Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

テルミン

2010-08-09 19:39:12 | days
昔の映画のDVDを物色するために入った本屋さんで、
あいさつ代わりに雑誌の棚を眺めていっていたら、
宝島社から出ている、テルミン本体がついた雑誌を発見。
というか、テルミンに雑誌がついているといったほうが
的を得ていそう。

テルミン、懐かしいようなそうでもないような、
微妙な感覚に襲われる。
そして、欲しいようなそうでもないような、
どっちつかずの、だけれどしっかりとした興味がわき起こる。

一番最近の記憶だと、
映画『のだめカンタービレ 後編』にテルミンを使う女子学生が
でてきました。それが相当久しぶりにテルミンの音を聞いた機会でした。
やっぱり一時期ちょっとしたサブカル的な流行に乗ったテルミンですから、
こんなメジャーな映画でこの時代としてのタイミングに出してくるかという気持ちがしました。
これは、テルミン奏者であり愛好家である、ミュージシャン・高野寛さんにとても失礼な話ですね。

そうです、僕がテルミンを初めて知ったのは、高校2年生か3年生の時に、
NHK教育テレビで毎週土曜23:00から45分間だったかな、放送されていた
『ソリトン SIDE-B』という番組の中ででした。
前述の高野寛さんと女優の緒川たまきさんのお二方がゆるい雰囲気で司会をされていたんですよ。
毎週のゲストには、そのころは活動していなかったYMOのお三方ですとか、みうらじゅんさんや
村上龍さんなど、たまらない人には本当にたまらない方面の人たちが呼ばれていました。
そんな中、高野さん絡みなのでしょうね、テルミンを扱った回があったように思います。

その後、2000年前後にテルミンの発明者テルミン博士を取り上げた映画『テルミン』が公開されました。
これでちょっとしたブームになって、僕も映画館に観にいったのでした。
でも、トッド・ラングレンが出てきたことくらいしか覚えていないなぁ。
ビーチボーイズもでてきたようなこないような。

そして札幌のタワレコに、お試しテルミンが置かれていて、
友達と一緒にブイーンと音を鳴らしたりして遊んだことを覚えています。

天に向かって突き出た金属の棒が右にだったかな、あって、
それに手をかざして音程を決めたりするんじゃなかったかなぁ。
左に、本体の端から端につながったいびつな輪の金属があって、
それに手をかざして音量を決めるんじゃなかったっけ。

弾けるわけじゃないけれど、この楽器は、おそるおそる一から学ぼうとするよりも、
もう弾けるもんだと虚勢を張るくらいの勢いで、形から入って手を動かした方が
うまく演奏できる気がする。
僕なんか、その気まんまんでいじったら、それなりの音が出たもの。

話は戻るけれど、その本屋さんはとても小さい本屋さんです。
品ぞろえは、高校生とかにとっては目からうろこのはずの小説がそろっているのですが、
きっと当事者の彼らは、大人になってから振り返ってみる機会でもなければ、
その本屋さんの気づかいには気がつかないでしょう。
30歳過ぎの僕なんかが、ごっつあんゴール的に、ちらほら本をかっさらっていくくらいなものです。

そんなお店に、テルミンつき雑誌が3冊はありました。
珍しいし、高校生ならば昔流行ったことを知らないだろうし、
なんだこれは!とオカルトちっくな感情を彼らは持つかもしれない。
子ども時代のそういう気持ちって大事だと思うんですよ。
初めて知る、摩訶不思議な技術だとか遊びだとか。
新しいものであればもっといいかもしれませんが、
こういうリバイバル的なのもいいのかもしれないなぁ。
変な(といったら失礼だけど)ものにぞっこんになること。夢中になること。
大人になって振り返って、あれってなんだったんだろうと、クスッと笑えて、
だけれど、にくめない気持ちになるしろものに出くわすことって、
人生を豊かにすると思いますよ。
なんか、許せるものの範囲が広がるんじゃないだろうか。

あの本屋にあるテルミンを限定するとイメージが湧きやすいですが、
その他、全国に流通したテルミンがどんな末路をたどっていくのか
面白く空想したりします。
文化系の高校生なんかが小遣いをはたいて、テルミンと格闘して
思い出を作ったりするんだろうなぁ。

「俺さ、テルミン弾けるんだよ」と好きな子に打ち明ける。
「なにそれ」と興味を持ち、話を聞くうちに笑顔になる女の子。

この場合、文化系の男の子をバカにしない女の子であって欲しいです。
男の子って、おっかしくて可愛いものなのね、くらいの余裕は持ってもらって構いません。
ただ、「ばっかじゃないの、ダサイったらありゃしない!」
というような気持ちになる女の子にでくわすと実に残念でなりません。
「きもちわるい」まで言ったら、文化系の男の子はしばらく立ち直れなくなって、
高校卒業後、無理にかっこつけて、彼の良さを失う羽目になるかもしれないので、
ご注意を願いたいです。

ねぇ。女の子の態度ひとつで世界は変わります。
『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒロイン、亜紀だったら、
きっとテルミンを受け止めてくれるんじゃないでしょうか。

またね、そういうところで、女の子の株とか女神性がぐんと上昇しますよね。

がんばれ、男の子。
がんばれ、女の子。

って、最後、全然、テルミンの記事じゃなくなったかな。
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