読書。
『O・ヘンリ短篇集(三)』 O・ヘンリ 大久保康雄 訳
を読んだ。
新潮社から出ているO・ヘンリの短篇集の最後の集です。
どうやら現在は新しい版のO・ヘンリ短篇集が出ていて、
収録作品が僕の読んだ三つとは違うふうにシャッフルされ、
もしかすると新訳になってもいるかもしれません。
興味のある方は調べてみてくださいね。
さて、今作では、弁護士や判事など、
法曹界で仕事をしている登場人物が多かったです。
また、話のオチがよくわからないものもあり、
第一集、第二集のほうが面白みはあったかもしれないです。
でも、たとえば、
あの木から葉がすべて落ちてしまうとき、
私は死ぬんだわ----というような、
熱に浮かされ、かつ弱気になってしまっている病人がでてくる、
センチメンタルで切ない話「最後の一葉」ですが、
これが収録されていて、
きちんと読んだのってたぶんに初めてでした。
O・ヘンリの短編って「あ、あの話かー」という有名なものが多数ありますね。
本書最後の「都市通信」という作品がなかなか味わい深かったです。
貧しい時代の、必死に生きている人間が出てきますけれども、
汚らしい恰好をしていたり、街自体も汚かったりしても、
そこにでてくる人間たちには好さを感じるというか、
まあなんていうか、愛おしさとか共感とはちょっと違うかもしれないですが、
彼らとは近しい感覚のようなものを覚えるんですよ。
「心」を感じるといったらいいのかなあ。
ということは、角度を変えて考えてみると、
O・ヘンリがちゃんとその当時生きていた人間たちのカラーっていうものを、
フィクションのなかでのキャラクター造形の作業でちゃんと扱って、
その「心」ごと人物を作り上げていた作家だったということに
なるのではないでしょうか。
ま、個人的な印象からの感想なんですけどね。
三作読み終えてみて、
どの作品がもっとも印象的だったかといえば、
「賢者の贈りもの」がやっぱり心に残っていますかねえ。
あれぞペーソスって気がします。
たまに形容が多すぎるような文章になっていたりもしてそこは好きずきですが、
アメリカ文学史に残る名短編作家の作品ですからさすがの面白さだし、
そんなに難しくもないエンタテイメントなので、
読んだことがない方にはおすすめしたいです。
『O・ヘンリ短篇集(三)』 O・ヘンリ 大久保康雄 訳
を読んだ。
新潮社から出ているO・ヘンリの短篇集の最後の集です。
どうやら現在は新しい版のO・ヘンリ短篇集が出ていて、
収録作品が僕の読んだ三つとは違うふうにシャッフルされ、
もしかすると新訳になってもいるかもしれません。
興味のある方は調べてみてくださいね。
さて、今作では、弁護士や判事など、
法曹界で仕事をしている登場人物が多かったです。
また、話のオチがよくわからないものもあり、
第一集、第二集のほうが面白みはあったかもしれないです。
でも、たとえば、
あの木から葉がすべて落ちてしまうとき、
私は死ぬんだわ----というような、
熱に浮かされ、かつ弱気になってしまっている病人がでてくる、
センチメンタルで切ない話「最後の一葉」ですが、
これが収録されていて、
きちんと読んだのってたぶんに初めてでした。
O・ヘンリの短編って「あ、あの話かー」という有名なものが多数ありますね。
本書最後の「都市通信」という作品がなかなか味わい深かったです。
貧しい時代の、必死に生きている人間が出てきますけれども、
汚らしい恰好をしていたり、街自体も汚かったりしても、
そこにでてくる人間たちには好さを感じるというか、
まあなんていうか、愛おしさとか共感とはちょっと違うかもしれないですが、
彼らとは近しい感覚のようなものを覚えるんですよ。
「心」を感じるといったらいいのかなあ。
ということは、角度を変えて考えてみると、
O・ヘンリがちゃんとその当時生きていた人間たちのカラーっていうものを、
フィクションのなかでのキャラクター造形の作業でちゃんと扱って、
その「心」ごと人物を作り上げていた作家だったということに
なるのではないでしょうか。
ま、個人的な印象からの感想なんですけどね。
三作読み終えてみて、
どの作品がもっとも印象的だったかといえば、
「賢者の贈りもの」がやっぱり心に残っていますかねえ。
あれぞペーソスって気がします。
たまに形容が多すぎるような文章になっていたりもしてそこは好きずきですが、
アメリカ文学史に残る名短編作家の作品ですからさすがの面白さだし、
そんなに難しくもないエンタテイメントなので、
読んだことがない方にはおすすめしたいです。