新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ドナルド・トランプ氏の言葉遣いを分析すれば

2020-10-25 11:15:05 | コラム
トランプ大統領は何故乱暴な言葉遣いで支持層に語りかけるのか:

私はこれまでに繰り返して「トランプ大統領が“swearword”(汚い言葉)まで使って支配階級では使わない表現で、その支持層に語りかけておられる」と指摘して来た。だが、何故そのような語り口になるかの理由を詳細に述べてこなかった。そこで、今回はその辺りを分析して、アメリカという国の社会を構成している階層がどのようになっているのかを、私の22年半に及んだアメリカの大手製造業に勤務して知り得た実態を述べていこうと思う。恐らく、アメリカの会社に勤務された同胞で、私と同じような経験を積まれた方は極めて少ないか、あるいはおられないかと思っている。

第一に、これも繰り返しになるが、1994年7月に当時のUSTRの代表だった(俗に我がマスコミが「猛女」と呼んだ記憶がある)カーラ・ヒルズ大使の名言「対日輸出を増やそうと思えば、アメリカは識字率を向上させ、初等教育を充実させる必要がある」を挙げておきたい。当時でも今でも「まさか世界最大の経済大国で、先進国の先頭を走るアメリカでそのようなことがあるまい」と言われる方は多いと思う。だが、遺憾ながらこれは紛れもない事実なのである。私は経験上からも敢えてそのように断言する。

ヒルズ大使が名指しておられたのは、トランプ大統領が“working class”という表現で表された、彼の岩盤の支持層の主体である工場の労働者(即ち、職能別労働組合員)のことなのである。そこにはヒルズ大使が指摘されたような、初等教育も行き届いていない白人もいれば、少数民族も混じっているし、英語など解らない移民の集団も入っているのだ。このような実態である事は、我が国の方々には容易に理解できないだろうが、これは紛れもない事実なのである。

私はこれまでに「彼等労働組合員たちは法律で保護された存在で、会社側とは別個な組織であり、そこから会社側に移籍することは先ずあり得ないのだ」という点も繰り返して述べてきた。我が国のように新卒で入社して、先ずは組合員として工場勤務で経験を積むという文化はアメリカにな存在しないのだ。それだからこそ、アメリカの生産現場には初等教育も十分に受けていない者たちの為に仕事のマニュアルが常備されていて、彼等はそれに従って仕事の手順等を覚えていく建前だ。しかしながら、識字率に問題があってはマニュアルも役に立たない場合が屡々生じるのだ。

しかも、彼等は時間給制度であり、その時間給も年功序列で仕事の難易度が上がっていくのに伴って、自動的に近い仕組みで昇給していくのだ。即ち、極論をいえば「努力しなくとも、時が経てば昇給もするし、良い仕事を任されるようになる」のである。より解りやすく言えば、兎に角製品の質について十分な注意を払わずとも何とか製品を作り出していれば、生活が成り立っていくようになっているのだ。しかも、身分は恐らく一生涯労働組合員のままであるから、我が国の社員のような向上心などはかなり希薄であると言えると思う。

ここまでで何が言いたかったのかといえば、「こういう仕組みの中で言われた通り(マニュアル通り)の仕事さえしていれば良いというのが、極端に言った場合の労働組合員たちの物の考え方である。だが、こういう姿勢で製品を生み出されては、極めて品質に対して厳格で細かい点まで揺るがせにしない、アメリカの市場とは比較にならない難しい日本市場には、アメリカ製品は容易に通用しないのである。日本の市場に対しては「そんなことまで」と驚かされるほど細かい点に細心の注意を払った製品を送り込まないことには、受け入れては貰えないのだ。

これも何度も回顧したことで、私と技術サービスマネージャーのL氏は日本市場の品質と価格に対する厳格で細かい要求に合わせる為に、大いに苦労したものだった。そして、先ずは副社長の司令もあって、先ず私から先に組合員たちに「君等は非常に良く努力して貰っているが、もう一段品質改善の為の努力と技術の向上を図って貰えば、我が社の日本市場における占有率も高まる。それ即ち、我が社の我が事業部と君等の“job security”に大いなる貢献をして、将来を安定させるのだ」と説き聞かせた。

