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IMFの通貨構成比見直しによせて(2)

2010-11-22 | ラジオ
近年この構成通貨に中国の人民元を加えるとの提案がされてきた。その最大の理由は中国が現在、世界最大の輸出国となったことだ。
しかしIMFは構成通貨に加わるための条件の一つに、市場での取引、交換の自由を挙げている。中国の場合、通貨規制が厳しく人民元の価値も過小評価されておりIMFの条件を満たしてはいない。
ですが人民元が近く構成通貨に加わることはないだろうと見られる、別の原因があるようだ。

ロスビジネスコンサルティング紙の、ヤコヴレフ情報分析部長は次のように説明している。
「中国は経済が急成長してはいるが、経済自体に多くの問題を抱えていることが明白だ。このような問題はよく知られている。
これらの問題は国内問題や貿易バランスの不安定さと関連している。中国でこの10年で迎えた急激な成長期の間、いかなる深刻な経済危機も中国経済に影響を与えなかった。
ですが実際には経済成長プロセスにおける周期性を誰も止めらて来なかったので、中国は早晩、経済危機に衝突することだろう」
情報分析部長は、このように話している。

このためIMFや世界銀行は、人民元を構成通貨に加える方向で急ごうとはしていない。急激に成長するものは、急激に没落するものだという懸念があるのだ。
世界各国の経済や世界的な経済危機を引き起こした混乱さを考慮すると、このような懸念は非常に合理的なものだ。
一部の専門家はIMFは、最近一連の危険な動きを見せた米ドルや、加盟国の金融債務不履行の危険性にさらされているユーロから、喜んで距離を置くだろうと囁いている。しかしそうすれば、もうどこへも退路はない。

11月16日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル