新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

第2回トランプ大統領対金正恩委員長会談

2019-02-27 07:51:23 | コラム
予測も期待もせずに結果が出るまで待つ積リ:

いよいよ、本27日の夕刻からトランプ大統領自らがTwitterによる鳴り物を入れてしまった会談がハノイで開始される。最初から逃げ口上を打っておけば「名にし負う“unpredictability”を誇るトランプ大統領のことであるから、乏しい知識から絞り出して何らかの結末の予測を語るなど無意味だと思っている。だが、諸専門家筋の予見では、トランプ氏が既に匂わせておられたように「アメリカ側の何らかの譲歩があるのでは」ともなっているようだ。

また、何名かのアメリカ問題の権威とみられている専門家の中には「何処が落とし所になるのか」という見方も出ていると聞いている。私は経験上から言うのだが、これは不可思議なことだと受け止めている。アメリカ側が外国に出向いて大きく且つ重要な(ビジネス上の)会談に望む場合に、余程のことがない限り(かなり地位が低い権限が限られている者が出てくる場合を除けば)その主張を交渉相手に受け入れさせるのみが使命であり「落とし所を探って妥協しても良し」などと認めれていることなどあり得ないのだった。

それが、この度の第2回目の会談はトランプ大統領が“summit”と言われたように両国の首脳の会談である。その首脳が「落とし所を探り合う」などとは、私にはとても考えられないのである。更に、何らかのアメリカ側の譲歩を引き出したいはずの金正恩委員長が折れて出て、何らかの意味での具体性を持たせたかに見える「完全なる非核化」の初期段階となる提案を見返り無しに提案する可能性は低いという程度は予測できそうだとは考えている。

しかし、我が国が何度となくDPRKと同じ民族である韓国に、過去において条約で取り決めた事柄を政権が変わる度に実質的に(国民感情が許さないなどを根拠にして)破棄するか、無かったことにされてしまった悪い例が何件あったかを考慮すれば、トランプ大統領が朝鮮民族のかかる性癖を十分に配慮された上で折衝して頂きたいものである、仮令2020年の選挙が近くなってきたという条件があってもだ。

私は仮にだが、両首脳が事務方の事前の議題の摺り合わせがあったにもせよ、譲歩するか否かで腹の探り合いになってしまった場合には、かなり興味深い展開になると思う。即ち、アメリカ合衆国に大統領になられたトランプ氏は自社のCEOとは比較にも何にもならない広大且つ強大な権限を得て、自らの考え通りに内政を運営されて、マスコミ等の誰が“unpredictable”などと揶揄しようとも、自らの意思と意向で押し切ってこられた。その手法を外交面で採られても、ここまで言わば無敵に近い進行状況だった。

そこに小国ながら祖父からの3代続いた絶対権限を保持し、最側近や兄と雖も処刑してしまった絶対的存在の金正恩委員長が、アメリカの大統領を相手にして易々と何らかの譲歩をしたと国民に見せようとするのだろうか。それに彼らはこれまでにも度重なる約束不履行の実績がある。譲らない丁々発止も会談になるのか、一部で見込む何らかの譲歩が結末になるのか、両首脳の交渉力と手腕に期待して、矢張り“wait and see”に徹していようと考えている。