私の英語力というか表現力は会社側の中にあっては十分にnative speakerたちと遜色無しと認められていた。そこで、私も自信を持って組合員たちに語りかけたのだが、介添え役で付いてきてくれていた本部から工場に管理職に派遣されてきていた技術者が「今、彼が言ったことの要点は此れ此れ然々である」と、一々組合員たちに噛んで含めるように補足説明していたのだった。即ち、本部ではものの役に立っている外国人である私の表現力では難しすぎて、組合員たちには十分に通じていなかったということだ。これには驚かされたし、落胆もした。

更に知り得たことは、組合員の中にいたベトナム難民の者の質問は、私には一度聞いただけでは理解できなかったのだった。介添え役の通訳を待って答えられた。また、白人の組合員たちの言葉遣いはかなり乱暴で、一般論としていえば“swearword”などは当たり前のように出てくると思っていたら良いだろう。だが、何回も彼等との語り合いというかスピーチと質疑応答を繰り返せば、そういう言葉遣いには慣れてくるものだ。要するに、彼等向けの語り方があるということだ。

私は資本家であり経営者だったはずのトランプ大統領が、このような労働組合員たちどどれほど交流されたかなどは知る由もない。だが、あの明らかにプーアホワイト以下の少数民族までを含めた支持層に語りかけておられる際には、意図的に決して上品とは言えない言葉遣いになっているのは仕方がないことだと思って見ている。彼等に難しい理論だの政策だのを説いて聞かせて理解するかと言えば疑問だと思う。だからと言って、バイデン氏を罵り合いに持ち込まれることが上策かとも思えないのだ。だが、支持層を惹き付けておく手法として仕方があるまいと見ている。

私は工場で何人かの管理職から聞かされた嘆きは「確かに我々は組合員の為にマニュアルを作成してある。だが、彼等の中には読めない者もいるのまた事実だ。だが、もっと困ることは読んだふりをする者がいることだ」だった。この辺りが1994年にヒルズ大使が指摘された問題点と符合している。では、あれから26年も経った21世紀では事情が変わっているかだが、トランプ大統領が支持層に向かって語りかけられる言葉は決して品格があるとは言えないのだ。現に、トランプ大統領があれほど忌避される不法移民は増えているではないか。これがアメリカの現状だと思うのだ。


10月24日 その2 その後の迷惑メール

2020-10-24 11:20:59 | コラム
不定期の襲来となった:

一時は日に600本も来ていたほどあれほど荒れ狂っていた(?)迷惑メールは9月31日で終わったようで、毎朝処理する手数が省けただけで結構なことだと思っていた。当方は勝手に発信元がサッパリ効果が挙がらないので諦めたのか、OCNが防御策を強化したのかくらいに気楽に受けとめていた。それまでは、アマゾンだの樂天のカードだの何のと言う純粋な迷惑メール(と言うのもおかしな表現だが)を削除して、猥褻メールだけを数えていた。数え終えた後で、全部を一括して削除していたのだ。

ところがである。去る21日からまた全部同じ文章で送信者が女性のファーストネームの猥褻メールが小規模に復活してきたのだった。だが、その数は20、17、24という程度だった。そこで、昨日はどれほど効果があるか予測できないが、一括して削除するのではなく、1件ごとに削除する戦法に出てみた。念の為に申し上げておくと、OCNからは一本のメールで知らせて来るので、従来はそれを開いて中身が何本かが分かるのだ。即ち、猥褻メールを数え終えてから、そのお知らせのメールそのものを削除してきたのだ。

その1本毎の削除戦法の効果があったのかどうかなど解らないが、本24日は「迷惑メールのブロックしたお知らせ」のメールそのものが来ていなかったのだ。この「お休み」のような現象はこれまでにもあったことなので、果たして発信元が諦めたのか否かは不明だ。だが、来なければ来ないで鬱陶しさからは解放されたのだった。別に楽しみにしている訳ではないが、明日はどうなるかを待っていようかと思っている。発信元はあんなことをして何が楽しいのだろうか。本当に迷惑な話だ。


第2回目のアメリカ大統領候補者の討論会

2020-10-24 10:46:01 | コラム
討論会なのか支持者向け訴えの機会なのか:

日本時間の23日に開催された最後の討論会は「自らの英語聞き取り能力の衰え」を痛感させられたくないが為に見る(聞く)のを回避して、テレビ報道と夜になってからの「報道1930」と「Prime News」に登場される権威者というか専門の方々のご意見を待つことにした。尤も、夜になる前に、ニュースでは反トランプ派のCNNが53対42だったかでバイデンの勝利だと報じていると知らされていたが、これはニュースでも何でもあるまい。以下は両番組に登場された6人の専門家(果たしてパトリック・ハーランがその範疇に入るかは疑問だが)のご意見の抜粋と、私の感想である。

*引き分けだったか:
TBSに登場された「前回トランプ大統領の勝利を当てられた」と紹介された木村太郎氏のみが「トランプ大統領の圧勝」と言われた以外は、皆「引き分け」の判定だった。私は引き分けというよりも、トランプ大統領は主に自己の非知識階級が構成する支持層に向けて懸命に「俺は君等の為にこれほど素晴らしい働きをしているのだから、安心して付いてこい」と訴えかけたくて、前回とは打って変わった静かな口調でバイデン攻撃に専念していたのだというように聞こえた。

兎に角、トランプ大統領は2分間マイクを切る手法が採用されたとはいえ「やれば出来るじゃないか」と思わせられたほど、強引な割り込みを控えざるを得なかった環境下での、彼としては穏やかな語り口が意外で印象的だった。そうではあっても語る内容は過激で相手を罵っているのに近いという感は否めなかった。

バイデン候補はトランプ大統領のような低層の支持層を目指している訳ではなかったのだろうから、トランプ大統領ほど乱暴な言葉遣いではなかった。より幅広い層に向かって語りかけていたかの印象があった。だが、何としてもトランプ大統領に差をつけている、世論調査の数字を揺るがせてはなるまいという安全運転の姿勢が見えたような気がした。何れにせよ、両者とも広くアメリカの国民に語りかけている訳ではなく、主として支持層の確保の為の討論を展開したと思って聞いた。故に「引き分け」というよりは柔道の「指導」を与えたくなった。

*トランプ大統領の言葉遣い:
私はずっと以前からと言うか大統領就任以来のトランプ氏のやや品位に欠けるswearwordまで使う言葉遣いの乱暴さと“you know”の多用は、「彼の岩盤の支持層であるプーアホワイト、労働者階級、複数の少数民族等々に向けて語りかける為の手法であり、最初からアメリカを支配する上流の階級など当てにしていないことを表している」と指摘してきた。その点をPrime Newsの佐々江元駐米大使、古森義久氏、WSJのピーター・ランダース氏(P. Landers)が指摘されたのは、大いに意を強うした。

その言葉遣いという点ではバイデン候補はアフリカ系の支持率が圧倒的に高いということがWSJの調査で出ているそうだが、ごく普通の語り口だと思わせられたが、前回だったか今回だったか失念したがトランプ大統領を指さして“This guy”と言ったのが印象的だった。“guy”はアメリカ人が使う言葉としてはごく当たり前のものだが、公開の席で大統領に向かって使うのは「如何なものか」とは思わせられた。また、私はアメリカでの礼儀作法として「他人を指さしてはいけない」と聞かされていたので、あの動作は「アレッ。あれで良いのか?」と感じた次第だ。

*内容があったか:
余り印象的ではなかったという気がする。トランプ大統領が新型コロナウイルスのアメリカ国内での大流行で800万人も感染し、22万人もの死者が出たのは「中国のせいだ」と決めつけたのは理屈はその通りだと思う。だが、「絶対に自らの非を認めないアメリカ人の習性」からしたら当然だろうから、トランプ氏が責任回避したと見ない方が良いだろう。バイデン氏がシェールガス云々と言ったのは大きな失点だという指摘もあるが、ランダース氏はそれほど重視していなかった。

ランダース氏は「今や有権者の90%以上は誰に投票するかを決めているだろうし、自分も既に事前投票を終えているので、この討論会で大勢が変わる確率は低いだろう」と指摘していた。確かに、一般論としても投票日の1週間前になっても迷っている人たちが多いということは滅多にないとは思う。だが、トランプ大統領がの岩盤の支持層や隠れトランプや、隠れバイデンにとっては有意義な討論会だったのかも知れないだろう。

*文化比較論に行こう:
全く本筋を離れた事だが、反町も女性キャスターも暫くの間はランダース氏に「ピーターさん」と呼びかけていたのは「やれ、やれ」と思わせられた。不味いことをやっているなと思って少し嘆いていた。そう言うのならば、古森義久氏には「義久さん」と呼びかけなければ調和が取れないのだ。だが、流石にというか何というかフジテレビは途中で気が付いたのか「ランダースさん」に切り替えたのだ。嘆かわしい事は何もマスコミだけではないが、未だに我が国ではアメリカやヨーロッパでは「ファーストネームが先に出てくるので、名字ではない」と理解できていないような点だ。


10月23日 その2 再び日本学術会議の問題について

2020-10-23 10:49:41 | コラム
何となく一筋縄ではいかない案件のように思えてきた:

相変わらず野党とマスコミ連合軍はこの学術会議の件で菅首相とその内閣の大失態のように捉えて、26日から開催される国会で激しく且つ厳しく追及しようと手ぐすね引いている感がある。私はこれはとんでもない彼らの間違いであり、見込み違いだろうと思って見てきた。それは、言わば(韓国における)保守派のような正当な意見を述べる櫻井よしこさんのような方々の見解が正しく、中国の「千人計画」の罠にはまった学術会議側に非があると受けとめていたからである。菅首相が拒否の理由を明かされないのは、武士の情けだと信じていたからだ。

私はこの件に関しては反「野党とマスコミ連合軍」の方々の主張が正しくで、連合軍は毎度のことでただひたすら内閣を貶める為の絶好の手段というか材料だとして、いきり立っているのだとばかりに見てきた。そして、この件ではいち早く櫻井よしこさんの週刊新潮での学術会議の五星紅旗寄りの姿勢を明らかにされたコラム等により、事の次第を知り週刊新潮の取材振りも中々のものであると密かに評価してきた。

だが、昨日発行された10月29日号の巻頭の記事「日本の技術を盗む中国千人計画 第2弾」「謎のベールを剥ぐ!」を早速読んでみた。知り得たことは確かに中国が仕掛けてきたことは「日本の技術を盗む」という見出しの表現が当たっていると思わせるのに十分なとことがあった。「矢張り、中国は怪しからんな」と読めた。だが、最後まで読んでいくと、意外なようで「矢張りそういうこともあったのか」との記述に出遭うので、些か判断を迷わせられた。

それは中国に勧誘された何名かの元大学教授や研究者が「中国での研究環境の(我が国との対比での)素晴らしさ、即ち経済的な憂いがなく打ち込めることと、報酬と食と住環境の待遇の良さを語っているのだ。それは取りも直さず我が国における研究費が余りにも不十分であり、研究の成果を短兵急に求める理解の無さを批判していることでもあったのだ。ノーベル賞受賞者の本庶博士などはオブジーボの研究の完成には40年を要したが、そういう長期の研究を許す環境が我が国にはと整っていないと言われたとの記述すらあった。

それに対して中国では勿論結果を出すことは厳しく追及されるが、研究の予算は潤沢であり我が国の学者が惹かれていくのも尤もだと言わんばかりの記事で、暗に財務省の予算割り当てのつれなさまで非難とも読める記述もあった。そこを中国に上手く付け込まれたとも言えるだろうとも読めた。千人計画に誘い込まれているのは何も我が国からだけではなく、アメリカやドイツからの多くの学者が参加しているとも報じられていた。即ち、矢張り非難すべきは「中国の世界の各国から技術を盗もうとする企みである」と言えるが、参加する方にも問題はあるかも知れない。

私は勿論首相も甘利氏もこのような事情は先刻ご承知だろうと思うし、野党とマスコミ連合軍だって知らないはずはないと思うのだ。それだからこそ、菅首相は「総合的且つ俯瞰的に」とだけしか理由を述べておられないのだと思っている。それにも拘わらず、国会で責めるといきり立つ野党は一体全体何をあぶり出そうという気なのだろうか。週刊新潮の第2弾の内容が正確であるとすれば、国会で何も生まない論戦を展開するだけになるように思えてならない。学術会議を切り離すのか、財務省が考え直すことにでもするのか。



アメリカ人は如何なる判断をするのだろうか

2020-10-23 09:49:27 | コラム
アメリカ大統領選挙とトランプ大統領をあらためて考察すれば:

私が以前にも採り上げた事だが、アメリカで上澄みの層にいるいる人たちの社交性の高さと社交辞令の巧みな表現に出会うと、余程アメリカの社会に慣れない事にはついその気になって「自分も満更ではないのだ」とばかりに、浮かされていまうことがあると思う。いえ、思い上がらせられるかも知れません。家内も私がその社交辞令的な発言を忠実に通訳したのを聞いて「余りに世辞が上手すぎてかえって本当の事を言っていないのではと感じた」という感想を漏らしていた。女性独特のカンにはそのように聞こえるらしい。

トランプ大統領が個人的に話をしている場面がテレビなどで流れることなどあり得ないので、彼が友人や知人と語り合っている際にどれほど社交的な人物なのかは知り得ようがないと思う。いや、何時でもあのように乱暴な口の利き方をして汚い言葉を使っておられることはあるまいと想像している。トランプ氏と個人的に付き合いがある在NYのエコノミストのH氏が、立候補した頃に言っていたと聞いた。だが、彼は「もしもNYの街中でうっかりそんなことを言えば、後ろから刺殺されそうなほどトランプ氏は嫌われていた」とも補足したそうだ。

私がトランプ氏のキャンペーンの演説を聴いていて「あそこまでやるのか」と寧ろ感心している点がある。それは、トランプ大統領はアメリカ人的な社交性も何もかなぐり捨てて、再選される為には自己の最大限の利益と安全保障の為に、ひたすらバイデン氏を罵ることに徹底し、自分の陣営側のはずのファウチ所長までも貶している点なのである。要するに、我が国のように「エールの交換」などという儀式はあり得ない世界だ。

しかも、アメリカ合衆国の大統領ともあろうお方が平気で「汚い言葉」を使い、“you know”を挟んでまで下層階級が多い支持層に受け入れられそうな言葉を意図的に使っておられる点が凄いと思うのだ。明らかに上流階級である誇りまでかなぐり捨てておられるのだ。この点は何度も指摘したことで、トランプ大統領が語りかけているのは知識階級ではなく、労働者階級等である彼の支持層であるということだ。即ち、彼等にとって解りやすい言葉を使っておられるのだ。彼等にこの点についてはYM氏も同意見だった。即ち、「目的のためには手段を選ばず」の状態だということ。

我が国には多くのアメリカ事情通の評論家や専門家が多くおられると思う。その方たちのご意見は尊重すべきだとは思う。だが、YM氏にしても、不肖私にしても彼等アメリカ人たちの中で過ごし、彼等と知り合い語り合って初めて知り得たアメリカの実態と事情を語っているのだと思う。一方、評論家や専門家の方々は外国人として非常に良く勉強しておられルのは間違いないと思う。飽くまでも外国からのお客様であるから、アメリカ側の権威者たちが何処まで本音を語るか、または質問か議論をする際に何処まで突っ込んだ討論が出来るのかは、私には分からない。

YM氏はアメリカでのビジネスの世界を何年が経験してから、ハーバードを経て私とは別な学問の分野で私よりも深くアメリカに浸透した。その意味でも傾聴すべき事を言ってくれると思っている。故に何時もその意見というか見解を傾聴している異色の人物である。彼は相変わらずスタンフォード大学の経済学部教授のOB会との交流などは続けているが、敢えて我が国のマスコミと接触しようとはしていない。また、民主党のナンシー・ペローシ下院議長との関係も維持している。このように私にとっては貴重な友人である。

その彼が自分の周囲には一人もトランプ大統領を好んでいる者はいないと言っているのは、こういう背景があるのだ。その彼にしても、未だにトランプ大統領とバイデン候補の何れが勝つのかは判断出来ないといっている辺りが、今回の選挙戦の混乱の度合いを表していると思う。これでは、何となくYM氏の宣伝のようになってしまったが、このような人物もいるのだと思って語って見た次第。