新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

フットボール界の西高東低

2014-12-17 07:42:21 | コラム
昨年の12月15日の私のブログには:
1年前のブログでも指摘していたことだが、西高東低は続いている。14日の日本大学フェニックス対関西学院大学ファイターズの甲子園ボウルでは、昨年に続いてフェニックスのエースQBは関西の大阪産業大学附属高校出身の高橋だったのに対して、ファイターズは関東の中央大学附属高校出身の斉藤だった。

西高東低というが、フェニックスが関西の有力高校出身者を昨年の1年生の時から起用し、ファイターズは完投ではそれほど強豪とは聞いたことがない中央大学附属高校出身を立派に鍛え上げていたのが妙に印象に残った。この現象も西高の部類に入るのだろうか。

ご参考までに昨年のブログを再録しておくので、ご参照を。

>引用開始
甲子園ボウルは関西学院ファイターズの三連勝:

15日にはこれで3日連続でこのアパートの朝の室温が20度を切っていたので、「外はさぞかし寒いのだろう」と無理をすることなく室内に籠もって、13時からの甲子園ボウルの中継を待っていた。今回は1990年までで甲子園ボウル制覇から遠離っている日大フェニックス対二連覇中の関西学院大学ファイターズの対戦なので、ある程度以上の期待を持って見ていた。

しかし、残念ながら1年生で身長168センチのQBを始めとして主力選手に1~2年生が多いフェニックスは、「来年以降に期待しよう」と無理矢理に敗戦を合理化せねばならないような状態で、実力差が余り得点差に表れないような形で終わった。

当方が熱心に大学フットボールを観戦していた2,000年以前には、関東勢の言うなれば力と身体能力任せの現在のような荒っぽさが目立たず、関学や京大や立命館等に代表される関西勢と対等ないしはそれ以上に戦っていたものだった。しかし、時の流れと共に関西の緻密且つ理論的に鍛えられたフットボールとの間に質の差を生じてきて西高東低になって来ていたと思って見てきた。

今年のフェニックスも評判では優秀な素材を集めて鍛え上げ良いティームに育ってきたと、風の便りには聞いていた。そこでそれなりの期待をして観戦したのだ。だが、簡単に言えば来年以降は今年の主力を為していた1~2年生の成長に期待しようと言いたくなるような形で、関学の鍛え上げられ且つフェニックスを十分に研究してきた堅守の前に試合終了間際にタッチダウンを1本記録したに止まった。

見終わって極端な表現をすれば、「日大と関学の間にこれほど歴然とした力のさがあった試合を見たのは初めてのことだった」と嘆きたくなったほど「西高東低」が歴然としていたのは大いに残念至極だった。関西学院は「甲子園ボウルの制覇が最終の狙いではなく、2年連続で敗れた正月のライスボウルの制覇を目標にしている」と鳥内監督が勝利監督インタービューで語っていたのが印象的だった。
<引用終わる

フットボールの話し

2014-12-16 16:26:44 | コラム
ジャパンXボウルをテレビ観戦して:

これはフットボール社会人Xリーグの頂点を決める試合のこと。

昨15日は富士通対IBMの試合をテレビ観戦した。近頃はフットボールの観戦どころか何処が強いのかにも関心が薄れ、IBMが出ているのに「まさか」と驚いていたような次第だった。しかもNHKの中継が始まって両方のQBがアメリカ人と知ってもっと驚かされた。なるほど、世の中はこのように変化してアメリカから日本の社会人リーグにフットボールプレーヤーが参加するようになっていたかと、今頃になって知らされてしまった。

アメリカ人が加わっている辺りは、先頃世界から締め出されかかっている国内の二つのバスケットボールのリーグの一つ、BJリーグの選手構成に似ている。あそこには、アメリカのプロリーグであるNBAまでには行けなかったか、これからそこを狙っているようなアメリカ人が数多くいるのだ。

昨日、特に印象的だったのがIBMビッグブルーのQB・Craftが、かのNCAA(全米大学体育協会)の名門UCLAの出身だったという点だったっし、富士通のCameronがルイジアナ工科大学と同じくNCAA経験者だったこと。私の興味と関心は、この両QBがただ単にアメリカの大学での経験者に過ぎないか、あるいはその優れた能力で両ティームを決勝戦に導く原動力となっていたかのかにあった。

さて試合が始まってみればクラフト君は意外にもキメの粗いパスを投げるQBで、あっと言う間にインターセプションの憂き目に遭い富士通に先制のTDを与えてしまった。実はこれまでに見てきた限りでは学生としての実績があった連中も社会人となっては練習量が足りず、極言すれば重く且つ肥大した体格と体力で学生王者との対決である正月のライスボウルを制覇してきたかの感があった。

換言すれば、14日に日大フェニックスを大差で退けた関学ファイターズのような緻密であり精密に鍛え抜いたプレーとは一見やや異なるかのような体力勝負をしているようにも見えた。また、アメリカ人のQBにも肩の力が強いなと思わせてくれた以外には「流石、本場アメリカ」という感銘を与えてくれなかった。だが、ルイジアナテック出身のキャメロン君の方が堅実なゲーム運びで、何とハーヴァード出身という強力なRBゴードン君の突破力を十二分に活かして富士通を悲願の優勝に導いてしまった。

再度敢えて極論を言えば、社会人は大学自体に蓄積した高度な技術に体力を組み合わせていたということ。彼等のプレーが決して精密さを欠くというのではなく、果たして関学のような鍛え上げた機械のようなフットボールをどうやって退けるのかなどと考えながらテレビ観戦していた。当然、関学は全員ででも東京ドームまでスカウティングに来ているか、何台ものカメラを駆使して富士通のプレーを撮って分析にかかっているだろうから、両者の対決は見物だろうと思わせてくれた。

大学の難しさは「如何に学生たちを鍛え上げても、4年間で入れ替えになってしまう」という点にある。一方の社会人には昨日も33歳という10年以上の経験者もいたように努力と自覚次第では「何歳になっても成長し上手くなっていける」という利点があるのだ。しかも富士通の監督の藤田智は京大時代にはQBだった経験持つ有名なコーチとしての実績がある。

惜しくも敗れたIBMの監督の山田晋三も関学でも社会人でも一時代を築き上げたLBだった名手で名コーチだ。こういう連中の指導を受けていれば社会人になっても進歩するものなのである。このような長年の蓄積と、短期の4年間で仕上げた上に1年生まで入れてくる大学との対決は、ここ数年間社会人が勝ち続けてきた。

また、今回も目立ったことは「あー、良いプレーだ」と解説の関学のQBだった有馬も褒めたような場合に、その選手は先ず関西の大学、例えば立命館であり、関学であるのも、先日述べた「西高東低」を如実に表していたと痛感させられた。勿論、両ティームには日大や筑波や提供の出身者はいたが、遺憾ながら中心選手ではなかった気がするのだ。

病気を抱えてしまった私には正月三日の対決を最早東京ドームまで見に行く意欲はない。それは、あれほど空気が良くないと感じさせられる環境に数時間でも座っていて、風邪でも引いては命に関わると危惧するからだ。

アギーレ監督が告発された

2014-12-16 07:34:52 | コラム
サッカー協会の大失態になりはしないか:

今朝は各紙・各局が一斉にアギーレ監督がスペインで告発された件を採り上げている。私はサッカー協会がこの八百長問題が発生した後からアギーレ監督の招聘に動き出したと報じられているのを聞いて、所謂身体検査に不備があったのではないかと疑いだした。

私はこれまでに何度か「イチロー君がマリナーズのでの全盛期の契約には『ホームラン王を獲った場合には』との条項があった」と論じてきた。これは「アメリカ人の契約の精神には、およそあり得ないことを盛り込むものだ」との指摘だ。

そこで今後重大な問題になりかねないと危惧することがある。先ずは最悪の場合で協会がアギーレ監督の解任した場合だ。彼に不当解任だと訴訟を起こされはしないかということ。即ち、協会側が「解任の権利を留保する」との条項を契約に入れていたかである。しかも、解任に値する場合の項目が列記されているのだ。さらに、アギーレにかかる契約を了解させていたかである。

協会側には顧問弁護士がおられるようだから、そういう場合に如何に対処するかは織り込み済みであれば良いのだが、訴訟に関する考えが我が国とは非常に異なっている外国人が相手のことであり、今後は協会が事を如何に運ぶかに細心の注意が必要になるのではないか。

私は僅かな期間だったが、あの監督の手腕に感銘を受ける機会がなかったことを極めて残念に思っている。昨日発表されたアジア選手権用の23人を見ても前監督の時代の残り香ばかりで、新鮮味を感じさせるのは武藤嘉紀だけと思わせられるのも遺憾だ。テレ朝だったかは暫定の監督の候補まで論じていた。そう言えば、4日に出会った元全日本学生代表だった人は同学(同じサッカー部)出身の原専務理事の監督選びに疑問を呈していた。

総選挙

2014-12-16 07:07:41 | コラム
毎度のことだが投票率が低い:

最早一昨日のことになってしまったが、午後4時過ぎに投票所に出掛けた。実は、その時刻まで甲子園ボウルを見ていたのだった。毎回同じことで、その方向に歩いて行くのは中年以上の夫婦ばかりで、ついぞ若者を見かけたことがない。中に入っても同じことで、スポーツクラブと同様に老人クラブの趣だ。

この投票所の周辺はKoreatownとは離れた住宅地帯であり、築26年の我がアパートなどは毎年シニア-会と称する老人クラブの加入者が増えていく一方だ。どうやら年齢が高くなればなるほど投票に出掛ける人が多いようだし、若者の数も少ないのかも知れない。

若者は政治に関心がないのか、民主主義の為に投票するべきだという観念がないのか、あるいは投票せよという教育を適切に受けていないのか、あるいはこれらの全てなのか、今や彼等との日常的な接触がなくなった私には解らない。だが、褒められた現象ではないと思う。いや、芳しくない。

それでも、我が東京一区の有権者にはそういう認識があったのか、海江田万里民主党代表を落とした。それが中高年の政治意識なのか、少しでも若者の意識が3年余りの民主党政権の失政に懲りたことにあったのか、その辺りが知りたいものだと考えながら開票結果を眺めていた。

的外れなアンケート調査

2014-12-15 13:46:57 | コラム
安倍政権に望むことが景気対策だそうだ:

マスコミがしきりに行うアンケート調査(誤った表現である。「世論調査」と言う方がまだ良い)で最も多い答えが景気対策だと報じていてる。私はこういう尋ね方をする方もする方で、答える方も如何なものかと思う。間違いであろう。如何に安倍政権が立派な内閣であっても、総理以下が直接市場に乗り出して懸命且つ具体的に景気浮上に努める訳ではないと信じている。

以前にも指摘したことで景気浮上は企業、就中、経営者が最善の努力するべき事であり、如何に多くの経営者の質の劣化があっても、彼等がその責務を負っていると承知していないとは思いたくない。「成らぬは人の為さぬなりけり」ではないのか。政府の公共投資で潤う業種などは限定されているとは何度も立証されてきたこと。

私は企業側が一意専心すべきことは多いと思っている。順序不同で列記していけば(卵が先が鶏かという理屈ではない)、昇給、人員配置と生産設備の合理化、エネルギーコストの合理化、販売価格の合理化(必ずしも値下げではない)、新規市場の開拓、製品の品質改良と改善、時代に適合する新製品の開発、究極的には雇用の増大、陳腐な言い方で恐縮だが国際競争力の向上と強化、為替対策等々と枚挙に暇が無い。

利益が挙がらないから、人員を縮小したいから、自らの地位を安泰のところに置きたいから、政府の対策を待ちたいから等と経営者が考えていたり期待していたとすれば、それでは本末転倒である。勿論、私でさえもアメリカのように経営者に権限があり、労働市場に流動性があれば思いきったリストラや不要不急設備の売却や合理化と言うか、過剰設備の廃棄等の手法に打って出られるだろうし、M&Aや経営統合や業界再編という手段もある。これらが我が国の経営の風土に合わないくらいは承知で言っている。

既に述べたことで、アメリカの世界最大の製紙会社”International Paper”等は2007年に経営体質転換と称して、アメリカ国内の製紙業からほぼ撤退し、これから先の成長が期待出来ると称する”Brics”を主たる新規投資先として、従来の売上高を維持して見せたし、利益も確保している。私は何もこの模倣をせよと言うのではなく、こういう工夫があっても良くはないかと言いたいだけである。現に我が国でも立派に経営体質転換を果たした会社があるではないか。

そこまでやらずして、非正規雇用を増やしてみたり、円安インフレに手を拱いているようでは仕方がないということだ。そして、無責任なマスコミにアンケートなどさせて、景気浮揚が政府の責務であるが如き論調を許すようでは、経営責任を果たしていないとみなさざるを得ない。私が1997年に業界の専門誌に連載させて頂けたコラムの第1回目の題は「何でもありの時代」だった。これからも「何でも可能なことが起きる時代」は続いていくだろうし、それの備えが必要だ。

ICT化などがこれほど進んでしまった現代では、これから先には何が起きるかなどは予測できるわけがない。そこをにごく短期的先を何とか読み切ってでも、経営を建て直していく為に経営者たちはそれなりの高額の年俸を得ているはずだ。自分から打って出て、自らの会社の手で景気浮上を模索していくべきではないのか。一般市民も無責任なマスコミの調査などに乗せられないで欲しいのだ。

彼等国民の皆様も「自らが景気浮上の責務を担う一員」との自覚を持って働いて貰いたいと望むのは誤りだろうか。いや、そんなことはあるまいと信じている。アベノミクスは政権担当者がその景気対策の軌道を設置しているだけではないのか。