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アメリカ軍またもや核兵器管理能力を失う

2010-11-03 | ラジオ
アメリカ軍が45分間にわたって大陸間弾道ミサイル50基に対する、コントロールを失うと言った非常事態が生じた。
原因はミサイルが配備されている、国内の3つの基地の一つでプログラム上の支障が起きたためだ。
この事態は150基の大陸間弾道ミサイルが配備された、ワイオミング州の基地で10月23日に起きた。

調査が明らかになたったところでは、ミサイルのチェックと発射に関するコンピューターネットワークの幾つかのブロックが、作動不能に陥ったと言うことだ。
しかしアメリカ軍サイドは1分たりとも、ミサイルが発射される可能性は無かったと強く主張している。
このクラスのミサイルは遠くにある、戦略的に非常に重要な施設を攻撃するためのもので、通常核弾頭が搭載されている。
こうした出来事は今回が決して初めてではない。

ロシアのアメリカ・カナダ研究所副所長は、ロシアの声からの取材に対し次のように指摘している。
「常に二つの種類の危険が存在している。一つは人間的なファクターによるもので、人間が心理的な緊張に耐え切れず引き起こす可能性のあるものだ。
もう一つは技術的なファクターによるものだ。つまりリスクはいつも存在すると言うことだ」
副所長はこのように述べている。

アメリカ軍が自国の兵器に対するコントロールを失うと言った出来事は、定期的に生じている。
明らかになったものとしては例えば2005年、アメリカ空軍は誤って台湾に向けて弾道ミサイル用の電子発火装置を送ってしまった。
また2007年8月には6基の巡航ミサイルが誤って、核弾頭を搭載したまま処理に回されてしまった。
核弾頭を積んだ戦闘機がアメリカ全土を通過しながら、その乗組員達は何を積んでいるのか疑いを抱かなかったというビックリするような出来事もあった。

さらにはクリントン大統領補佐官が核兵器の発射ボタンに、アクセスするコードを無くしてしまったという情報は、文字通り全ての人々を振るいあがらせた。
そしてこうしたことも決して初めてではない。
例えばカーター大統領は当時、核兵器のボタンにアクセスする、大統領個人の重要な持ち物を背広のポケットに忘れ、クリーニングに出してしまったと言う呆れたケースもある。

専門家達はこうした偶然が、それぞれがうっかりミスだとしても、システム全体の弱点を明るみに出していると指摘している。
また当然ハッカーの問題もある。アメリカ国防総省のサイトは定期的にハッカー攻撃に晒されている。
ロシアの雑誌『国家防衛』編集長は、次のような話している。
「核兵器を軍が、しっかりと着実に管理することは、最も重要な要素であり非常に多くの人々の努力がここに集中している。
アメリカの場合何が問題かというと、核兵器を管理する軍のネットワークが、他のコンピューターネットワークと実説に関連しているということだ。
安全保障上の一定のロックがクリアされてしまえば、外部のインターネットに情報が流れ出る可能性があるのだ。潜在的にこのことは脅威を生み出している。
つまり特別鋭い頭脳を持ったハッカーやテロリストらが、軍のサイトに侵入する可能性がある訳だ。多くのレベルの予防システムがあるから、直ぐにミサイルの発射にまで至ることは無いとは言え、技術が徐々に進歩している現状からいって、定期的に例えば大統領が核のボタンを管理できない状態に陥ったり、軍が命令があっても、ミサイル発射出来ないといった状態になることは、核兵器が人類を破滅させるだけの力を十二分に持っていることを考えれば、決して許されるものではない」
編集長はこのように指摘している。

核のボタンに手をかけた男たち

ジョナサン シェル,浅井 基文

大月書店

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10月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル