Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか』

2010-07-14 14:45:49 | 読書。
読書。
『善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか』 曽野綾子
を読んだ。

昨年、『ほぼ日刊イトイ新聞』の「イトイの読んだ本、買った本。」という
コーナーで取り上げられていたのを読んで買ってみた本です。
形式は、過去の曽野綾子さんのいろいろな書き物の中から抜粋した形での
編集ものです。

タイトルからして、できれば善人でありたい、そしてちょっとは「僕って善人」
という恥ずかしい自負を持っている自分ですから、
自分で自分を攻撃するために読むことになりかねない読書でした。
ただ、まぁね、昔っから、善意が人を苦しめる場合というのを
感じとっていたところがあって、拒否する時は善意であっても拒否して、
「なに、この人!」と思われたことも、数多あるに違いない僕なので、
そういった面でのすっきりしない感じを料理してもらえるんじゃないか
という期待もありました。

そして、読んでみたらどうかというと、
初めの方こそ、なかなか核心を突く章がでてこないなぁと思っていたのですが、
ところどころクリティカルヒットする部分があったり、
全体として、文章にこめられている意味合いが深くて厚い感じがして、
いわゆる「すぐに役に立つものは、すぐ役に立たなくなる」のとは
反対のものだなぁという印象を受けました。

いろいろううなずかされたり、ハッと気づかされたりしたのがありました。
その中でも、「誤解」というものに対する考察は、目からうろこがでる
気がしたものです。
以前、岡本太郎さんの著書を読んだ時にも、誤解なんて気にしないで
どんどんされてしまえ、みたいな箇所がありました。
そうは言われたものの、なかなかそれを丸のみするごとく信じることって
できないじゃないですか。
それが、この本だと、誤解というものはされてもその人の本質は変わらないだとか、
曽野さん自身も、自分が誤解されることと、他人を誤解してしまうことを
惧れて、何もしゃべれなくなった、ということが書かれていて、
これだけ深く本質を見つめてきた人生の先輩でもそうなんだなぁ、という
良い勉強になるんですよ。
引用して、僕の文章にくっつけて使うと、こういうのがあります。

>人生で、なにかを知り尽くすことなどできるわけがない。

相手や、ましてや自分自身さえも知りつくすことなどできるわけがない、
とも使える言葉ですね。

それと、気の持ち様で、同じ事柄を、楽しい方向へとる人もいれば、
わざわざ不幸な方向へ解釈する人もいるというところなどは参考になりましたね。

最後に、著者の曽野綾子さんについて。
今年で79歳になる、なかなかに高齢な方ですが、去年、日本郵政の
社外取締役に就任されたとのことで、バリバリ活躍されています。
そしてWikipediaで彼女の項を開いてみると、20歳前後の曽野さんの
お写真が表示されています。それが美少女なので、一度見てみてください。
目が悪くて人間が苦手で文筆家の資質がある美少女。
萌え~っていう人はかなりいるはずです。
とかって、曽野さん本人にこんなことを言ったら、とんでもなく怒られそうですね。
内緒で書いておきます。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする