1010 Radio

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核開発をめぐる北朝鮮の戦略に付いて

2009-09-10 | ラジオ
北朝鮮はウラン濃縮プロセスの最終段階に近づいた、これは北
朝鮮当局が国連安全保障理事会に送った、特別声明の中で伝
えられたものだ。
これまで北朝鮮はすでにプルトニウムの再処理を通じた、核兵
器を所有していると見られるが、ウランを使った核爆弾の製造に
は成功していなかった。

一方一連の専門家達は北朝鮮はそうした声明を発表して、まさ
にそれによってアメリカ政府が、軍縮と引換えに援助を与えると
いうプログラムに関する交渉に戻ることを期待しているのだと指
摘している。
というのはここ20年間、北朝鮮は定期的にそうした形で人道援助
を受けてきたからだ。
そういった人道援助がなけれは北朝鮮の人々は、飢餓の淵に追
いやられてしまう。

北朝鮮当局はこのことをよく理解しており、今回も最大限合理的に
行動しようと試みている。
北朝鮮は公式的には6ヵ国協議への復帰に反対し続けている。
彼らは6ヵ国協議に付いて国の主権と、平和的な発展の権利を侵
害し、侮辱する場としてこの6ヵ国協議を利用したと主張している。
すなわち北朝鮮当局はウラン濃縮プロセスの、最終段階に入った
と発表し、(?)にアメリカまたロシアが求めているような、核プログラ
ムの凍結を受け入れるだろうということだ。

ロシアのコリア調査センターの主任研究員は、次のような意見を述
べている。
「こうした声明は先ず何よりも、外交的なゲームの要素として受け止
めるべきだ。何故なら先ず強硬な賭けに出、そのあと対話の用意の
あることを示しながら、それらを引っ込めるというのは北朝鮮の常套
手段だからだ。
こうした戦略に北朝鮮が番ったのは、実際一度や二度ではない。
そうした戦略はかなりリスクがあり神経を磨り減らすものだが、これは
北朝鮮が自分達は受け入れられないと捉えているプログラムを押し
付けることを、その目的とした若干の国々の戦略に対し北朝鮮が対
抗し得る唯一の戦略なのだ。
北朝鮮の極秘核プログラムに関する話し合いの場は、2002年から存
在している訳だが、軍事用のプルトニウムではなくウランに付いての
プログラム存在の証拠というのはなかったし提示されてこなかった。
もちろん北朝鮮は何らかの形で、ウラン濃縮の段階からは出たように
は思われるが、北朝鮮に本当にそうしたプログラムを実現する力があ
るのかどうかに付いて、核物理学に携わっている専門家の方たちの意
見を、今後も聞くべきだと考えている」
主任研究員はこのように述べている。

もし北朝鮮がそれでもやはり交渉プロセスに戻らないとしたら、事態は
一体どのように発展していくだろうか。
その場合、国連安全保障理事会は北朝鮮に対して政治的、経済的制
裁を導入する決定を採択する可能性が出てくる。
北朝鮮指導部は公式的には絶えず貿易封鎖、金融措置を恐れてはい
ない。自分達には自国民を養う力がある。そう言い張っているが、こう
した声明は何の根拠もない。
それ故、大多数の専門家達は北朝鮮はウラン濃縮に付いての、声高な
今回の声明を通じて、交渉プロセス開始のための良いポジションを確保
することに成功したのではないかと捉えている。

と言うのも北朝鮮は交渉の中で核兵器の、さらなる拡散に反対しており、
世界の国々の懸念を自分達はよく理解している、そう述べることが出来
るからだ。
そして軍縮と交換に新しい援助を手にすることになるだろう。
そして北朝鮮は核爆弾製造に向けた、作業完了に付いての声明で世界
を驚かすことも止め、そうなることも有り得たそうした作業は、ただ紙の上
のことだけで済むのではないだろうか。

(?)は聴き取れず

9月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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