Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

哀悼

2013-08-27 14:22:18 | days
報道を見て驚きましたが、宇多田ヒカルちゃんのお母様の藤圭子さんが22日、逝去されました。
彼女の場合、そういう人は多くいると思いますが、僕もヒカルちゃんのデビュー時からのファンです。
それに、DVDやブルーレイで初めて買ったディスクがそれぞれヒカルちゃんのものだったりもします。
藤圭子さんについていえば、名前と、歌の一部分を少し知っているくらいで、やはりヒカルちゃんの
お母様だという認識でいました。

そのお母様が自殺という、悲しい選択をして、自らの命を絶ってしまった。
そして、昨日、ヒカルちゃんがご自分のサイトで、
説明と自身の気持ちを述べた文章を発表しました。

ずっとサイトには繋がりませんでしたが、RSS登録をしてあるので、
メーラーのほうに、彼女とお父様のメッセージが届きました。

それを読んで、彼女たち3人のこれまでの人生の辛かった部分をひしと感じました。
それぞれに、心のどこかにいつも辛さや哀しさを宿して生活していたのかもしれない。

精神の病を抱えて、症状が緩和しないまま、
重症化していく家族を見守るだけでなく、
接するということは、そういう境遇にない人が想像するよりも、
ずっとずっと大変なことだと思います。
ましてや、ヒカルちゃんは「何もできなかった」というようなことを述べています。
ふつうの人であれば、病を抱える人に対して、その人を愛する気もちで
症状を和らげたい、よくしてあげたいと思うはずで、そしてそうなるようにと、
自分なりに考えたり勉強したりして働きかけるはずです。
憶測になりますが、きっとヒカルちゃんもそうで、
そうしたのに、「何もできなかった」と感じているというのは、
相当な無力感を抱えている証拠だと思います。
自分の、この「つよい愛」の弱さという挫折感に似た感覚が生まれるように思う。
しかし、そんな中、彼女はいくつもの輝かしい、聴く者の心に訴えるような
素晴らしい歌を作り、歌ってきました。
その、悲しみの中での強さを、これまでのヒカルちゃんの姿を思い返して、
今回のカミングアウトとでも呼べるようなコメントからリニューアルして噛みしめてみると、
抱きしめたい気持ちになりました。
そこまで強くならなきゃいけないものなのか?と。
そうはいっても、24時間1週間1カ月1年…と
たえず暗い気持ちを抱えたまま暮らしているようなこともないはずではあります。
暗い影を抱えてはいても、心の明るい部分を使って過ごしていた時間は多いでしょう。
暗い影におびえ、常に泣きぬらしているようなのは、残酷な言い方かもしれないですが、未熟だろうと思います。
身近に暗い影をのばすものがありながらも、強く生きることは、なにも薄情ではありません。

ヒカルちゃんとお父様は大変なショックを受けただろうと思います。
そこから立ち直るのは大変かもしれない。しかし、家族がいつまでもくよくよしているのは、
藤圭子さんからしてみれば、本望ではないだろうと思います。
あまり、思い悩みませんように。

藤圭子さんの苦しみ、辛さは、きっと当人じゃないとわからないくらい深いものだったかもしれない。
それが、今では解放されていますように。
清浄な魂が天国へと旅立っていきますように。
そう願っています。



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『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

2013-08-27 13:37:48 | 映画
昨夜、SF映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を観てきました。
その後を引き継ぐシリーズがたくさんある、
SFドラマの名作『スター・トレック』の初期のシリーズのメンバーが活躍する
(もちろん、俳優さんは若手にバトンタッチ)、ドラマ版以前の彼らを描いた作品。
前作『スター・トレック』もその時代設定のものでした。
監督も引き続き、J・J・エイブラムス監督が担当しています。

『スター・トレック』は本家アメリカでは大人気のSFシリーズらしく、
そのファンはトレッキーと名付けられているほど。
作られたシリーズも、5シリーズもありますし、映画もこの作品で10何本目かになります。
しかも、シリーズが進んでいくにつれてSFの固有名詞が多くなりますし、
いきなりスタトレの世界に飛び込むと、面食らうことになると思います。

しかし、今作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は、
そういう難しさを出来る限り除去してあり、みんなが観られるSF大作映画に
位置づけていいような出来栄えになっていました。
それでいて、往年のファンが小躍りするような、設定や登場人物もいたりして、
(というか、彼がいるおかげでこれまでのシリーズとの結びつきが感じられるというように、
娯楽大作としての色合いは、これまでのスタトレシリーズより濃くなっています)
そういう配慮もできています。

掛け値なしに面白かったですから。
あんまり最近、娯楽娯楽した映画をみてこなかったから、
余計に新鮮だったせいもあるでしょうね。

とはいえ、この映画を見て、エイブラムス監督の次回作になるであろう、
「スター・ウォーズ」の続編に対する期待が高まりました。
それにしたってすごいですよね、アメリカでSF人気を二分するスタトレとスター・ウォーズの
監督が同じ人なんですもの。
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