読書。
『国際協力ってなんだろう』 高橋和志 山形辰史編著
を読んだ。
発展途上国の問題。
貧困、感染症、教育、知的財産、環境etc...
さまざまな問題を紹介し、他に、より学術的な分析、
たとえば産業集積(一つの都市や地方に産業が集中して経済活動をなす)、
そして技術革新の例、たとえば農業においての東南アジアにおける
「緑の革命」(1960年代からつづく、生産拡大のための米の品種改良など)
の紹介などがなされている本です。
各章の一つの単元が7Pで区切られていて、よくまとまっていて、
集中して読む分には読みやすいです。
ただ、それでも法制度のところなどは、言葉がうまく頭に入ってこなかったので、
ちょっと苦労して読みましたし、理解度は低いです。
そういう、ちょっと難しいところがあります。
岩波ジュニア新書なのですが、たぶん、中学生が読むにはけっこう厳しいと思います。
現代文が得意でいろいろな言葉を知っていたり、辞書で調べる労をいとわない人には
いいかもしれません。
海外で国際協力をしようと思っているわけでもないのに、何故このような本を
読んだかと言えば、内容からいろいろ類推して役立つことがあるだろうと
思ったからです。その読み通り、格差社会が到来している今の日本においても、
上記の貧困や、それと保険の問題ですね、そういったことがらが、
まるで遠くの出来事ではなく、日常の問題だということに気づくことになります。
日本は豊かですから、そういう社会の暗部的な問題って、霧に隠れているような
感じだと思うんです。そこを、発展途上国の現実を眺めることで、
他人の振り見てわがふり直せじゃないですが、自国の状態を把握するのに
フィードバックがあったりします。
条件付き現金移転政策というものが、途上国向けにあります。
たとえば、85%以上の出席をする子どものいる家庭の母親に対して、
補助金を与えるだとかというものです。
これって、日本でいえば子供手当じゃないですか。
子供手当が条件付き移転政策の簡易版のように見えてくる。
そして、なぜ条件付きなのかというところが本書に書いてあります。
85%の出席によって、勉学に挑む時間が増えて、子供の教育レベルが上がるというものです。
そのためには、出席させたことに見合う、教育の質っていうものが必要になってきます。
さて、そのあたり、日本の子供手当はどうなのか。
どうも、教育レベルを上げるためじゃないことが推察されますね。
つまり、高齢化、出産率の低下をおさえるための、現金(所得)移転政策なのでしょう。
また、他の諸問題についても、ぶっ飛んだ類推を必要とせずに、
日本の現状を改めて考えるのに役立つかなという気がしました。
問題認識に適しています。
ということで、本書の結びにも書いてありますが、
国際開発の問題全体を広く見回すのに向いている本でした。
国際協力をやりたいなと漠然と考えている方は、
まず、この本を手に取ってみて、どういうものなのかを把握してみて、
それから、気になるカテゴリーを新たに深く掘り下げてみるのが
良いかと思います。
まぁ、いまは日本が大変な時期ですから、海外に目を向けていられない
人が多いかもしれないですが、それであっても、
さっき書いたように、日本の諸問題としても読めるものなので、
時間のある方はさらっと読んでみても損はないでしょう。
『国際協力ってなんだろう』 高橋和志 山形辰史編著
を読んだ。
発展途上国の問題。
貧困、感染症、教育、知的財産、環境etc...
さまざまな問題を紹介し、他に、より学術的な分析、
たとえば産業集積(一つの都市や地方に産業が集中して経済活動をなす)、
そして技術革新の例、たとえば農業においての東南アジアにおける
「緑の革命」(1960年代からつづく、生産拡大のための米の品種改良など)
の紹介などがなされている本です。
各章の一つの単元が7Pで区切られていて、よくまとまっていて、
集中して読む分には読みやすいです。
ただ、それでも法制度のところなどは、言葉がうまく頭に入ってこなかったので、
ちょっと苦労して読みましたし、理解度は低いです。
そういう、ちょっと難しいところがあります。
岩波ジュニア新書なのですが、たぶん、中学生が読むにはけっこう厳しいと思います。
現代文が得意でいろいろな言葉を知っていたり、辞書で調べる労をいとわない人には
いいかもしれません。
海外で国際協力をしようと思っているわけでもないのに、何故このような本を
読んだかと言えば、内容からいろいろ類推して役立つことがあるだろうと
思ったからです。その読み通り、格差社会が到来している今の日本においても、
上記の貧困や、それと保険の問題ですね、そういったことがらが、
まるで遠くの出来事ではなく、日常の問題だということに気づくことになります。
日本は豊かですから、そういう社会の暗部的な問題って、霧に隠れているような
感じだと思うんです。そこを、発展途上国の現実を眺めることで、
他人の振り見てわがふり直せじゃないですが、自国の状態を把握するのに
フィードバックがあったりします。
条件付き現金移転政策というものが、途上国向けにあります。
たとえば、85%以上の出席をする子どものいる家庭の母親に対して、
補助金を与えるだとかというものです。
これって、日本でいえば子供手当じゃないですか。
子供手当が条件付き移転政策の簡易版のように見えてくる。
そして、なぜ条件付きなのかというところが本書に書いてあります。
85%の出席によって、勉学に挑む時間が増えて、子供の教育レベルが上がるというものです。
そのためには、出席させたことに見合う、教育の質っていうものが必要になってきます。
さて、そのあたり、日本の子供手当はどうなのか。
どうも、教育レベルを上げるためじゃないことが推察されますね。
つまり、高齢化、出産率の低下をおさえるための、現金(所得)移転政策なのでしょう。
また、他の諸問題についても、ぶっ飛んだ類推を必要とせずに、
日本の現状を改めて考えるのに役立つかなという気がしました。
問題認識に適しています。
ということで、本書の結びにも書いてありますが、
国際開発の問題全体を広く見回すのに向いている本でした。
国際協力をやりたいなと漠然と考えている方は、
まず、この本を手に取ってみて、どういうものなのかを把握してみて、
それから、気になるカテゴリーを新たに深く掘り下げてみるのが
良いかと思います。
まぁ、いまは日本が大変な時期ですから、海外に目を向けていられない
人が多いかもしれないですが、それであっても、
さっき書いたように、日本の諸問題としても読めるものなので、
時間のある方はさらっと読んでみても損はないでしょう。