってしまった。こんな試合は初めて見た。

どんな形でも勝ち抜ければ良いのであって、私がW杯が始まる前に予想した「一度でも勝てれば良くやったと褒めて上げよう」どころではない成績を残したのだから「君たちは立派だった。よくぞそこまでやってくれた」と心から褒めて上げるべき結果を出してくれたと思う。昨夜のポーランドのように何処まで本気だったのかが最後まで見えなかった相手と試合をするのは大変だったと思うが、兎に角16強に残ったのは偉かったし、急に監督を引き受けた西野朗氏にも感謝すべきだと思う。